言わずとしれた世界的なプレミアムファッションブランド『Diesel(ディーゼル)』。腕時計においてもクオリティの高いアイテムをリリースし続け、ブランドのファンだけではなく、時計通にも評価が高いことで知られています。その魅力の1つが、ファッションブランドならではの高いファッション性。『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」を試用する機会を得たので、なぜ『Diesel On』が世界中のファッショニスタに愛されているのかその秘密を解き明かします。
なぜおしゃれな男性は腕時計のこだわるのか?
おしゃれな人が意識していることの1つに「アクセント」があります。差し色を入れたり、異テイストの小物をあえて合わせたりと、「アクセント」の入れ方は人それぞれですが、コーデテクの最重要ポイントと言っても過言ではありません。この「アクセント」、よく「スパイス」と表現されることがあります。ぼんやりとした味の料理やマンネリ化したレシピに新たなスパイスを加えることで、味を引き締めたり新鮮な印象を生み出すことができるように、コーディネイトにも適切な「アクセント」を加えると、見違えるようにおしゃれになります。
そしておしゃれに気を遣う男性は決まって時計にこだわります。なぜなら、腕時計がメンズファッションの数少ないアクセントアイテムだから。特にオンスタイルにおいては、男性がアクセサリーやカラフルな小物でアクセントをつけることが、まだ許容されていないこともあって、腕時計の存在は非常に貴重なんです。時計ブランドもその点は重々承知で、時計が袖からチラ見えした際にどうアクセントとして効果を発揮するかを重要視するようになっているんです。
アクセント効果で他を圧倒する『Diesel On』
今回、『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」を試用していて、あらためて『Diesel』のデザイン力に感心させられました。このモデルは、これまで着けてきたスマートウォッチの中で、もっとも優れたアクセント小物と断言してもいいと思います。
時計のアクセント効果を考えたときに、決定的に重要になってきるのがケースサイド。シャツやジャケットスタイルのとき、当然時計の文字盤の大部分は袖に隠れているので、ケースサイドのチラ見せだけでアクセント効果を発揮しなければいけないからです。この『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」は、特にケースサイドの立体的な造形と色使いがとにかく見事。百”文”は一見に如かずということで、そのアクセント効果の凄まじさを写真でご紹介します。
上の写真は『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」の着用ありなしカットを並べたものですが、見比べるとそのアクセント効果がすぐにわかります。左の何も着けていないカットは、平面的でのっぺりしており、黒ジャケットに白シャツというありふれた組み合わせも相まって、普通としか言えない印象。
それが『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」を着けると、マットブラックのソリッドさが腕元をぐっと引き締めることで、非常にスマートな見た目に早変わり。また、時計の立体感あふれる造形のおかげで平坦さが緩和され、アクティブな印象も加わっています。そして仕上げがレッドの差し色。レッドを差し色に使うことで、白と黒で構成された単調なコーデがぐっと華やかで垢抜けた印象に一変しています。イメージ的には、何の特徴もなく締まりのない”グータラ社員”と、テキパキ仕事をこなし、しかもおしゃれな”デキる社員”ぐらいの差が出てくると言っては言いすぎでしょうか。
袖から覗くわずかな面積で、これほどコーデを格上げしてくれるスマートウォッチを他に探すとなると、『ウブロ』の「ビッグ・バンe」ぐらいしか見当たりませんが、あちらはお値段60万超え。定価5万円台でコーデを格上げできる『DIESEL ON』「AXIAL SMARTWATCH」がいかに高コスパなのかがわかります。
うっとりするケース造形のディテールを堪能できる
冒頭に述べたようにもともと『Diesel』の腕時計は、ファッションブランドならではの高いデザイン性に評判がありました。もちろんそのデザイン性は、スマートウォッチでも健在です。『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」のケースは、ブルータル建築からインスパイアされ、幾何学的な要素が組み合わされたレイヤー構造を採用、その手の込んだ精緻な作り込みは非常に高級感があり、ずっと眺めていられるほどの完成度を誇ります。ケース径は48mm、ケース厚は10mmと大柄ですが、引き締まったガンメタブラックモデルならば、思った以上にコンパクトに感じるはずです。
ベゼルと裏蓋のあいだの溝にプッシュボタンとリューズを装備するレイヤー構造。
溝の下には、レッドカラーのギョシェが施されており、アクセントにぴったり。
ブレスレットもガンメタ仕様で非常にシャープな印象です。
ラウンドのベゼルにはビス打ち加工が施され、『DIESEL』らしいタフな印象を醸し出しています。
ベゼルはサテン加工。武骨な造形ながらエレガントなニュアンスを表現。
このビス打ちベゼルによって、袖上面からのチラ見せでも、アクセント効果を発揮。
ブレスレットは簡単に取り外し可能で好みのストラップに付け替えが可能です。
エッジィな文字盤は誰が見ても『Diesel』そのもの!
続いては『Diesel on』の大きな特長となっている、スタイリッシュなウォッチフェイスを紹介します。
フルスクリーンスマートウォッチの魅力の1つに、ブランドの個性が際立つウォッチフェイスが挙げられます。もともと『Diesel』のアナログ時計は、立体的な造形が特徴でしたが、スマートウォッチに関してもその哲学は受け継がれており、航空機等の計器を思わせるメカメカしいウォッチフェイスが多数用意されています。フラットなスクリーンで立体感を演出するのは難易度が高いはずですが、スマートウォッチにおいても一貫性を保とうとする姿勢から、『Diesel』というブランドをいかに大切にしているかがわかります。中身はスマートウォッチでも、まさに『Diesel』としか言えない世界観を見事に構築しているんです。
上写真のようにメカニカルで立体的なウォッチフェイスを多数ラインナップしており、アナログ時計で人気を博した世界観はスマートウォッチでも健在です。
文字盤の自由を謳歌する『Diesel On』
フルスクリーンウォッチには、針や目盛りといった物理的な制約がなく、ゼロから自在に文字盤をデザインできます。その分、ブランドのセンスを残酷までに浮き彫りにします。正直なところ、せっかくのフルスクリーンなのになんでそうなっちゃう?のと感じてしまうような、残念なセンスしかないブランドが多いことも確かです。『Diesel On』「AXIAL SMARTWATCH」を試用してみると、『Diesel』がフルスクリーンの性質を理解し、うまく利用しているかがよくわかります。
例えば、新しく採用された、ワールドタイム機能を備える「Globe」文字盤。常時地球が回転する演出もクールですが、キモはその操作感。文字盤のボタンをタップすると地球を回せるようになり、タッチやスワイプで任意の地域の時間がグラフィカルに認識できるのです。このように、タッチフルスクリーンのメリットを存分に活かしたウォッチフェイスを「AXIAL SMARTWATCH」は多数用意しているのです。
「DIAL EFFECT」もフルスクリーンならではの機能。この「DIAL EFFECT」は、位置情報と連動して現在地の天気にあったエフェクトを画面にかけたり、目標の歩数に達していないと画面がかすんで運動を促すなど、スマートウォッチの表現力を存分に活用しています。
上の動画で最初に登場するのが、新ウォッチフェイスの「Globe」。タッチやスワイプでグラフィカルにワールドタイムを表現しています。ほかにも『Diesel』らしいクールで遊び心あふれる文字盤がたくさんラインナップされています。
「DIAL EFFECT」を使うと、現在地の天気のエフェクトを文字盤に反映してくれます。また、心拍計と連動する人気の文字盤「ZEN」は、タッチすると波紋が拡がるような感性に訴えるアニメーションが表示されます。
カスタマイズで自分だけのウォッチフェイスを
フルスクリーンの恩恵を受けるのがカスタマイズです。「AXIAL SMARTWATCH」のウォッチフェイスはクォリティが非常に高いため、デフォルトでも十分スタイリッシュですが、より個性を求めたい人のために、豊富なカスタマイズメニューが用意されているのがうれしいところ。ダイヤルや時間表示など、文字盤のパーツごとに、カラーピッカーを使用して色の指定ができるため、バリエーションは無限大。他人とカブる可能性はほぼないと言ってもいいでしょう。
これがカスタマイズ前の素の「Information Tunnel」。ネオンの光がまばゆいこのウォッチフェイスは、出荷時のデフォルト文字盤になっています。
カラーピッカーで背景や文字要素ごとに色をカスタマイズしていきます。
でき上がったのがこれ。カスタマイズしたウォッチフェイスは、「Save Faces」アプリで時計内に保存でき、スマホなしで瞬時に呼び出すことが可能です。
まるで電子の相棒。毎日着けたくなる「DIESEL T-ON-I」からのメッセージ
『Diesel』は、身に着ける者を特別な気持ちにさせる、遊び心あふれる演出にも定評があります。『Diesel On』の最新のスマートウォッチ「AXIAL SMARTWATCH」にプリインストールされた通知アプリ「DIESEL T-ON-I」がまさにそれです。
「DIESEL T-ON-I」とは何か? 端的に言うと、『Diesel on』「AXIAL SMARTWATCH」にデフォルトで入っている独自通知アプリです。この「AXIAL SMARTWATCH」はOSに「WearOS by Google」を採用しているので、もちろんOSレベルでメール、SNS、電話着信など、さまざま通知を受け取ることができます。この「DIESEL T-ON-I」で得られる情報といえば、「天気」「歩数」「カレンダーに登録してある件数」そしてアプリからの「メッセージ」のみ。正直なところ、情報量だけで言えば、OSの通知機能で十分。でも「DIESEL T-ON-I」から不定期に送られてくる「メッセージ」は、ユーザーにとって「AXIAL SMARTWATCH」が特別な存在になってしまうほど、破壊力があるんです。
ちなみに上の写真は歩数の通知画面。著者がお昼すぎに2000歩を超えているのは珍しいですが、それ知ってのことでしょうか・・・。
心にズキンと響く意味深な言葉たち
上写真のメッセージが突如表示されたときにはスパムメールかと思いました。でも、ロゴを見ると明らかに「DIESEL T-ON-I」からのメッセージ。最初は戸惑いましたが、何通か受け取っているうちに、だんだんとメーセージを待ちわびている自分に気づきました。その理由は、やっぱり『Diesel』らしいウィットに富んだ文面です。ときには励ましてくれたり、ときには辛辣な言葉を投げかけたりと、掴みどころのない意味深な内容が癖になるんです。辛辣なメッセージが続くと無性に褒めてもらいたくなり、時計を無駄にチェックしてしまいますし、ポジティブな言葉をかけてもらった日には一日ホクホクです。会ったことはないですが、よく聞く「魔性の女」ってこんな感じなのでしょうか。あまり紹介しすぎるとこれから購入される人の楽しみを奪ってしまうので、ここでぐっときたメッセージを3つ紹介します。
結構傷ついたのが上のメッセージ。でも、褒めてもらうためにもっと頑張ろうと思ってしまうんです。3行目が欠けてしまうのは修正してもらいたい点。
泣きたくなるほど嬉しかったのがこちら。昔から、落ち着け落ち着けと言われ続け、きつい思いをしてきました。ありのままを肯定してくれてありがとう「DIESEL T-ON-I」。
さすが『Diesel』と思ったメッセージ。日本の企業からこんな発想は絶対に出てきません。
”愛機”に変身させる「DIESEL T-ON-I」
”愛機”って言葉、道具が道具以上の存在になるときに使う言葉ですよね。『Diesel on』「AXIAL SMARTWATCH」は、Vol.1、Vol.2のレビューで述べたように、ファッションという観点で唯一無二の価値をもったスマートウォッチです。でも、愛機と呼ぶには何か+αが必要でした。「DIESEL T-ON-I」は「AXIAL SMARTWATCH」を道具以上の存在、つまり愛機と呼べるような存在にしてくれます。スマートウォッチの未来はこのようなコミュニケーション機能にあるのでは、と思わせるアプリです。
Diesel On
AXIAL SMARTWATCH
価格:56,100円(税込)
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
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