本稿では、キャッシュレス決済をほぼ未体験のライターが、3つのスマートウォッチを着用しての検証実験を敢行。1週間のすべての買い物をキャッシュレス決済で行う生活にチャレンジしました!
Apple Watch以外は使用開始までに一苦労
支払いは頑なに現金払いで、クレジットカードもネット上の決済に使うのみ。そんな時代錯誤のライターが、3つのスマートウォッチを着用し、1週間のすべての買い物をキャッシュレス決済で行う生活に挑戦。着用したモデルは以下の通りです。
Apple Watch Series 6(Suica、QUICPay、iD、PayPayに対応)
Garmin Venu(Suica、VISAのタッチ決済対応)
Fitbit Sense(VISAのタッチ決済対応)
まずはスマートウォッチにSuicaやクレジットカードを追加するところからスタートです。Apple Watchについては、追加の方法がとても簡単。手持ちのクレジットカードは無事に取り込めて、iD対応のクレジットカードを追加すると自動的にiDが使用可能になり、QUICpay対応のカードの場合も同様……という仕組みも便利でした。ストレスに感じたのは、VISAブランドのクレジットカードでは、Suicaへのチャージが「Wallet」アプリ内では行えなかった点くらいでしょうか。GarminについてもSuicaの登録は非常に簡単。一方でVISAのタッチ決済の開始には、指定の銀行のVISAデビットカードが必要で、日本で提携しているのはジャパンネット銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行の3つのみ。FitbitのVISAのタッチ決済はソニー銀行のみが対応でした。
GarminのGarmin Pay(VISAのタッチ決済)は対応しているVISAデビットカードがまだ少なく、登録に一苦労。
スマートウォッチのキャッシュレス決済を行うために、銀行の口座とVISAデビットカードを作らなければならない……というのは正直かなりハードルが高い。幸い筆者はソニー銀行の口座を持っていたので、VISAデビットカードを新たに作るのみだったが、ネットでの申込みからカードの到着までは約1週間がかかりました。なお、カードが到着してしまえば、FitbitもGarminもスマートウォッチへの追加は簡単でした。
『Apple Watch』vs『Garmin』vs『Fitbit』キャッシュレスの勝者は?
それでは、早速著者が1週間のあいだお財布にしていたキャッシュレス対応スマートウォッチのインプレッションに参りましょう。
Apple Watch Series 6
対応している決済方法の多さ、クレジットカードや「Suica」の登録の簡単さ、支払い時の手間の少なさ等々、どの項目でもナンバーワン! 中編にも書きましたが、「交通機関から多くのチェーン店まで対応しているSuica」「個人店に強いPayPay」の組み合わせが便利で、その2つの決済方法で日常の買い物の多くに対応ができました。「キャッシュレス決済が便利なスマートウォッチが欲しい」という人には一番のオススメです。
Garmin Venu
「Suica」の登録は『Apple Watch』と同様に非常に簡単でした。一方でVISAのタッチ決済をはじめるには、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行のいずれかのVISAデビットカードが必要・・・という点はマイナスポイント。「Suica」が使えるだけでも大満足なのですが、「Suica」もオートチャージができない点などは『Apple Watch』に負けている状況。「Suica以外のキャッシュレス決済の方法も使いたい」という人にはちょっぴり不満が残るかもしれないです。とは言え、「Suica」対応店舗は驚くほど多かったので、これだけで暮らせないことはありません。
Fitbit Sense
使用可能なキャッシュレス決済の方法はVISAのタッチ決済のみ。しかもソニー銀行のVISAデビットカードを持っていないと使えない……という点がまずハードルが高いと感じます。VISAのタッチ決済については、対応している店舗は「Suica」などの決済方法と比べるとまだ少なく、レジで対応してくれたスタッフにも決済の手順が分かっていない人もいました。最近『Fitbit』からSuica対応モデル「Charge 4」が発売されたので、今後全機種に搭載されたらかなり便利になるのでは。期待してます!
コンビニでの買い物はやはりSuicaが便利
準備が整ったので1週間のキャッシュレス生活をスタート! 使いはじめてすぐ気づいたのは、町中のチェーン店の大半では、何かしらのキャッシュレス決済が使用可能ということ。
とくに対応が進んでいたのは大手コンビニ。セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンについては、Suica、iD、QUICPayと複数の電子マネーに対応していたので、すべてが使えるApple Watchでは決済方法を選び放題。
はじめてのキャッシュレス決済は「iD」。「iDで」とレジで言うときは、伝わるか不安で声が震えましたが、ごく普通に会計ができて安心しました。使えるようにしておいた「iD」「QUICPay」「Suica」のうち、決済方法でいちばん便利だと感じたのはSuica。Apple WatchのSuicaはエクスプレスカードに設定しておけば、一切の操作不要でタッチ決済が可能で、会計が終わるのがとにかく早いのです。
一方でQUICPay、iDの場合は時計のサイドボタンを2回タッチし、対応したクレジットカードを選択し・・・という手間が必要。結果としてコンビニではSuicaばかりを使うようになってしまいました。Apple Watchと同様にSuicaに対応しているGarminも、コンビニでの買い物はまったく不便なし。GarminとFitbitで使えるVISAのタッチ決済は、セブンイレブンとローソンは対応していましたが、著者がよく利用するファミリーマートは未対応で少し残念。これからの対応に期待です。
現金以外信じるなとの親の教えを守ってきた著者初めてのキャッシュレス決済。緊張からかレシートを受け取る手が震えました。
VISAのタッチ決済はまだ課題が多い状況か
一週間のキャッシュレス生活では、スーパーや商業施設での買い物や、飲食店での飲み食いも毎日行いましたが、使えるお店が多かったのはやはりSuica。チェーン店ではQUICPay、iDに対応しているお店も多かったです。
そして個人経営のお店でも意外と使えるお店が目立ったのがPayPay。老舗の酒場からクリーニング店、美容室まで使用可能なお店が多くあり、「Suicaは使えないけどPayPayは使える」というお店も多数。Apple WatchのPayPay決済は一週間のあいだで大活躍となりました。
その逆に、まだ使えるお店が多くないと感じたのが、GarminとFitbitで使えるVISAのタッチ決済。飲食チェーン店では、使えるお店が増加しているようでしたが、「VISAのタッチ決済で」と伝えても「え?」という反応のこともしばしば。店員から案内された機器が間違っていて、タッチしても反応しなかったケースもあり、徐々に使うのも億劫になりました。
そうやって1週間のキャッシュレス決済を終えて感じたのは、「キャッシュレスはApple Watchが最強!」ということでした。「交通機関から多くのチェーン店まで対応しているSuica」「個人店に強いPayPay」の両者が使える点がとにかく便利で、使用開始までのハードルも低かったです。なお本稿では使用できなかったですが、ソニーwena3もSuica、QUICPay、iDなどのキャッシュレス決済に対応。また、FitbitもSuica対応モデルを発売しました。wenaやFitbit、そしてGarminがPayPayへの対応をはじめたら、最強王者Apple Watchの牙城も突き崩されるかもしれないと感じました。
PayPayは意外にも個人商店の採用率が高く、今回使用したスマートウォッチで唯一対応しているApple Watchの出番が増える結果となりました。駐車場などでも対応している場所が多かったです。
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