米アップル(Apple Inc.)の株価が、ドナルド・トランプ前大統領による新たな関税措置の発表を受けて急落した。同社の時価総額は一時、約2,550億ドル(約37兆2,300億円)にのぼる減少を記録。市場関係者に衝撃が走っている。
トランプ氏は先週、再選に向けた経済政策の一環として、中国を含む複数の国からの電子機器・部品に対し追加関税を課す方針を表明。Appleの製品はその多くが中国で組み立てられており、関税の影響を直接受ける格好となった。
Apple株は発表直後の取引で8%以上下落。業績や今後の成長見通しに対する投資家の不安が一気に高まった。
Wedbush Securitiesのアナリスト、ダン・アイブス氏は、「Appleは現在、iPhoneの約90%を中国で生産しており、今回の関税は“サプライチェーンの大混乱”を引き起こす可能性がある」と警告。同氏はAppleの12カ月先の目標株価を従来の325ドルから250ドルへと引き下げた。
Appleはここ数年、生産拠点を中国以外の国、特にインドやベトナムへ分散させる取り組みを進めてきたが、今回の関税措置ではそれらの国々も対象に含まれており、抜本的な解決策には至っていない。
市場では、Appleに限らず、米中経済摩擦の激化が再び世界経済へ波及する可能性があるとの見方も広がっており、今後の政策動向に注目が集まっている。
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