Android向けのスマートウォッチとして最高峰のモデルといえる「Galaxy Watch」シリーズ。
その最新モデルとなる「Galaxy Watch7」が発売に。
同時に廉価版の「Galaxy Watch FE」、タフネスモデルの「Galaxy Watch Ultra」も同時発売となって話題になりました。
スマートウォッチライフでは、「Galaxy Watch7」については、以下のレビュー記事を作成しました。
あわせて読みたい:Galaxy Watch7使用レビュー。Android向け最強スマートウォッチの最新モデル最新作
今回の記事では、その「Galaxy Watch7」通常モデルと、廉価版の「Galaxy Watch FE」の違いを比較レビューをお届けします。
なお「Galaxy Watch FE」の機能の大半は「Galaxy Watch7」と一緒なので、機能全般について詳しく知りたい方は、上記の「Galaxy Watch7」のレビューもぜひチェックを。
比較レビューするモデルはこちら!
Galaxy Watch7
40mm クリーム
価格:57,200円
Galaxy Watch FE
40mm
34,760円
ここから両モデルの違いを徹底比較!
サイズとカラバリ
左からGalaxy Watch 7の「クリーム」「グリーン」「シルバー」。クリームは40mmのみ、シルバーは44mmのみのカラー
では両モデルの相違点を確認していきます。
まずはサイズとケースのカラバリです。
今回のGalaxy Watch7の通常シリーズは、従来通り40mmと44mmの2サイズ展開。
カラーバリエーションは、
40mm:グリーン、クリーム
44mm:グリーン、シルバー
と、サイズにより異なっています。
なおケースの色合いは、シルバーは文字通りシルバーカラーで、グリーンは緑というよりは深いグレー、クリームはクリームがかった薄いゴールドという雰囲気です。
ブラック系のカラーが消えたのが、大きな変化といえるでしょう。
一方の廉価版のFEのケースの色は、(上の写真の左から)シルバー、ピンクゴールド、ブラックの3色の展開です。
そしてサイズは「40mmのみ」で、大きめサイズの44mmはありません。
大きめの44mmサイズが欲しい大柄な男性や、ブラックカラーの44mmが欲しい方などにとっては、この点は悩ましいですね……。
最安値は2万円以上の差が!
価格(※Samsungオンラインショップの販売価格)も確認しておきましょう。
FEのほうは40mmのみなので、価格は34,760円と非常にシンプルです。
一方のGalaxy Watch7の通常モデルは、サイズが40mmと44mmの2つあり、なおかつ単独通信可能なLTEモデルもあるため、価格も複数のバリエーションがあります。
まとめると以下のような形です。
40mmモデル:57,200円
40mmのLTEモデル:73,150円
44mmモデル:62,700円
44mmのLTEモデル:79,640円
44mmモデルのほうが6000円ほど高く、さらにLTEモデルになると1万6000円ほど価格が高くなる計算です。
なお普段からスマホを持ち歩いている人なら、LTEモデルにする必要は特にないと思います。
このように、Galaxy Watch7の通常モデルは最安の40mmでも57,200円するので、廉価版の34,760円という価格は非常に魅力的なことが分かります!
主要な搭載機能
では、こうしたサイズや価格の違いを踏まえたうえで、ザックリと主要な機能がどう違うのかを確認していきましょう。
上記はスマートウォッチに一般的な機能の有無をまとめたチェック表で、緑色の部分が搭載している機能です。
見ての通り、FEのほうが一部で未搭載の機能があるものの、両者ともスマートウォッチの一般的な機能の大半を網羅していることが分かります。
スマホの通知受取、心拍数や睡眠、血中酸素濃度の計測といった基本機能はもちろん搭載。
マイク&スピーカーを使って音声アシスタントが使えたり、スマホの電話を手元で通話したりする機能もあります。
防水等級はどちらも5 ATMで、プールでの水泳でもバッチリ使える性能です。
で、この表に置ける違いは何なのかと言うと、以下の点です。
・FEはSuicaが使えない
・FEは赤外線温度センサーがなく、体表温度が測れない
体表温度については気にする人は少ないでしょうが、Suicaが使えないというのは両モデルの一番大きな違いと言っても過言ではありません。
なので、スマートウォッチでの改札通過をしたい人の場合は、Galaxy Watch7を選ぶことになるでしょう。
ちなみにFEのほうもクレジットカードのタッチ決済(Visa、Mastercard)は使用できますが、利便性ではSuicaには劣るといえます。
見た目の違い
ケースの見た目はほぼ一緒
では見た目の違いもチェックしていきましょう。
本体サイズと重量は以下のような形。数ミリ、数グラムの違いはありますが、まあ「ほぼ一緒」と言ってよいでしょう。
●Galaxy Watch7
本体サイズ(高さ x 幅 x 厚さ, mm)
40.4 x 40.4 x 9.7
本体重量 (g)
28.8
●Galaxy Watch FE
本体サイズ(高さ x 幅 x 厚さ, mm)
39.3 x 40.4 x 9.8
本体重量 (g)
26.6
ケースのデザインについても、ボタンの数が違ったりすることもなく、大きな違いは見当たりません。
しいて挙げるなら、Galaxy Watch7のほうがディスプレイ部分の盛り上がりが少し大きいくらいでしょうか。
バンドは形状に違いが
一方で形状の違いが一目で分かるのがバンドです。
Galaxy Watch7のバンドは波打った形状なのに対し、FEのほうは表面がフラットな形状。
このFEのバンドのデザインは、以前のシリーズ(Galaxy Watch6)などと共通するものです。
つまり、Galaxy Watch7だけが新しいデザインのバンドを取り入れている形となります。
筆者はFEのフラットなバンドが好みですが、運動をガシガシする人には、汗をかいてもベタつきにくいGalaxy Watch7のバンドのほうが快適に使えそうです。
このへんも個人の好みの問題となるでしょう。
ディスプレイのスペックも実は違う
ディスプレイについては、両モデルとも「Super AMOLED(有機EL)」ディスプレイを搭載。
ですが、細かなスペックには違いがあります。
●Galaxy Watch7
サイズ:1.3インチ (33.3mm)
解像度:432 x 432
色数:約1,600万色
●FE
サイズ:1.2インチ (30.4mm)
解像度:396 x 396
色数:約1,600万色
同じ40mmのサイズでも、ディスプレイの表示領域はGalaxy Watch7のほうが大きいわけです。
この点は、同じような画面を表示して両モデルを並べてみると、確かに違いが分かります(上の写真でも、左の7のほうが画面の端まで画像が表示されているのが分かると思います)。
画面の解像度もGalaxy Watch7が上で、これも見比べると少し違う気がします。
そのほか各種スペックの違い
ソフトウェア
搭載するソフトウェアについては公式サイトに違いはありませんでしたが、実機で確認したところ、以下のような違いがありました。
●Galaxy Watch7
One UIバージョン:6.0
Wear OSバージョン:5.0
●FE
One UIバージョン:5.0
Wear OSバージョン:4.0
それそれFEのほうがバージョンが一つ古いわけですね。
そしてFEのほうは、現時点でソフトウェアの更新もこれ以上はできませんでした。
搭載センサー
搭載するセンサーの唯一の違いは先にも言及したように「赤外線温度センサー」をFEが搭載していないこと。
逆に言うと、それ以外のセンサーは一緒なので、まあほぼ一緒のモデルといえるでしょう。
●Galaxy Watch7
加速度センサー, 気圧センサー, 生体電気インピーダンス解析センサー, 電気心拍センサー, ジャイロセンサー, 地磁気センサー, 赤外線温度センサー, 照度センサー, 光学式心拍センサー
●FE
加速度センサー, 気圧センサー, 生体電気インピーダンス解析センサー, 電気心拍センサー, ジャイロセンサー, 地磁気センサー, 照度センサー, 光学式心拍センサー
バッテリー容量
下記の通り、バッテリー容量はGalaxy Watch7のほうが上です。
ただ、常時表示の未使用時のバッテリーの持ち時間はどちらも30時間と違いがありませんでした。
●Galaxy Watch7
バッテリー容量 (mAh, 標準) 300
使用時間 (AOD未使用時) 最大 40時間
使用時間 (AOD使用時) 最大 30時間
●FE
バッテリー容量 (mAh, 標準) 247
使用時間 (AOD未使用時) 最大 40時間
Galaxy Watch7のほうがCPUの性能なども上なので、電力消費も大きい……ということなのかもしれません。
なお、FEのほうは常時表示の際のバッテリーの持続時間に記載がなかったので、その点では違いがある可能性がありますが、実際に常時表示で使ったときは、そこまで差を感じませんでした。
ストレージ/メモリ
メモリやストレージの点でも両者には大きな違いがありました。
操作感や使用感に大きな違いを生み出すものではありませんが、この点は廉価版と通常版で差をつけている部分といえるでしょう。
●Galaxy Watch7
メモリ:2GB
ストレージ;32GB
使用可能ストレージ:21.1GB
●FE
メモリ:1.5GB
ストレージ:16GB
使用可能ストレージ:7.6GB
CPU
CPUについてはコア数がデュアルコア(2)とペンタコア(5)と、明確な違いがあります。
筆者も難しいことは分かりませんが、このコア数が多いと複数の動作を同時処理できるようになるため、ペンタコア(5)のGalaxy Watch7のほうが性能は上といえるでしょう。
クロック周波数もCPU の性能を表す指標の一つだそうなので、Galaxy Watch7のほうが性能が上というわけです。
●Galaxy Watch7
クロック周波数 1.6GHz, 1.5GHz
CPU コア数 ペンタコア
●FE
クロック周波数 1.18GHz
CPU コア数 デュアルコア
日常の機能
日常の機能でのまず大きな違いは、先述のようにFEはSuicaやQUICPay、iDなどが使えないこと。
たしかにFEのほうで「交通機関のパス」を追加しようとしてもSuicaは表示されませんでした。
一方でVisaのタッチ決済に対応したカードは普通に追加できました。
そのほか、Googleアシスタントなどは両者とも使えますし、話しかけたときの反応速度にも特に差は感じません。
タイマー等の日常て使うアプリにも大きな違いはないように感じました。
ソフトウェアの違いで使えない機能も!
一方で、先に説明したソフトウェアのバージョンの違いにより、OneUI 6.0の新機能である
・カスタムトレーニング・ルーティーンの作成
・1日の初めに健康状態を確認
・ダブルピンチで時計を操作
・常時表示の画面から直接タップやスワイプで操作可能
といった機能がFEでは使うことができません。
上の3つはさほど気にならない人が多いでしょうが、最後の「常時表示の画面から直接タップやスワイプで操作可能」については違いを感じます。
というのも、Galaxy Watch7は画面を常時表示にしておくと、どんな状態からタップやスワイプをしてもいきなり操作が可能で、操作にストレスがアリません。
一方のFEは画面がスリープ状態だと、ボタンを押すなり、画面をタッチするなり、手首を上げて顔の方に向けるなりして、まず画面をオンにしないと、操作ができないからです。
この点は両者を並べると、「Galaxy Watch7のほうが便利だなぁ」と感じられました。
ウォッチフェイスにも違いあり
ウォッチフェイスについてもOneUI 6.0から登場した
・スペイシャルナンバー
・シンプルデジタル
・ウルトラインフォメーションボード
の3つはFEのほうでは使用できないようでした。
ウルトラインフォメーションボードは表示できる機能が多くて便利だったので、これがFEで使えないのはややマイナスでしょうか。
健康の機能
健康の機能については、Galaxy Watch7では「バイオアクティブセンサーが強化されて、健康管理の計測機能の正確性がより高くなった」とのことなので、センサーの精度は7のほうが上のようです。
ただ、日常で使用していて、心拍数や血中酸素濃度などの計測精度に大きな差は感じませんでした。
一方で睡眠計測については、「睡眠中の皮膚温度」「平均呼吸数」といった指標がGalaxy Watch7だけに表示。
データの充実度はGalaxy Watch7のほうがやはり上です。
また終末糖化産物(AGEs)を手首から利便性高くトラッキングすることができる「AGEs 指数」 もGalaxy Watch7のみで測定・表示可能。
今一つ、見ても意味の分からない数字でしたが(笑)、やはり7のほうがスペックは上なわけですね。
運動の機能
運動の計測については、計測できる運動の種類(100種類程度)はおそらく両者とも同じ。
運動計測中の時計の画面常時も一緒で、ランニングをしているときに音声でガイダンスが流れる点も一緒でした。
それぞれのモデルを右手、左手に付けて、実際にランニングを計測してみましたが、計測される指標も一緒で、数値にも大きな違いは感じられませんでした。
なGalaxy のスマートウォッチとしては初となる「デュアル周波数 GPS システム」を採用しており、密集した都市環境でも、より正確に位置を追跡することができる……との触れ込みでしたが、走ったルートの記録精度にもさほど大きな違いは見られず。
このあたりは、場所を変えながら継続的にランニングを繰り返すと違いが見えてくるかもしれません。
細かな点は違うけど、だいたい一緒!?
……といった形で両者の違いを検証してきました。
重箱の隅をつつくような形で細かなスペックも見比べたので、いろいろ違うように見えたかもしれませんが、使用感としては「だいたい一緒」というのが正直な感想です(笑)。
大きな違いと感じたのは
・価格(FEは2万円以上安い!)
・カラバリ(FEはブラックやピンクがあるのが良い)
・バンドのデザイン(フラットな見た目のFEのほうが筆者は好み)
・FEではSuicaが使えない(これが一番大きい)
・FEでは画面のスリープ時からのタッチ、スワイプでいきなり操作ができない(比べて使うと7のほうが便利)
といったあたりでしょうか。
FEのほうがスペック、機能的には下の部分は確かに多いのですが、上記のようなポイントが許容できるのであれば、FEを購入するのも全然アリかと思います!
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