スマートウォッチの世界には、細身のバンド型の見た目をした「スマートバンド」と呼ばれるタイプの製品があります。
基本的な機能はスマートウォッチと一緒なのですが、
・価格がかなり抑えめ(多くは1万円以下で、高くても2万円以内程度)
・小さくて軽い(装着感が良い)
・バッテリーが長い
などなど多くの魅力があります(そのぶん機能は控えめですが)。
この分野はXiaomiやAmazfitなどの中華系ブランドが圧倒的に強かったのですが、2025年には久々にGalaxyからも新作のスマートバンド「Galaxy Fit3」が登場しました。
本記事ではその使用レビューをお届けします!
なお本製品はブランド側から貸与を受けていますが、広告記事ではありませんので、感想は率直にお伝えします!
レビューするモデルはこちら
Galaxy Fit3
価格:9,900
カラーバリエーション:シルバー、グレー、ピンクゴールド
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カラバリは上記の3色で、バンドとの組み合わせも上の写真の通りとなっています。
Galaxyの高性能モデルGalaxy Watchは安くても5万円程度しますが、こちらは価格が1万円を切っているのが大きな魅力ですね!
なお本記事ではピンクゴールドのモデルでレビューします。
主要な機能を一覧表でチェック
当サイトが使用しているスマートウォッチの主要機能表を使い、本モデルに搭載されている機能をチェックしてみました。
緑色の部分が搭載している機能で、色のない部分が未搭載の機能です。
Galaxyの高性能モデル「Galaxy Watch」はこの表の機能はフル搭載なのですが、それと比べると機能が控えめなことが分かります。
上から1~2列目は日常で使う機能ですが、マイクとスピーカーは非搭載のため、音声通話や音声アシスタントの利用は不可。
スマホのようにアプリを追加する機能もなく、Suica等の支払い決済の機能もありません。
一方で3~4列目の健康、運動の機能については、基本的な機能はほぼ網羅的に搭載。
「GPSを内蔵していない(位置情報の記録にはスマホとの連携が必要)」「高性能モデルにある体表温度センサーがない」という点はデメリットですが、心拍計測、睡眠計測などは問題なく行えますし、運動は水泳も含めて100種類以上を計測できます。
また日常の機能も、上に挙げたような決済機能などはないものの、「スマホの通知を受け取る」「天気を見る」「スマホの音楽の再生停止の操作をする」「ウォッチフェイスを変更する」といった基本的な機能はキッチリ搭載。
したがって、スマートウォッチの入門機種としては最適なモデルといえるでしょう。
なお対応するスマートフォンはAndroid 10.0以降のモデルで、Galaxy以外のブランドのAndroidスマートフォンとも問題なくペアリングできました(iPhoneでは使えません)。
バッテリーの持ち具合は?
みなさんが気になるであろう、バッテリーの持ち具合についても、公式発表のデータと、実際に使用したときの減り具合をお伝えします。
ブランド公式のデータだとバッテリー容量は208mAhで、標準的な使用時間は最大 13日との表記があります。
30分で最大65%分の充電もできるモデルということで、バッテリーの持ち具合は非常に良いといえるでしょう。
ただし、この数字は画面を常時表示にしなかった場合。
筆者が画面を常時表示にして使った感じだと、1日にバッテリーは20~30%程度減る感じで、3~4日に1回は充電が必要でした。
それだけ常時表示にするとバッテリーを消費するというわけですね。
ただし、Apple WatchやGalaxy Watchが1~2日でバッテリー切れになってしまうのを考えると、それでも十分にロングバッテリーといえるでしょう。
いざ開封!
パッケージや同梱されているものも確認してみましょう。
パッケージはこのようなシンプルな見た目です。
時計本体以外の同梱品は、上の写真の充電ケーブルとクイックスタートガイドのみ。
ACアダプターは別売になりますが、USB Type-Cを指せる充電器は持っている人が多いと思うので、特別不便は感じないでしょう。
なおペアリングはスマホにGalaxy Wearableのアプリをダウンロードすると簡単に行えますし、基本的な操作法はペアリング時に表示されるので、クイックスタートガイドは目を通さないでも問題なく使えるはずです。
なお健康系のデータを閲覧するにはSamsung Healthというアプリもダウンロードする必要があります。
見た目をチェック
素材や大きさ、重量について
見た目や素材もチェックしていきます。
ケースの素材はサンドブラスト仕上げのアルミニウム。
砂などの研磨剤を吹きつける表面加工処理技術により、表情豊かなつや消しの美しい仕上がりになっています。
本体重量は18.5 gとスマートウォッチとしては軽めの部類です。
ただ、金属素材を使っているため、超格安のプラスチック製のスマートウォッチよりはやや重くなります(そのぶん、見た目高級感があるわけですが)。
本体サイズ(高さ x 幅 x 厚さ) は42.9 x 28.8 x 9.9 mmと横幅が非常にスリム。
睡眠計測をするときも気にならない大きさと重さですし、日常生活でも邪魔になることはほとんどないスマートウォッチといえるでしょう。
なおApple WatchやGalaxy Watchなどはディスプレイが大きい分、着用していて邪魔に感じる場面もあります。
防水等級や耐久性について
防水等級は5ATM規格で、水深50mまでの水に10分間耐えられる仕様。
そのためプールの水泳も運動計測可能になっています。
またIP68対応で、雨やチリ、ホコリにも強いです。
手洗いなどの日常の水濡れは気にせず使えますし、1万円を切る安さながら耐久性もバッチリあるモデルといえます。
物理ボタンについて
物理ボタンは右側面に1つのみ。
ホームに戻る役割を果たすホームボタンなので、操作や表示されている画面がよく分からなくなったら、とりあえずここを押せばOK。
なお、2回押しでの操作も可能です(デフォルトではエクササイズ計測が表示されます)。
ディスプレイについて
ディスプレイの種類はAMOLEDで、1万円未満のモデルながら高性能なディスプレイを積んでいるといえるでしょう。
その他のディスプレイ関連のスペックは以下になります。
解像度:256 x 402
色数:16M
サイズ:1.6インチ (40.0mm)
発色も良く非常に見やすいですが、画面が横に狭いぶん、文字などは小さめに表示されます。
また表示される文字などの情報のスタイリッシュさは、Galaxy Watchよりは少し劣るかなという印象を持ちました。
なお照度センサーを内蔵しており明るさの自動調節が可能です。
バンドはマットな質感のシリコン素材のもので、肌触りも凄く良いです。
ケースの裏側にワンタッチで着脱できるボタンがあり、着せ替えも簡単に行えます。
操作感をチェック
操作感もチェックしていきます。
上下左右のスワイプで表示される情報は、一般的なバンド型のスマートウォッチと同じで、非常に使いやすいです。具体的には以下のような形です。
・右にスワイプして通知
・左でタイル(自分の好きなアプリや項目を見やすく表示する機能)
・下でクイックパネル
・上でアプリのリスト
「タイル」では天気や歩数・消費カロリー、睡眠データ、カレンダーなどのほか、タイマーなども表示可能で、スマホのアプリで並べ替えも可能。
よく使うものから順番に並べ、不要なものを削除しておくと使い勝手が大きく向上するでしょう。
ホームボタンは2回押しでエクササイズが表示される設定になっていますが、スマホの設定でタイマーやカレンダー、天気予報など別のアプリを呼び出すように変更も可能です。
日常の機能をチェック
ウォッチフェイスについて
日常で使う機能をチェックしていきます。まずはウォッチフェイスです。
100以上のバリエーションが有り、複数の情報を表示できるものから、アナログ時計のような見た目のもの、スタイリッシュなものまで様々なバリエーションがあります。
お気に入りの写真を使って自分専用のウォッチフェイスを作成することもできます。
通知機能について
スマートウォッチの定番機能、スマホの通知受取はもちろん可能。
上記の画像のように、届いたアプリが何なのかと、通知の内容の冒頭部分まで文章で読むことができます。
5000円以下のモデルとかだと、通知の内容は読むことができない場合も多いので、このあたりはさすがGalaxyのスマートウォッチという感じです。
またスマホのアプリの設定では、どのアプリから通知を受け取るかも1つずつオン・オフの設定が可能。
これができるスマートウォッチは安物には少ないので、さすがGalaxyという印象です。
そのほか日常で使う機能について
そのほか日常で使う機能では、「スマホの音楽アプリの再生・停止(Spotifyが使えました)」「天気の確認」「カレンダーの予定の確認」などがストレスなく行えました。
カレンダーの予定もバッチリ見えるのは、やはり1万円以下のモデルでは珍しいので、非常に良いと思いました。
そのほか離れた場所にあるスマホを鳴らして、スマホを探せる機能などもあります。
またGalaxyのスマートフォンとの組み合わせのみで、カメラのリモート撮影などの一部の機能が使うことができます。
Suicaの決済やGoogleアシスタントなどには未対応ですが、日常使用の基本的な機能は揃っているモデルといえるでしょう。
健康の機能をチェック
健康関連の機能も確認してみましょう。
光学式心拍センサーや加速度センサー、気圧センサー、ジャイロセンサーなどを搭載の本モデルでは、心拍数や運動での消費カロリーなどの項目を手元で簡単に確認可能。
睡眠計測の結果や「ストレス」という項目のデータもスマートウォッチの画面上で見ることができます。
ただ、詳しいデータはスマホのアプリのほうが見やすいので、そちらの画面をお見せします。
歩数や消費カロリーのデータはこんな形。
ハート型のリングが埋まると目標達成になるので、身体を動かすモチベーションになるでしょう。
心拍数や血中酸素濃度の変動も詳しいグラフで見ることができます。
医療機器ではないですが、血中酸素濃度もそこまで変な数値が出ることも少ないので、参考にモニタリングするには十分かと思います。
こちらは「ストレス」の項目です。
疲れ切って風邪気味になった日などは実際に数値が高くなっていたので、こちらも参考に見るには面白い指標です。
睡眠計測のデータはかなり豊富だと感じました。
100点満点のスコア評価のほか、睡眠ステージごとのグラフも表示してくれます。
覚醒の時間も細かく記録してくれている点を見ても信頼性は高いと感じます。
睡眠中の血中酸素レベルや心拍数も計測してくれて、睡眠の規則性なども判定してくれます。
継続的に睡眠を計測すると、睡眠のコーチングを受けられる機能もあるので、睡眠計測をメインで使いたい人にも良いモデルだと思います。
そのほかGalaxy Fit3には、気圧センサーなど内蔵のセンサーを使用して、転倒を検知した時に緊急通報をする機能も備わっています。
健康関連の機能もなかなか充実したモデルといえるでしょう。
運動の機能をチェック
ワークアウトなどの運動関連の機能も確認してみましょう。
100種以上のワークアウトを計測可能。
先述のようにプールでの水泳も対応していますし、日常で行う多くの運動を計測できるモデルになっています。
またGalaxyのスマートウォッチは運動の自動計測機能が優れているのですが、それはこのGalaxy Fit3も同じ。
ランニング、エリプティカルマシン、ローイングマシンに加え、水泳(プール)も自動で認識してくれて記録してくれます。
実際、腕につけて生活をしていると、ただ駅との間を移動していただけのときも、気づいたらウォーキングの運動として勝手に記録されていたりします。
他のスマートウォッチでは、自動計測といいつつ、計測開始に操作が必要だったりするので、完全自動で記録してくれる点は非常に優れているといえます。
実際に運動を計測中の画面はこのような感じ。
画面を上下にスワイプすると表示される項目が変わり、経過時間や距離、ペースのほか、消費カロリーや現在の心拍ゾーンなども確認できます。
この指標の充実度も1万円以下のモデルとしては非常に高いと感じます。
実際に10分ほどのランニングを計測したデータは上記のような形。
GPSを内蔵していないので、スマホを持たずに計測をすると位置情報の軌跡は計測されない形になります。
ただ、それ以外のデータはしっかり計測されていて、心拍数のグラフやペースのグラフ、心拍ゾーン別の割合なども確認可能。
Galaxy Watchなどはもう少し細かいデータが見られるのですが、1万円以下の入門機種としてはバッチリの充実度といえるでしょう。
入門者に最適なスマートウォッチ
こんな形でしばらく使ってみました。
感想としては、「1万円を切るモデルとしては機能の充実度はバッチリで、なおかつ使いやすいモデルだな」というのが私の印象です。
ここまでレポートしてきたように、日常の機能も、健康の機能も運動の機能も基本的なものはバッチリ使えますし、さすがGalaxyのモデルだけあり、表示も見やすく操作に迷うこともありません。
また、何しろ軽量スリムなので装着時のストレスがほとんどない点も魅力に感じましたし、充電が3~4日に1回で済むのも便利です。
もちろん、Galaxy Watchなどの高性能モデルと比較すると使えない機能もいろいろあるのですが、このレビューを読んで「自分が使いたい機能は揃っているな」と感じた人には自信を持ってオススメしたいモデルです。
何しろGalaxy WatchやApple Watchなどと比べると1/5くらいの価格で購入できるので、「コスパが良いものが欲しい」「スマートウォッチは初めてなので、まずはお手軽な入門機種が欲しい」という人にも本モデルは非常にオススメです!
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