GPSを搭載したスマートウォッチは、「登山中の現在地の把握」「ルート記録」なとにも活用できるのが一つの魅力。そしてスマートウォッチの代名詞のApple Watchには、登山好きにはおなじみの登山・ハイキング用GPS地図アプリ「ヤマレコ」が対応。コンパスを搭載したApple Watch Series 5では、登山中の現在地、予定ルート、歩いた軌跡に加えて、方位も確認することが可能です。本記事では、登山好き(でも初心者)の編集部員が、Apple Watch Series 5と「ヤマレコ」を使って実際に登山へ行ってきました! 本記事では、その様子をレポートします。
高尾駅からバスで小仏峠へ。景信山に登ります!
登山当日は、あいにくの曇天でした。
この日の目的地は景信山という高尾山の近くの山(標高727m)。登山口の近くまではJR高尾駅からバスが出ていて、所要時間は約20分。そこから約1時間で登ることができます。
「ヤマレコ」の地図は事前にApple Watchにダウンロードしておくと便利
なお、登山するエリアの「ヤマレコ」の地図はApple Watch内に保存が可能。一度保存をしておくと表示が高速になり、ネットに接続できないオフラインの環境でも地図と現在地を表示できます。ダウンロードには時間が数分かかったので、前日までにダウンロードしておくのがオススメです(筆者も前日にダウンロードしました)。
JR高尾駅からバスに乗り、登山口近くの小仏バス停へ。バスの中でもGPSの現在地と方位はバッチリ合っています。
予定のルートはiPhoneの『ヤマレコ』で作成可能。ルートを外れると音声と振動で警告する機能もあります。
いざ、景信山を目指して登山を開始!
小仏峠のバス停から車道を少し歩き、ここから景信山に入ります。『ヤマレコ』アプリのルート記録もこのあたりから開始しました。
山頂、展望地、休憩スペースでのマスク着用、距離確保を呼びかける注意書きも。なおこのルートの登山客はさほど多くなく、登山中はマスクをしている人もほぼいませんでした。
GPSの現在地はかなり正確な印象!
登山道に入ってもGPSの現在地は非常に正確な印象。方位についてはズレを感じるタイミングもありました。
山っぽい雰囲気の道になってきました……!
iPhoneの『ヤマレコ』アプリでの地図表示はこんな感じ。ルートの全体像を確認したいときは、やはりApple WatchよりiPhoneのほうが見やすいです。
標高、心拍数、記録開始からの時間もApple Watchでひと目で分かる
iPhone版の『ヤマレコ』では現在の標高、心拍数なども表示されます。
下にスクロールをすると、記録開始からの時間と、水平移動距離、現在地の緯度経度も表示。スマホを出さずにこうしたデータがすぐ見れるのは便利です!
方位にはズレも見られたが改善も
GPSの現在地は山中でもずっと正確な印象でした。方位に感じたズレについては、公式サイトに「通常はしばらく待っていただくことで誤差も収束していきますが、明らかに誤っている場合はキャリブレーション(手を裏返しながら8の字を描く動作)を試してからお待ち下さい」との説明が。そのキャリブレーションを行ったところ改善もされました!
Apple Watchは運動での消費カロリー(赤色)や、速歩き以上の運動時間(緑色)なども計測してくれます。運動時間は登山をはじめてすぐに1日の目標値を超えました!
山頂を目指してまた歩く
標高290mの小仏バス停から727mの景信山まで約1時間で登るので、しっかりした上りが続きます。
看板のある分岐地点に到着しました。
最後の上りに向かいます!
いよいよ頂上が近づいてきました……!
景信山に到着!!
笑っちゃうほど霧で煙っていて、眺望のいいはずの山頂なのに何も見えず!!
「ヤマレコ」のGPSも頂上をしっかり指し示しています。
景信山にはうどんや天ぷらが食べられる山小屋もあります
景信山の山頂の山小屋では、なめこうどんやなめこ汁、山菜の天ぷらなども販売されています。飲料・食料を買える山小屋が複数あるのに、高尾山のような混雑はないので、ゆったり過ごすことができました。
そろそろ出発しようかな……という時に霧が晴れてきました(笑)。
予定を変更し、城山~高尾山方面へ
小仏バス停へと戻る予定でしたが、体力にも時間にも余裕があったので、ルートを変更。小仏峠(所要時間30分)→城山(25分)→高尾山(50分)と歩き、最後はケーブルカーで下山することにしました。
予定のルートは外れましたが、Apple Watchの『ヤマレコ』はGPSも方位も正確で安心です。
景信山→小仏峠→城山→高尾山のルートは小さな上り下りの繰り返し。緑の多い中をゆったり歩けます。
まもなく小仏峠へ!
こちらが小仏峠です。少し休んで先へ急ぎます。
登山好きにはおなじみの「まといリス」も発見
ちなみに山でよく見るこの看板のリスは、通称「まといリス」と呼ばれるキャラクター。実は映画にもなっています。
Apple Watchの「ヤマレコ」で現在の標高や心拍数も確認。脂肪がよく燃えそうな心拍数が続いています。
歩行時間は間もなく4時間に(休憩時間を含む)。休み休み歩いてきましたが、けっこう疲れてきました……。
城山に到着しました~
城山に到着しました!!
山頂でApple Watchがブルルと震えたと思ったら、Apple Watch着用以来の最長運動時間を達成していました!
ちなみに城山の山頂には天狗の木像があります。
高尾山へ最後の上り!
歩きはじめは、こんな気持ちいい緑の道が続きますが……
最後、けっこう急な上りの階段が続きます。気力を振り絞ってがんばります。
高尾山はやっぱり混んでました
そしてついに高尾山に到着! ケーブルカーで登ってきた人も多いのか、ラフな普段着の人が目立ち、そこそこな込み具合です。
「ヤマレコ」のGPSもしっかり山頂を示しております。登山中、現在地がズレてると感じることは一度もありませんでした。
ケーブルカーで下山後は、駅前でお蕎麦をいただき、高尾山口駅前の温泉につかって帰りました。この日のルート、帰りにスムーズに温泉に入れる点もオススメです!
入浴後にApple Watchのバッテリーを見たら44%残っていました。18時間しかバッテリーが持たない点がアレコレ言われるApple Watchですが、GPSをフル活用して登山をしてもバッテリー切れの心配がない点はやはり優秀です。
結論:Apple Watch版の『ヤマレコ』、バッチリ使えました!
ここまで紹介してきたように、Apple Watch版の『ヤマレコ』は登山中もバッチリ使えました。やはり便利だと感じたのは、iPhoneを出さずに現在地を一瞬で確認できること。「山頂までどのくらい距離がありそうか」「ルートを外れてないか」などが、ひと目で視覚的に分かるのは大きな魅力です。方位については今回は多少のズレがありましたが、キャリブレーション後は精度が上がったので、引き続き試してみたいところ。方位の確認は、Apple Watchのコンパスを併用するのも一つの手かもしれません。
なおApple WatchもiPhoneも、予測不能な故障・バッテリー切れ等のリスクが極わずかですがあります。登山中は山中のデジタルギアだけに頼ろうとせず、案内板等もしっかり確認し、紙の地図やコンパスも携行して、必要に応じて使うといいでしょう。ただ、今回のような分かりやすい登山道なら、紙の地図やコンパスは出さずとも、Apple Watch&iPhoneの『ヤマレコ』だけで1日の行程を終えられるはず。なお『ヤマレコ』アプリには有料のプレミアムプランもありますが、この日に使用した機能はいずれも無課金で使えるので、登山をする方はぜひダウンロードしておきましょう。 最後にiPhoneの『ヤマレコ』に記録されたこの日の山行記録も紹介しておきます。
たっぷり休憩をしつつ、このようなルートで歩きました。
iPhoneには標高グラフや行程の地図も残ってます
標高のグラフはこんな感じです。登山の内容をこうやって視覚的に振り替えれるのは楽しいです!
GPSが残した軌跡は上記のような形でした。
おまけ
登山終了後のApple Watchのアクティビティリングの様子。運動時間は目標の10倍を超えていました……!
そのほかの「Apple Watchにできること」はコチラ!
Apple Watchにできること38選。LINEの通知受取、Suica決済、歩数や睡眠の記録……。生活が便利になり、健康意識も高まる!
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、編集部員は常にスマートウォッチを片腕or両腕に着用。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」にも出演。
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