Google自らが手掛けるスマートウォッチとして2024年に発表されたGoogle Pixel Watch 3。
当サイトでもレビューを行いましたが、バッテリーの大幅改善で非常に使いやすいモデルとなりました。
そのGoogle Pixel Watch 3はAndroid向けスマートウォッチの最高峰モデルといえますが、Android陣営のスマートウォッチにはGalaxy Watch7というモデルもあります。
両モデルを比較すると、どちらのほうが優れた性能を持っているのでしょうか。
そこで今回はGoogle Pixel Watch 3とGalaxy Watch7の比較レビューをお届けします。
なおGoogle Pixel Watch 3の使用レビュー、Galaxy Watch7の使用レビューは別の記事がありますので、下のリンクや本記事の末尾にリンクからチェックを。
【各モデルの使用レビュー】
Google Pixel Watch 3徹底使用レビュー。バッテリーが大幅改善!!
Galaxy Watch7使用レビュー。Android向け最強スマートウォッチの最新モデル最新作
レビューするモデルはこちら!
Google Pixel Watch 3
45mm Bluetooth/LTEモデル Matte Hazel アルミケース/ Hazel アクティブバンド
価格:76,800 円(Bluetooth/Wi-Fi モデルの場合は59,800 円)
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Galaxy Watch7
44mm シルバー
価格:57,200円
また動画でも比較レビューを行っていますので、操作感などはそちらでもチェックを!
主要な搭載機能を比較
まずは両モデルが、スマートウォッチの一般的な機能をどれくらい搭載しているかをチェックしてみます(編集部調べのデータです)。
緑色の部分が搭載されている機能になります。
右がGoogle Pixel Watchで、左がGalaxy Watch……と並べようと思ったのですが、ここで記載している機能に関しては、両モデルともフル搭載。
同じ表になてしまい、並べる意味がなくなってしまうので、表は1つにしました。
・Suicaを含めて複数の決済機能に対応していること
・マイク&スピーカーを搭載していて、音声入力(Googleアシスタント)を利用できること
・Google Playのストアを通じてスマホのように多くのアプリを追加できること
など、高性能モデルの証といえる機能を両モデルともフル搭載しています。
なおGalaxy Watchは以前はSuicaが非対応だったのですが、昨年のモデル発売と同時にSuica対応がスタート。
スペック全般でのPixel Watchとの差はなくなりました。
そのほか両モデルとも気圧・高度計や皮膚温センサー、GPS等の位置測位システムなども搭載していて、センサー類を見ても非常に高性能なモデルだと分かります。
なお、細かい部分を見ていくと、「Google Pixel Watchは血中酸素濃度を単独の項目として見られない」みたいに両者に差があるので、そうした違いは以下で詳しく分析していきます。
とりあえずは、「ほとんどの機能は両モデルとも一緒なんだな」と理解していただければ大丈夫です。
価格について
最安のモデルはPixel Watch 3が52,800 円(41 mm Bluetooth/Wi-Fiモデル)~。
一方のGalaxy Watch 7は57,200円(40mmモデル)~となっています。
Galaxy Watchが7000円ほど今年のモデルで値上げしたことによって、Google Pixel Watchのほうが安い!という状態になっています。
ただし、Galaxy Watchもこの価格差を気にしているのか、Amazonではすでに10%ほど値引きを実施中。
そしてGoogle Pixel Watchも最近は値下げをしているため、結果的にはやはりPixel Watchのほうが価格は安めになっています。
サイズやカラバリについて
Pixel Watch 3のサイズとカラーバリエーション
Pixel Watch 3は今年から45mmのサイズが登場して2サイズ展開に。
41mmの1サイズしかない点は、大きめサイズを好む男性ユーザーからすると不満な点だったでしょうが、そこが解消された形です。
カラーバリエーションは以下の通り。
41mmと45mmでカラーバリエーションが異なっています。
なおスラッシュ(/)より前がケースの色で、後がバンドの色です。
●45mmのカラー
・Matte Black アルミケース/ Obsidian アクティブバンド
・Polished Silver アルミケース/ Porcelain アクティブバンド
・Matte Hazel アルミケース/ Hazel アクティブバンド
●41mmのカラー
Matte Black アルミケース/ Obsidian アクティブバンド
Polished Silver アルミケース/ Porcelain アクティブバンド
Champagne Gold アルミケース/ Hazel アクティブバンド
Polished Silver アルミケース/ Rose Quartz アクティブバンド
分かりにくいですが、ザックリまとめると、以下のような形です。
・41mmにも45mmにもブラック、シルバーのケースがある
・45mmには「マットヘーゼル」という緑がかった濃いグレーのケースがある
・41mmにはシャンパンゴールドのケースがある
・41mmにはシルバーケースと組み合わせるバンドが2種類あり、片方はピンク色
41mmにピンクがあることからも分かるように、41mmは女性をターゲットにしているカラーという印象です。
Galaxy Watch7のカラーバリエーション
今回のGalaxy Watch7の通常シリーズは、従来通り40mmと44mmの2サイズ展開。
カラーバリエーションは、
40mm:グリーン、クリーム
44mm:グリーン、シルバー
と、サイズにより異なっています。
ブラック系のカラーがありませんが、廉価版のGalaxy Watch FEはブラック、シルバー、ピンクゴールドの3色の展開です。
またGalaxy WatchにはGalaxy Watch Ultraという47mmのモデルもあります。
そうしたFEやUltraまで含めると、製品のバリエーションはまだGalaxy Watchのほうが豊富と言えそうです。
では以下では、Galaxy Watch7とGoogle Pixel Watch 3の細かな機能の違いをチェックしながら、それぞれが優位な部分を解説していきます。
Galaxy Watch 7が優位な機能
体組成計の機能がある
Galaxy Watch7のほうが勝っている機能として分かりやすいのは、体組成計の機能。
こちらはGalaxy Watchシリーズでは前モデルから引き続き搭載されていますが、Pixel Watchには未搭載です(というか日本発売モデルで搭載しているモデルはGalaxy Watch以外は数えるほどしかありません)。
この体組成計の機能では、時計右側の2つのボタンに中指と薬指をタッチすることで、体脂肪量と体脂肪率、基礎代謝量など様々なデータが確認可能です。
計測結果は、筆者の使っているタニタの体組成計と大きく違わないものでした。
手元の計測でこうした数値が分かるのはやはり凄く、なおかつ以前のモデルより計測にかかる時間も短くなった印象がありました!
血中酸素濃度の測定機能
また血中酸素濃度の測定機能もGalaxy Watchのほうが優れているといえそうです。
Galaxy Watch 7は血中酸素濃度の測定が可能で、スマートウォッチの画面上でも、スマホのアプリ上でも、推移のデータを確認可能。
一方のPixel Watchは血中酸素濃度の推移は睡眠計測の測定結果などに表示されるものの、単独での表示は時計上でもスマホのアプリ上でも見当たりませんでした。
この点でもGalaxy Watch 7が勝っているといえるでしょう。
ただ、Galaxy Watch 7も血中酸素濃度の測定精度は決して高いわけではないので、参考程度に見る数値だと考えておきましょう。
そのほか、ストレス計測や今日のエナジースコアなど、両モデルには似通った機能がありますが、Pixel Watchのほうは一部の機能がFitbit Premiumという有料プランに入らないと見れなかったりするので、健康機能の充実度ではGalaxy Watchが勝っているといえそうです。
運動系の機能の充実度
ワークアウトなどの運動関連の機能はGalaxy Watch7に優位性があると感じました。
まず、計測可能な運動種目数はGalaxy Watch7は「100 種類以上」なのに対し、Pixel Watch 3は40以上。
数が多ければいいというわけではないですが、Galaxy Watchのほうが運動計測に力を入れていることが伺えます。
そしてGalaxy Watchシリーズが業界最高峰のレベルを誇っているのが、ランニング、ウォーキング、サイクリングなどを自動認識して自動で記録してくれる機能。
これが驚く性能で、たとえば自転車で移動しはじめると自動で計測が始まり、自転車を降りて座ったりすると、自動で計測が止まります。
信号待ちをするだけでも自動で止まり、信号が青になってまた動き出すと計測も再開するので、かなり正確に運動量を記録できるのです。
日々の細々したワークアウトを計測するには最強のモデルだと思います。
またGalaxy Watch7では、ランニング中は上記のような画面でリアルタイムで各種指標を確認可能(スワイプすると表示項目が切り替わり、心拍ゾーンが見やすく表示されたりします)。
Pixel Watchと比較すると、手元で見られる指標が多く、なおかつ表示も見やすい印象があります。
下記がランニングの計測結果の画面の一部です。
上記のようにランニング中の心拍ゾーンを分類してくれるほか、非対称性、接触時間、滞空時間、上下動など、高度な指標のチェックも可能。
運動能力の目安となる最大酸素摂取量も確認ができます。
Pixel Watch 3も今年のモデルからGalaxy Watchと同じようなランニングフォームに関する分析が可能になりましたが、全体的にはまだGalaxy Watchのほうが運動系の機能は優秀だと感じます「
Google Pixel Watchが優位な機能
デジタルクラウンを使った操作感
ではPixel Watchのほうが優れている機能は何かというと、一つはデジタルクラウンを使った操作感。
このディスプレイ右側に見えるボタンはクルクルと回転することが可能で、回転により画面の拡大縮小や上下の移動ができます。
Apple Watchにも搭載されている仕組みですが、この操作は非常に便利です。
一方のGalaxy Watchにはこのようなボタンは存在しません。
通常モデルでは画面の周辺部分をなぞるように動かすことで、似たような動作はできるのですが、物理ボタンのあるPixel Watchのほうが操作は便利だといえるでしょう。
バッテリーの持続時間
バッテリーの持続時間はPixel Watchの最大の弱点でしたが、今年はそれが大幅改善。
・充電が 15% になると自動でバッテリー セーバーモードに突入し、充電可能になるまでバッテリー駆動時間を長持ちさせる。
・自動で睡眠を検知すると、おやすみ時間モードを有効にし、就寝中の睡眠管理を行えるよう消費電力を抑える
といった仕組みが導入されたことで、
・常時表示のディスプレイで最長24 時間
・バッテリーセーバーモードで最長36 時間
という公式データを実際にクリアできるようになりました。
20時頃にフル充電して睡眠計測をしても、夜になっても40%ほどバッテリーが残っている日があったりと、上手く使えば24時間以上も持ちそうな勢いでした。
一方のGalaxy Watchは、公式データは
常時表示にした場合:最大30時間
常時表示にしない場合:最大40時間
とPixel Watchより長めですが、実際の持ち時間はもう少しだけ短めな印象。
機能をいろいろ使うと24時間以内にバッテリー切れになる日もあり、Pixel Watchは自動で設定してくれる睡眠時のバッテリー節約も、Galaxy Watchは最初は手動で設定が必要だったりします。
バッテリーの持ち具合はほぼ同等なのですが、大幅進化したPixel Watchに今回は軍配を上げたいなと思います。
した。
どちらが上か?
そして、「どちらも甲乙つけがたく凄いな!」という機能が多かったので、そこにまず触れておきます。
・Suicaをはじめ、iD、QUICPay、Visaのタッチ決済などを便利に使える
・高精細で非常に美しいディスプレイ表示
・軽さと着用感の良さ
・ウォッチフェイス上に複数のアプリや指標を表示可能で、ワンタップでジャンプが可能
・Googleアシスタントの音声入力が便利
・LINEの閲覧のみならず、返信まで行える
・スマホのように色んなアプリを追加できる
・転倒検出の機能がある
などなどは、両モデルに共通する素晴らしさです。
ケースのデザインや表示画面のフォント等については、「Galaxy Watchはクール系」「Google Pixel Watchはポップ系」という感じで雰囲気が分かれますが、これは好みによって選ぶモデルが変わるでしょう。
なお、どちらのモデルもOSのベースはWear OS 5.0(Galaxy Watchのほうは一応自社製)。
機能や挙動が似ている部分が多いのは、まあ納得できます。
そして「どちらのほうが優れたスマートウォッチなのか」というと、今年は判断が難しくなりました。
去年まではGalaxy Watchが圧勝だったのですが、今年については
・Pixel Watchのバッテリーが大幅進化した
・Pixel Watchに45mmサイズが登場した
・Galaxy Watchが値上げをした
などなどがあり、両者の差が拮抗した印象。
ただ、健康関係や運動計測の機能については、まだGalaxy Watchのほうが完成度が高い部分が多く、現時点ではGalaxy Watchのほうがスマートウォッチとしての完成度は高いと感じました。
ただ今年は、両者の差が非常に拮抗しているので、どちらもモデルも筆者はオススメです!
なお両モデルのレビュー記事は以下の「あわせて読みたい」からぜひチェックを!
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者6000人程度)でも各種レビューを行っています!
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