ヘルスケアとフィットネスにフォーカスしたスマートウォッチを展開する世界的なメーカー・Fitbit。全世界のアクティブユーザー数は2,800万人以上にもなり、昨年にGoogleが買収したことでも話題になりました。そのFitbitは、「新型コロナウイルスのパンデミックで人々の生活がどのように変化したのか」を世界中のユーザーの匿名データをもとに分析中。その結果が発表されたので、本記事で概要をご紹介します。
歩数低下の一方で、睡眠や安静時心拍数に改善傾向
Fitbitでは日本を含む世界各地のデータ比較を実施中。その比較の結果、地域を超えていくつかの傾向が見られました。
・安静時の心拍数が改善(低下)した。また、特に若い世代で顕著な結果となった
・歩数は低下傾向、アクティブな心拍ゾーン時間は増加傾向が見られる国が多かった。(日本では歩数は低下したものの、アクティブな心拍ゾーン時間も低下した。)
・睡眠時間は増加
・就寝時間のブレは低下
・相乗効果が見られ、複数のよりよい行動をとったユーザーでは、さらに高い改善効果が見られた
世界と日本のデータを比較しながら、それぞれについて細かく見ていきましょう。
安静時心拍数の改善には国ごとの違いが
安静時の心拍数は、世界の多くの地域で改善しました。改善とは「安静時心拍数の低下」を意味します。以下はその変化を示したデータです。
日本でも同様の傾向が見られました。その他の結果は以下の通りです。
・スウェーデンでは外出制限が行われなかったため、安静時心拍数に変化が見られなかったものと思われます
・オーストラリアでは改善傾向が見られない、あるいは非常に小さな変化しか見られませんでした
・スペイン、インド、メキシコ、フランス、シンガポールで大幅な改善傾向が見られました
・先述の通り、どの国でも若い世代で特に顕著な改善が見られました。
アクティブな心拍ゾーン時間と歩数について
以下のグラフでは、アクティブな心拍ゾーン*と歩数のデータを示しています。
アクティブな心拍ゾーン(分)は日本では減少
アクティブな心拍ゾーン(分)とは、非常にザックリ言えば「心拍数が高まる運動をした時間が何分だったか」ということ。Fitbitはそのデータを、着用者に合わせてパーソナライズしています(詳細は原稿末尾に紹介したリリースで詳細をご確認を)。
そのアクティブな心拍ゾーン(分)は、スペインでは大幅に減少したほか、日本とメキシコでは1日あたり5分以上の減少が見られました。その一方、ヨーロッパの多くの国とアメリカでは1日あたり5分以上の増加が見られました。オーストラリア、ニュージーランド、インド、フランスでは大きな変化は見られませんでした。
歩数の変化も国によって違いが
北アメリカとアジア太平洋諸国では歩数は減少していますが、ヨーロッパのいくつかの国(ドイツ、アイルランド、ノルウェー、スウェーデン)では増加するという結果となりました。
睡眠時間と就寝時間について
睡眠の長さの変化と、就寝時間のブレの大きさについて示したのが、以下のグラフです。
すべての国で睡眠時間の増加が見られました。ニュージーランド、オーストラリア、アイルランドでは特にその傾向が顕著で、逆にインド、日本、スウェーデンでは、変化は小さいものでした。就寝時間のブレの改善が大きかったのはフランスとドイツで、小さかったのは日本です。より良い睡眠習慣のためには就寝時間を規則正しくすることが大切です。
Fitbitが提案する健康を維持する5つのヒント
Fitbitは、保有するデータを活用してCOVID-19 などの感染症の検出、追跡、抑制する研究について、スクリプス研究所(Scripps Research Institute)およびスタンフォード大学医学部と協力することを発表。研究パートナー間で迅速かつオープンに学びを共有することで、COVID-19 との戦いにおける科学とイノベーションを迅速に前進させることを目指しています。
また、Fitbitブログ(英語のみ)では、人々の健康に役立つ情報を継続的に紹介中。以下は、ブログで紹介された情報の一部をまとめた、健康を維持するヒントなので、ぜひ参考に。
1)こまめに手を洗う。顔を触らない。
2)健康的な食事を心がける。水を十分摂取する。
3)適度に休憩をとる。
4)よく眠る。就寝時間を変えない。
5)適度な運動を行う。
なおFitbitには1時間おきに手洗いを促すCleanCuesのアプリもあります。当サイトでも紹介しているので、Fitbitユーザーの方はぜひ試してみてください。
本記事で紹介した調査結果の詳細はコチラ
Fitbitのデータから見るCOVID-19が与えた影響|Fitbitのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000018554.html