デンマーク発の北欧ブランド『スカーゲン』が放つ最新世代のスマートウォッチ「FALSTER3」。そのスタイリッシュなフォルムでファッション業界人や女性など、これまでスマートウォッチにあまり関心を示さなかった層からも人気を博しています。以前本誌でも「FALSTER3」のブルーシリコンメッシュモデルをレビューしていますが、今回試用できたのは、ガンメタルゲージメッシュモデル。実はこのメッシュストラップこそ『スカーゲン』の本流と思っている時計ファンも多いはず。まずは、その美しいルックスをじっくりお届けします。
スマートウォッチでも『スカーゲン』はメッシュストラップがしっくり!
『スカーゲン』の最新スマートウォッチ「FALSTER3」のメッシュストラップモデルを腕に着けてみて、思わずニンマリしてしてしまいました。
今から20年ほど前、はじめて『スカーゲン』の腕時計を手にしたときのことをまだ覚えています。文字盤のデザインは北欧らしくびっくりするほどシンプル、繊細なフォルムを描くケースはアート作品のようで、とにかくスタイリッシュでした。デザイナーなど、身の回りのおしゃれな人たちがこぞって買い求めていた記憶があります。当時の『スカーゲン』は、そんなシンプルデザインと好相性のミラネーゼストラップ、つまりメッシュストラップを使ったモデルが多く、それがブランドの大きな特徴でした。刷り込みみたいなものですが、古くからのファンは、『スカーゲン』=メッシュストラップなんです。だからこそ、「FALSTER3」のメッシュストラップモデルを着けて、「これぞ『スカーゲン』!」とニンマリしてしまったというわけです。
とは言え「FALSTER3」のメッシュストラップは、往年の『スカーゲン』に装着されていた細いゲージの華奢なミラネーゼブレスレットとは全くの別物。細ゲージのミラネーゼブレスはヴィンテージウォッチに使われていることも多く、ややもするとレトロな印象が漂ってしまいますが、「FALSTER3」のメッシュストラップは非常にヘビーゲージで密度感があり、さらにタフささえ感じられるマットなガンメタル仕様。大型スクリーンを搭載した最新のデバイスに合わせても何の違和感もないくらい、非常に今っぽくアップデートされていました。
ブランドの哲学を継承する造形美はスマートウォッチの新しいカタチ
フラットなスクリーンを持つスマートウォッチは、『スカーゲン』が持つミニマルなデザイン性と非常に相性が良いようです。フロントの大部分を占める大画面も、無駄を削ぎ落としたシンプルデザインに自然に馴染んでいます。ハイテクの塊のようなデバイスに、クラシカルなクロノグラフによく見られるような形状のプッシュボタンをあえて採用したのも、センスの良さを感じます。スマートウォッチは確かに未来感ある道具ですが、デザインまで未来的にする必要はありません。「FALSTER3」はスマートウォッチですが、『スカーゲン』はあくまで『スカーゲン』の時計を作っているのです。スマートウォッチらしく作らなかったところが、これまでスマートウォッチに興味を持たなかった層に支持されている最大の秘密なのかもしれません。
美しきケースの中身は最先端が詰まったハイテクガジェット
ルックスの美しさについてばかり書いていますが、この「FALSTER3」は最新のスマートウォッチ。機能的なインプレッションは後に詳しく書きますが、ここで簡単にできることを説明しておきましょう。
搭載OSは「WearOS by Google」。その名にある通り、「Google」が開発したウエアラブル用OSで、同じくOSを「Google」が開発したAndroidスマホを使っているなら、抜群の相性を誇ります。スマホと同じGoogleアカウントを適用すると、腕元にGmailのメール着信やGoogleカレンダーの予定の通知がきて内容を確認でき、それに対して、音声で返信したり、予定を登録することも可能(もちろんソフトウェアキーボードでも可能)。スピーカーを内蔵していることによりスマホと連動して電話だってできますし、アプリも自由にインストールできます。例えばストアから「GoogleMap」をインストールすれば、時計が道順をナビしてくれるんです。また、GPSや心拍計を搭載しているので、移動距離や運動状態を常にモニタリングして、自分の体調を把握することができます。新コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で生活のリズムが崩れた人も多いという報道もありますが、現状の生活を見える化するのにも有益です。
ここからは試用レビューをお届け!
一週間「FALSTER3」を徹底的に使い込んだ著者が「FALSTER3」を手放せなくなった理由を機能的な面から10個お伝えします。
『SKAGEN』「FALSTER3」が手放せなくなった理由10
理由1:メッシュストラップのルックスと着け心地が素晴らしい!
【外観】の魅力に関しては、前回で語り尽くしたつもりでしたが、やはりこの「FALSTER3」のメッシュストラップ、着けているだけで所有感が満たされる”いいもの感”にあふれています。そして、このマット仕様の太ゲージのメッシュストラップ、見た目も最高ですが、着け心地も最高です。そもそもメッシュストラップは腕にピッタリ馴染むのが大きな特長ですが、「FALSTER3」のメッシュストラップは太ゲージなぶん、剛性もしっかり確保されていて、ケースをしっかりと腕に密着してくれるのです。ランニングでも試してみましたが、腕の上でぐらつくことは皆無でした。
理由2:ウォッチフェイスのカスタマイズが面白すぎる!
ウォッチフェイスに人一倍こだわる著者にとって、文字盤カスタマイズ項目の豊富さはスマウォ選びの重要ポイント。「FALSTER3」はその点大満足でした。なにしろ上の写真のように、カラーピッカーからダイヤル、タイム表示、コンプリケーションごとに配色を選択できるので、組み合わせは無限大。絶対他人とがぶりません。さらに、カスタマイズしたウォッチフェイスを、独自アプリ「SKAGEN Saved Faces」に登録しておけば、すぐにカスタマイズした文字盤に切り替えできて非常に便利です。
理由3:優秀なバッテリーコントロールと急速充電
スマートウォッチの悩みと言ったら、バッテリーライフですよね。昔のモデルなら朝から使って夕方には電池切れなんてこともありましたが、バッテリーコントロールが優秀な「FALSTER3」なら心配無用です。4つのバッテリーモードを備え、用途に応じてバッテリーの持ちをコントロールできるんです。そもそもすべての機能が使える「デイリーモード」でもバッテリーは一日余裕で持ちますが、使用状況によって、数日電池が持つよう無線機能など一部を無効にする「拡張モード」、ユーザーで有効にする機能を選べる「カスタムモード」、時計だけの機能に絞って電池を最大限もたせる「時計表示限定モード」を自在に使い分けできます。「FALSTER3」なら、何十時間もGPSを使いながらエクササイズし続けるというような不自然な使い方をしない限り、1日でバッテリーがなくなるということは起きません。さらに、早い充電スピードもポイント。実際に測ってみましたが、バッテリー切れで電源が落ちた状態から、30分の充電で55%、60分で98%まで充電できました。
理由4:Gmailを腕元で読めて、返信もできる!
Googleのサービスを使いまくりの著者。複数のアカウントをすべてGmailに集約させて便利に使っています。Google製「WearOS」を採用する「FALSTER3」の何がいいかって、腕元で内容を確認でき、返信までできちゃうってことです。流石に長文を返す時はPCかスマホの方が効率的ですが、一言添えて返信するくらいなら、スマホでパパっと返信してしまった方が、圧倒的に早いです。
理由5:「Google日本語入力」がとっても便利!
PCで便利に使っている「Google日本語入力」。スマートウォッチでも使えるなんて本当に素晴らしい。とくにフリック入力がスマートウォッチでできるのは、「Wear OS」を搭載した大画面モデルならではの特権(ちなみに手書きも出来、そちらもかなりの精度です)。ライバルの「Apple Watch」では、音声入力でメッセージを送ることはできるものの、ソフトウェアキーボードを利用できません。
理由6:地図アプリの最高峰「Google Map」がスマウォでナビしてくれる
地図アプリの大定番と言ったら「Google Map」。「FALSTER3」では、その「Google Map」が腕元でナビしてくれます。GPSやコンパスの精度も申し分なく、通信状態が良好ならマップ表示と現在地のズレもありませんし、ちゃんと地図表示も進行方向に合わせて回転してくれます。ナビの開始方法も簡単で、スマートウォッチ上で目的地をタップするか、「Googleアシスタント」に「◯◯までの道を教えて」と訊だけ。もちろん、Androidスマホの「Google Map」とも連動しています。スマホで地図アプリを見ながら歩くよりかなりスマートですよ。
理由7:リアルタイム翻訳が未来的すぎる
ちょっと未来的ですごいのが「Google翻訳」。スマートウォッチに翻訳したい言葉をしゃべると即座に翻訳してくれます。上の写真のように、かなりマイナーな言語まで対応しています。スマートウォッチで言葉の壁を超える時代が到来しています!
理由8:音楽コントロール機能を使いまくり
ウエアラブルデバイスの何がいいって、思い立った時にすぐ操作できるところですよね。「思い立ったとき」の筆頭が”あの曲聞きたい”とか”ちょっと音が大きいから下げたい”とか”この曲飛ばしたい”などの音楽関連。「FALSTER3」は、たくさんの音楽アプリをインストールでき、自在にコントロール可能。著者はSpotifyと契約しているので、プレイリストから再生したり、スキップしたりと毎日大活躍でした。ただスマウォのSpotifyはネットワーク内の別のデバイスのミュージックコントロールしかできず、時計本体でストリーミングやダウンロードが出来ないのが残念なところ。そんな時は「GooglePlayMusic」経由で持ち曲をアップロードすることでスマートウォッチから音楽が再生できます。そして何気に便利なのが音楽検索アプリの「Shazam」。ラジオや街中で聞こえてくる音楽の曲名を知りたいときに「Shazam」を起動すれば、スマートウォッチのマイクから曲を聴き取って、曲名を教えてくれます。もちろん「Shazam」はスマホからでも起動できますが、瞬発力なら断然ウエアラブルデバイスの方が上です。
理由9:電話の通話機能は意外と重宝します!
腕元で通話できるのがこんなに便利とは思いませんでした。「FALSTER3」はスピーカーとマイクを搭載しているので、スマホとリンクして電話通話が可能です。例えば料理中、クルマの運転中など、手が離せないときに電話がかかってきても安心、スマートウォッチで着信を受け、そのまま通話ができます。スマホと連絡先を同期し、相手の名前をタップすることで発信もできますし、ソフトウェアキーボードからダイヤルすることもできます(上写真)。正直なところ、これっている?と思っていた通話機能、実はかなり使えるヤツでした。
理由10:必要十分なエクササイズ&アクティビティトラッキング機能
いつもユーザーに密着しているスマートウォッチの重要な機能として、ユーザーを見守るアクティビティトラキッングがあります。「FALSTER3」はエクササイズ専門ではないので、例えば登山のときに使う気圧計などの特殊センサーは積んでいませんが、心拍やGPS、ジャイロセンサー等を搭載し、ユーザーがどれだけ移動したか、また運動中の心拍数がどんな変化をしているのか詳しく記録してくれます。また、ウォーキングやサイクリングなどの際には、スマホのアプリで移動ルートをマップの上にオーバーレイしてくれます(上写真)。防水機能も備えているので、スイミングにも使えますよ。
番外編:意外と重宝するコロナ手洗いアプリ
番外編として、「WearOS」の手洗いアプリをご紹介します。もちろんこれは、新コロナウイルス感染性拡大防止のためのアプリ。とくにダウンロードは必要なく、「Wear OS」のアップデートでインストールされるデフォルトアプリです。機能はシンプルで、起動すると40秒の手洗い時間カウントダウンが行われ、3時間毎に手洗いのアラートが来るというもの。このようなルーティンのアラート機能は、肌に密着しておりアラートを見逃すことのないスマートウォッチに最適と言えますね。
ルックス、機能ともに高次元!もう手放せない「FALSTER3」と「Wear OS」
『SKAGEN』「FALSTER3」は、デザイン的にも機能的にも、非常に完成度の高いモデル。スマートウォッチの中で、もっともおしゃれで、もっとも便利な1本と言ってもいいかもしれません。とくに、Googleのサービスを毎日活用している人には魅力的でしょう。
スカーゲン公式ストア
出典:Amazon
SKAGEN『FALSTER 3』ガンメタルゲージメッシュスマートウォッチHR
価格:38,209円 (税込)
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
出典:Amazon
SKAGEN『FALSTER 3』ブルーシリコンメッシュ スマートウォッチHR
価格:38,200円 (税込)
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。