AppleがApple Watch向けOSのの最新版となる「watchOS 10」の提供を9月18日からスタート。
Watchアプリのソフトウェアアップデートの項目を見ると、「watchOS 10はwatchOS史上最大のアップデートです」との記載が。
実際にアップデートしたところ、操作法や表示がかなり変化していて、実際かなり大きなアップデートだと感じました。
この記事では、OSへのアップデートで、Apple Watchにどのような進化・変化が起きたのかまとめました!
なおwatchOS 10はApple Watch Series 4以降を対象に提供。Series 3以前のApple Watchは非対応です。
また利用にはiOS 17がインストールされたiPhone XS以降が必要で、一部の機能は、国や地域またはデバイスによって利用できない場合があるのでご注意を。
実際の操作感などは、下記のレビュー動画も参考にぜひ。
①表示と操作法のリニューアル
まず、Apple Watchの画面上の表示が全体的にリニューアルされ、操作法も一部で変更がありました。
各種設定を表示する「コントロールセンター」は下記のような表示に。
全体的に表示の画面が洗練され、見やすくなおかつオシャレになったイメージです。
このコントロールセンターは、サイドボタンを押すことで表示できるようになりました(前は下から上のスワイプで表示されていました)。
アップデート前のApple Watchでは、サイドボタンは主に「最近使ったアプリ」もしくは「自分の指定したアプリ」を表示するボタンだったはずですが、この操作法も変わった形です。
新しい操作法は、アップデート後のApple Watch上で簡単に案内されるので、アップデート後はチェックしておきましょう。
筆者もまだ手探りの状態ですが、
・デジタルクラウンを素早く2度押す→最近使ったアプリを表示
・サイドボタンを素早く2度押す→ウォレットを表示
・上から下にスワイプ→通知の一覧
になることが確認できました。
操作法が変わった部分もあれば、変わってない部分もありますかね。
なお、画面の端から左右にスワイプすると文字盤を切り替えられる機能は、今回のアップデートでなくなったようです(これは誤操作が多かったので歓迎です)。
また、アプリの一覧表示もリニューアルされました。
前はデジタルクラウンを回すと拡大縮小をできる形でしたが、今回のOSからは拡大縮小ではなくアプリの画面全体が上下に動く形になりました。
このリニューアルされた方法のほうが断然使いやすいですね。
②アプリも全面的に表示がリニューアル
watchOS 10では「ほぼすべてのアプリの外観が一新される」との記述がありましたが、たしかに純正アプリは全体的に表示が変わっていました!
天気のアプリは上記のようにビジュアル的にかっこよく、なおかつ多くの情報がひと目で分かる内容に。
今振り返ると、前の天気の表示はだいぶアナログでしたね……。
タイマーの表示なんかも、見た目が少し変わっていました。
全部はチェックできていないですが、このように純正アプリは表示や操作法、できることに様々な変化が起きています。
アクティビティのアプリの表示もこんな感じに変化。
「より詳しい情報、共有機能の向上、再設計されたトロフィーケース、Apple Fitness+のトレーナーのヒントにより、日々の活動をより簡単に記録できるようになります」との記載があったので、機能面でも様々な工場がされてい
③新しいスマートスタックの登場
ウォッチフェイスの画面からデジタルクラウンを回すと、上記のような新しい「スマートスタック」が表示されるようになりました。
ここには天気だったり、カレンダーの直近の予定だったり、再生中の音楽だったり、ユーザーの状況に応じてタイムリーな情報が表示されるようです。
例えば、1日の始まりには天気アプリが天気予報を表示し、旅行中にはスマートスタックでウォレットから搭乗券を表示したりと、シチュエーションに応じて表示が変わる仕様みたいです!
このスマートスタックは、「ポートレート」などの美しい文字盤を楽しみながら、知りたい情報にすばやくアクセスする方法としても便利そうですね!
④新しい文字盤が5つ登場
watchOS 10では、5つの新しい文字盤「スヌーピー」「パレット」「ソーラーアナログ」「Nikeグローブ」、そしてApple Watch Ultra向けの「モジュラーUltra」が登場します。
人気コミックのピーナッツが、スヌーピーとウッドストックが登場する「スヌーピー」文字盤としてApple Watchにやってきます。
キャラクターたちは時計の針と遊んだり、地域の天気に反応したり、ユーザーがワークアウトをすると活発に動きます。
「パレット」文字盤は、重なり合う3つの特徴的なレイヤーを用いて様々な色で時刻を描写し、時間の変化に合わせてディスプレイに映る色も変わります。
「ソーラーアナログ」文字盤は、一日を通して太陽の位置を光と影で映し出しながら、発光するダイヤル上に時刻を描写します。
「Nikeグローブ」文字盤では、1秒ごとの経過とともに地球の経線が光ります。
「モジュラーUltra」文字盤は、Apple Watch Ultraの大きなディスプレイを活用し、秒数、高度、深度などのリアルタイムのデータを最も外側の縁に表示します。
これはApple Watchの文字盤の中で最も多くのコンプリケーションを提供し、スポーツ、アウトドアの探検、海や水上・水中のアクティビティに合わせてカスタマイズできます。
この文字盤とウェイファインダー文字盤では、暗い場所で、Apple Watch Ultraの環境光センサーがナイトモードを自動的に起動するようになります。
⑤新しいサイクリング機能の登場
watchOS 10を搭載したApple Watchでサイクリングワークアウトを開始すると、ライブアクティビティとしてiPhoneに自動的に表示。そしてタップすると、全画面表示になるようになりました!
心拍数範囲、高度、レースコース、カスタムワークアウト、新しいサイクリング速度表示などのワークアウト表示は、iPhoneのディスプレイサイズに合わせて最適化。iPhoneを自転車のハンドルバーに取りつけて走行中に手軽で簡単に確認することができます。
このあたりは自転車を趣味にしている人には楽しい機能ではないでしょうか。
そしてApple Watchは、パワーメーター、スピードセンサー、ケイデンスセンサーなどのBluetooth対応のサイクリングアクセサリに自動的に接続可能に。
これにより、サイクリングパワー(ワット)やケイデンス(RPM)などのまったく新しい指標と、パワーゾーンなどのワークアウト表示が追加されます。Bluetooth接続は、屋内と屋外のサイクリングワークアウトとGymKitに対応しています。
⑥新しいコンパスとマップの機能
Apple Watchのコンパスアプリは屋外の大自然を探索するのに役立つツールです。
このコンパスアプリも色々と進化しました。
少し難しい話なので、興味のない人は読み飛ばしてもらって大丈夫です(笑)。
watchOS 10では、コンパスは可能な場合、「最後のモバイル通信接続地点ウェイポイント」「緊急電話に発信できる最後の地点ウェイポイント」という2つのウェイポイントを自動的に生成。
「最後のモバイル通信接続地点ウェイポイント」はモバイル通信が可能な最後の場所を推定し、メッセージの確認や電話の発信に役立てることができます。
万が一の場合に緊急電話をかけられるように、「緊急電話に発信できる最後の地点ウェイポイント」は、デバイスが通信事業者のネットワークに最後に接続されていたルート上の場所を推定します。
ルートを準備する時には、新しい高度表示は高度計データを使用。保存されたウェイポイントの3次元表示を提供します。
それが上記の画面で、筆者には何だかよく分かりませんが表示としてカッコいいのは分かります(笑)。
また、まずは米国で新しい地形図がAppleマップで表示されるようになります。
この地図には、等高線、山の陰影、標高の詳細情報、関心のある地点などが含まれます。
ユーザーは、登山道の距離、種類、難易度などの詳細な情報を含む場所カードで近くの登山道や登山道の起点を検索することもできます。
⑦心の状態を記録して心の健康をサポートする機能
watchOS 10ではマインドフルネスアプリもリニューアル。
便利な方法で瞬間的な感情や日々の気分を記録できるようになります。
心の状態も継続的に記録し、心身の健康管理に役立てたい人は試してみるとよいでしょう。
⑧環境光センサーで「日光の下で過ごした時間」を測定可能に
近視は世界中で視覚障がいの主な原因となっています。近視のリスクを低減するために、International Myopia Institute(国際近視機関)は、子どもは1日に80〜120分以上は屋外で過ごすことを推奨しています。
watchOS 10では、Apple Watchの環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるようになります。
ユーザーはiPhoneやiPadのヘルスケアアプリでこの情報を確認できます。
日光の下で過ごす時間は、あらゆる年齢の人の体と心の健康にメリットをもたらします。また、自分のiPhoneを持っていない子どもはファミリー共有設定を使ってApple Watchを親のiPhoneとペアリングでき、親はヘルスケア共有を使って子どもが日光の下で過ごしている時間の長さを把握できます。
watchOS 10のその他のアップデート
そのほか、以下のアップデートがあるとの記載がありました。
ここまで書いてきたものに比べると、やや些末な変化ですが、気になる人はチェックしておきましょう。
・超広帯域無線(UWB)はApple WatchとHomePodの連係をさらに緊密にします。オーディオ再生中のHomePodの4メートル以内にApple Watchユーザーが近づくと、Apple Watch は「再生中」を起動してメディアをコントロールできるようにします。
・iPhoneとペアリングされていて接続範囲内にあるApple Watchでは、オフラインマップで、ターンバイターンのナビゲーション、到着予定時刻、マップの場所などに、Wi-Fiやモバイルデータ通信のない場合でもアクセスできます。
・ユーザーはFaceTimeビデオメッセージの再生を開始して、Apple Watchから直接確認できるようになります。さらに、グループFaceTimeオーディオがApple Watchで利用できるようになります。
・服薬アプリでは、指定した時間から30分経過しても服薬が記録されない場合にフォローアップのリマインダーを受け取れるようになります。
・Apple Fitness+にはカスタムプランが導入され、曜日、時間、ワークアウトの種類などにもとづいてカスタムワークアウトや瞑想のスケジュールを受け取る新しい方法となるほか、ユーザーが選択した複数のワークアウトと瞑想をシームレスに連続で行えるスタックが導入されます。
・年内に提供されるアップデートにより、HomePodで何も再生していない時は、スマートスタックの一番上にメディアの提案が表示されるようになり、NameDropで、ユーザーはApple Watchを相手のiPhoneまたはApple Watchに近づけることで簡単に連絡先情報を交換できるほか、オーディオフォーカスにより、Apple Fitness+で音楽またはトレーナーの声の音量を優先させることができるようになります。
Series 4以降のApple Watchなら最新OSを使える!
このApple Watchの最新OSはSeries 4以降のApple Watchなら利用することができます!
すでにApple Watchをお使いの方も、旧シリーズをこれから手に入れる方も、ぜひアップデートしてご使用を!
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者6000人程度)でも各種レビューを行っています!