世界2位の市場シェア。SamsungのGalaxy Watch
スマートウォッチといえば皆さんはどのブランドを思い浮かべるでしょうか。
多くの人はやっぱりアップルウォッチを思い浮かべますよね。というか、アップルウォッチ以外に何があるのか知らない方も多いかもしれません。
確かに世界シェアも数年にわたってアップルウォッチがトップシェアを占めているのですが、それでは第二位は、、、それがSamsungのGalaxy Watchなのです。(2021年度、Counterpoint Researchによる)
「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言して炎上してしまった政治家さんもいたような気がしますが、数あるスマートウォッチブランドの中で確固たる地位を占めているのがGalaxy Watchです。
2022年9月に日本発売された最新機種であるGalaxy Watch 5をスマートウォッチライフ編集部で入手しましたので、今回はそのレビューをお届けします。
動画のレビューもありますのでぜひ!
開封から見た目チェック
Galaxy Watch 5のスペックとしては下記のようになります。
日本での支払い決済機能に対応することが待たれますが、それ以外には特に欠点らしい欠点もなく、何でもできるスマートウォッチというところでしょうか。
まずは外箱。
すっきりとした縦長の外箱はなんとなくApple Watchへの対抗心が感じられます。
ふたを開けるとドカーンとGalaxy Watch 5が鎮座しています。
中身を取り出してみると、スマートウォッチ本体と専用充電ケーブル、日本語の説明書が入っています。
ここら辺は他ブランドのスマートウォッチとほぼ一緒と言っていいでしょう。
取り出してみると、薄型ですっきりとしたスマートウォッチです。
ケースはアルミ製でマットな質感。
物理ボタンが2つついています。(実際にはこのボタンにも体組成データを検出するセンサーがついています)
ガラスはサファイアクリスタルガラスで、硬度が高く前作のGalaxy Watch 4と比べても剛性が格段にアップしているとのこと。
四六時中腕にはめてガシガシ使うスマートウォッチですから、やっぱり頑丈な方がいいですよね。
保護フイルムを貼るのはちょっと画面が見づらかったりしますから。
ベルトとの結合部分は腕の丸みに合わせて湾曲しています。
ここらへんの細かいこだわりが人気の高さの秘訣なのかもしれません。
裏面を見ると、種類の違うセンサーがいくつもついています。
後述しますが、Galaxy Watch 5は身体ログを取る機能がとても多種多様で、その技術を支えているのがこの裏面のセンサーです。
ベルトはしっとりとしたシリコンラバーベルトで風合いも良くフィット感があります。
「20mm」と記載されていますが、20mmのワンタッチベルトがあればサードパーティー製の革ベルトやスレンレスベルトをつけることもできます。
こんなふうにパカッと外れます。
ただ、やっぱり純正のベルトはケース形状に沿って端部が弓状になっていますので、これ以上にしっくりくるベルトもなかなか見つからないのかなと思います。
ベルトは適度な強度を持っていて、しっかりとした質感があります。
バックル部分はプラスチック製。
なんか、ここだけ少し安っぽさを感じるのは私だけでしょうか。
まあ、軽くていいと思いますが。。
充電ケーブルを装着するとこんな感じになります。
この充電は高速充電に対応していて、30分あれば0%から45%までバッテリーを回復できるようです。
バッテリー容量は410mAhと前作に比べて20%ほど大容量になっています。
ただし、実はGalaxy Watch 5もアップルウォッチと同様、バッテリーの持ちが唯一のネックとなっています。
(少なくとも1週間ほど使用した筆者も、最大の懸念点はバッテリー持ちだと感じました)
もっとも、アップルウォッチと比較すれば、おそらく1.5倍くらいは電池が持ちますので、その意味ではアップルウォッチに勝っているということになるでしょうか。
そして、もう一つ驚いたのは、充電ケーブルの端子が「タイプC」だったことです。
これからは、端子はタイプCが当たり前になっていくのだとは思いますが、他のメーカーの充電器は知る限りすべてタイプAなので、ちょっと面食らいました。
タイプC用の充電アダプターを買いに走ってしまいました。。
インストールと文字盤表示
iPhoneでは使えないので注意!
それでは早速インストール。
いつものiPhoneのAppStoreからスマートウォッチアプリをインストールして、、、とトライしましたが、どうもお目当ての「Galaxy Wearable」が見つかりません。
検索して出てきた「Samsung Galaxy Watch」をインストールして、ペアリングしようとしましたが、どうやらGalaxy Watch 3までにしか対応していません。
なんと、そういえばこのGalaxy Watch 5はAndroid専用のスマートウォッチなのでした。
アップルウォッチがiPhoneにしか対応しておらず、Androidスマートフォンユーザーがどんなに使いたくてもアップルウォッチが使えないように、Galaxy WatchもiPnoneユーザーは使用することができず、Androidユーザーのみのスマートウォッチなのです。
う〜ん、さすがGoogleと手を組んでWear OS陣営を牽引するSamsung。アップルの軍門には絶対に降らないぞという気概が見えます。
そこで、セカンドスマホとして持っているAndroidに「Galaxy Wearable」をインストールします。
なお、「S Health」というアプリもインストールしなくてはいけません。
このアプリをインストールしなくても、Galaxy Watch 5を使用することはできるのですが、せっかくログした情報をスマホで見るには「S Health」が必須なのです。
「Galaxy Wearable」はGalaxy Watch 5に機能を追加したり、表示項目を選んだりするアプリ。
対して「S Health」はGalaxy Watch 5からの情報をキャッチして過去の情報などを見るためのアプリです。
一度設定をしてしまえば「Galaxy Wearable」を使うよりも「S Health」を見ることの方が格段に多くなります。
ウォッチフェイス
Galaxy Watch 5ではたくさんのウォッチフェイスを使用することができます。
ただ、特筆すべきはそれらのウォッチフェイスの色などを自由にカスタマイズできたり、それぞれのウォッチフェイスについている機能(コンプリケーション)を自由に設定できるところでしょう。
例えば下のウォッチフェイスではコンプリケーション(そのエリアをクリックするとすぐにその機能が立ち上がったり、一目で現在の状況がわかる項目です)を自在に変更できます。
しかも、ウォッチフェイスのデザインを邪魔せず、機能性とデザイン性がバランスよく一体化しています。
そのほかにも、多種多様なウォッチフェイスがあり、「Galaxy Wearable」からどんどんダウンロードできます。
ここら辺はWear OSがベースになっている強みなのでしょう。
個人的には、丸型のスマートウォッチなので、アナログ針のウォッチフェイスの方がしっくりきます。
ビジネスでもアウトドアでも、TPOに合わせてさまざまなウォッチフェイスを用意しておくといいのではないでしょうか。
タイル
よく確認したい項目を「タイル」として、スマートウォッチに登録しておくことができます。
デフォルトでは、一日の活動、エクササイズ、体組成データ、睡眠、天気、スケジュール、心拍数、ストレスが登録されています。
このタイルには、例えば女性の周期の表示やステップ数、血中酸素レベルなど、自分が定期的に確認したい項目を追加しておくといいでしょう。
実際の使用(エクササイズ、睡眠、体組成計)
走ってみた
見た目だけでなく、実際の使用感も試してみます。
まずはランニングで、心拍系のセンサーやGPSの正確さなんかをみてみようと思います。
タイルからエクササイズの画面にして、そこに登録してある「ランニング」を選びます。
この状態の時にGPSを探して1〜2分待たされるスマートウォッチも多いのですが、このGalaxy Watch 5ではその必要もなくすぐにスタートできました。
1kmごとにラップタイムを自動で通知してくれたり、信号待ちしていると2〜3秒で一時停止してくれます。
いつものコースで距離も大体わかっているのですが、ほぼ正確に距離を出してくれました。
びっくりしたのが、「ランニングの高度な指標」ということで、ランニングの左右の足の偏りだったり、ランニングのフォームに関してなどの判定をしてくれたことです。
GarminやPolarなどのランニング専門のスマートウォッチでもここまで出してくれるモデルはほとんど記憶にありません。
もちろんアップルウォッチのランニングアプリでも、こういった判定のあるアプリは見たことがありません。
また、どうやって割り出しているのか、「どれだけ汗をかいたのか」も表示してくれました。
気温や湿度と運動強度から割り出しているのでしょうから、個人個人に合わせた数値が出ているわけではないと思いますが、それでも「どのくらいの水分を補給しなければならないか」がわかるのでとても便利です。
「S Health」の画面ではもっと詳しく確認できます。
コースの確認から、どのエリア、どの時間帯でスピードが出ていたのかなどが一目でわかります。
また、スマートウォッチでも確認できた「高度な指標」や「発汗量」なども振り返ることができます。
私は「接地時間」「滞空時間」「上下動」に無駄が多いらしく、しっかりとしたフォームになればきっともっと楽に走れるのでしょう。。
睡眠だけでなくいびきの検知も
運動ログだけでなく、睡眠ログも取ってみます。
覚醒・レム睡眠・浅い睡眠・深い睡眠の4つのステージに分けての判定は、信頼できるデータだと思いました。
睡眠に関してはFitbitのスマートウォッチが最も信頼のおける製品だと思っているのですが、記載内容はFitbitにも引けを取らないような詳しさだと感じます。
そして、とても画期的だと感じたのが「いびきの検出」です。
いびきをかいている時間帯を把握し、そのいびきの録音を取ってくれてます。
無呼吸症候群のような方も、自分がどれくらい息が止まっているのかを簡単に確認できます。
私も録音データを聞きましたが少し恐ろしくなりました。。
腕につける体組成計
Galaxy Watchの独自機能はまだあります。
それが体組成データの検出でしょう。
身長はあらかじめ登録してある数値を活かし、体重はできれば体組成データを取る直前に測って(もちろん平均体重で問題ないと思いますが)データを取ります。
取得することができるのは骨格筋(筋肉量)、体脂肪量、体脂肪%、BMI、水分量、基礎代謝量です。
あくまで補助的に使うものですが、毎日の体調変化にも気づけますし、トレーニングをしている方なら、数字がモチベーションに変わることでしょう。
こんなデータがスマートウォッチで取れるなんて、本当に便利ですね。
計測の仕方はスマートウォッチでもチュートリアルがありますが、物理ボタンに中指と薬指を押し当てると測定が開始します。
左手のスマートウォッチの裏面に触れているセンサーと、右手の中指と薬指のセンサーを電極の両端として測り、30秒もかからずに測定できます。
まとめ
いままでたくさんのスマートウォッチを試用してきましたが、一番アップルウォッチに近いのがこのGalaxy Watch 5だと感じました。
機能の豊富さもそうですし、玉に傷なのが「バッテリーの持ちが悪い」というところも同じです。
また、アプリを追加インストールできることも、他のスマートウォッチにはない利点です。
スマートウォッチ界の巨人であるアップルウォッチに対して、一つの機能や特徴を活かして差別化していく方向もありますが、このGalaxy Watch 5はアップルウォッチに真正面から勝負を挑んでいるように感じます。しかもなかなかいい勝負をしていて、アップルウォッチに勝るとも劣らない、本当に貴重なスマートウォッチだと感じました。
iPhoneユーザーでも、このGalaxy Watch 5を使いたい!という人はたくさんいると思います。
どうかSamsungさん意固地にならず、iPhoneユーザーでも使用できるようにしてほしいなと感じました。
Galaxy Watch 5 44mm
価格:48,800円(税込)
●ライター 杉本陽介
スポーツ好きアラフィフ男子。常にスマートウォッチを両腕に着け、1日12,000歩を目標にしている。
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