Apple Watchにはユーザーが転倒したことを検知し、必要に応じて緊急連絡を自動で行う機能があります。
アップル社のサポートページによると、その機能はApple Watch SE や Apple Watch Series 4 以降に装備されていて、Apple Watchは転倒を検知するとまず警告音を鳴らします。そしてもしユーザーが1分間反応しない場合は、Apple Watchが自動的に緊急連絡先へ通報し、ユーザーの位置情報などを知らせる仕組みになっています。
この機能が現実に1人の生命を救ったある出来事が最近アメリカで発表されました。
深夜に自転車で転倒。意識を失った男性を救ったApple Watch
その出来事はカリフォルニア州ロサンゼルス近郊の町、ハモサ・ビーチで起きました。1月22日の午前1時30分、深夜の時間帯です。1人の男性が電動アシスト自転車から激しく転落し、意識を失ってしまいました。すると、その男性が着用していたApple Watchが911番(日本での110番と119番に相当する緊急通報番号)へ電話したのです。
通報を受けたハモサ・ビーチ市警察の発表(*1)によると、Apple Watchは「この腕時計の持ち主は激しく転倒しました」と伝えたそうです。
現場に駆けつけた警察官が無意識の状態で路上に倒れていた男性を発見しました。男性は頭部から出血しており、側には自転車が倒れていました。
男性は救急病院へ搬送され、緊急治療を受けました。数日後には退院したとのことです。
男性は事故当時の記憶がなく、警察は何らかの犯罪が絡んでいる可能性について捜査しました。周辺の監視カメラなどの情報では、現在のところ事件性は認められないとの見解が当局から出されています。
何れにしても、人通りも絶えていただろう深夜に意識を失って路上に倒れていたわけですから、もしこの男性がApple Watchを着用していなければ、発見・救助されるまでに長い時間がかかっていたでしょう。生命に危険が生じた可能性もあります。
様々に便利な機能が多くあるからこそ「スマート」ウォッチと呼ばれるわけですが、その中でもかけがえのない命を救ったこのApple Watchの機能は称賛されるべきではないでしょうか。
*1. ハモサ・ビーチ市警察のプレスリリース
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●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani
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