Androidスマートフォン向けのスマートウォッチとしては、最強レベルの性能を誇っているGalaxy Watchシリーズ。
2024年は「無印」と呼ばれる通常シリーズに加え、廉価版のFE、タフネスでロングバッテリーのUltraという新モデルも登場しました。
今回の記事では、通常シリーズのGalaxy Watch7をレビューします!
なお本製品はブランド側から貸与を受けていますが、広告記事ではありませんので、感想は率直にお伝えします!
レビューするモデルはこちら
Galaxy Watch7
40mm クリーム
価格:57,200円
今回のGalaxy Watch7の通常シリーズは、従来通り40mmと44mmの2サイズ展開。
カラーバリエーションは、
40mm:グリーン、クリーム
44mm:グリーン、シルバー
と、サイズにより異なっています。
ブラック系のカラーが消えたのが、大きな変化といえるでしょう。
なお廉価版のFEはブラック、シルバー、ピンクゴールドの3色の展開です。
なお価格は40mmモデルの場合、前シリーズの50,160円から7,000円ほど値上がりして57,200円に。
さらに44mmだと5500円価格が上がり、62,700円での販売です。
単独通信可能なLTEモデルは40mmが73,150円、44mmが79,640円となっていますが、普段からスマホを持ち歩いている人なら、LTEモデルにする必要は特にないと思います。
今回は40mmのクリームカラーのモデルでレビューをします!
主要な機能を一覧表でチェック
当サイトが使用しているスマートウォッチの主要機能表を使い、本モデルに搭載されている機能をチェックしてみました。
緑色の部分が搭載している機能で、色のない部分が未搭載の機能です。
見ての通り、一般的なスマートウォッチに搭載している機能は完全に網羅しています。
スマホの通知受取、心拍数や睡眠、血中酸素濃度の計測といった基本機能はもちろん搭載。
マイク&スピーカーを使って音声アシスタントが使えたり、スマホの電話を手元で通話したりする機能もあります。
そしてSuicaやクレジットカードのタッチ決済などにも対応。
気圧高度計を搭載していたり、体表温度の計測ができたりする点も高性能モデルの証ですね。
防水等級は5 ATMで、プールでの水泳でもバッチリ使える性能です。
なお対応するスマートフォンはAndroid11.0以上でメモリが1.5GB以上のモデル。
Samsung以外のAndroidのスマートフォンともペアリングできますが、iPhoneでは使うことができません。
ちなみに前作のGalaxy Watch6からメチャクチャ大きな進化があったかというと、そこまで大きくは変わっていません(笑)。
バッテリーの持ち具合は?
みなさんが気になるであろう、バッテリーの持ち具合についても、公式発表のデータと、実際に使用したときの減り具合をお伝えします。
ブランド公式だと
常時表示にした場合:最大30時間
常時表示にしない場合:最大40時間
というデータがありました。
で、実際に筆者が画面を常時表示にしつつ、心拍数や睡眠、ストレスなどの計測頻度を上げてガシガシ使ってみたところ、充電してから24時間が経過しても30%ほどバッテリーが残っていました。
なので実際に30時間はバッチリ持ちそうです!
なお、録音機能を何時間も使った日は夕方にバッテリー切れになった日もありましたし、その日の設定や使用する機能により、バッテリーの持ち時間は前後しました。
バッテリーを消費する機能をガシガシ使うと、バッテリーの消費は早くなると思います。
なお時計上の設定の「モード」から、夜の睡眠計測時に「就寝モード」になるようスケジュール設定しておくと、寝ている間は画面がオフになるため、バッテリーの持ちは良くなります。
いざ開封!
パッケージや同梱されているものも確認してみましょう。
このようにシンプルで洗練された箱に入っています。
Apple Watchのパッケージと雰囲気は似ていますね。
同梱品は純正の充電ケーブルと、日本語の簡単な説明書。
説明書はボタンの役割などが書かれていて分かりやすいですが、ペアリングをする過程でもスマホ上で操作方法が紹介されます。
なので、こうした電子機器に強い人は説明書は見なくても大丈夫でしょう。
充電器の形状はApple Watchと同じような磁気式のもの。
端子はType-Cでした。このあたりもApple Watchの最新の高速充電器と一緒です。
見た目をチェック
見た目や素材もチェックしていきます。
ケースの素材はアーマーアルミニウム。
アルミは金属としては軽く、一定の耐久性がある素材です。
マットな質感に高級感もありますね。
ディスプレイ部分は「フローティングデザイン」で、ケースよりも1段盛り上がっているのが特徴。
真っ平らだったGalaxy Watch6から、この点は変化しています。
今回レビューしている40mmモデルは本体サイズが40.4 × 40.4 × 9.7(高さ× 幅 ×厚さmm)。
前の6よりも縦幅が少しだけ伸びています。
40mmは小さめサイズなので、腕の細い女性は40mmサイズを選んだほうが良さそうです。
また40mm程度の大きさなら、一般的な腕時計と比べても大きすぎず、腕への収まりもよいため、見た目もスタイリッシュになります。
そのため男性でも40mmを選ぶのは大いにアリだと思います。
参考に47mmのGalaxy Watch6 Classicと並べた写真
重さは本体のみだと28g。
バンド込みだと50gでした。
金属製ケースのモデルとしては、特別重いわけではないですし、40mmモデルの場合は重さはさほど気にならないでしょう。
ディスプレイについて
ディスプレイはSuper AMOLEDディスプレイで、サイズは 1.3インチ。
解像度は432 x 432、色数は16Mとなっています。
小さめサイズの40mmでもメチャクチャ見やすいです。
付属のスポーツバンド
付属するスポーツバンドは、ケースに近い部分にカラフルなステッチが入っているのが、今回のシリーズの特徴。
以前のモデルはバンドはフラットでしたが、今回は波形のカッティングになっています。
見た目の好みは分かれるでしょうが、汗をかいてもベタつかない構造になっているのは良いですね。
素材自体も、サラサラとした質感が心地良いです。
なおバンドはワンクリックで着脱可能。
ブランド純正のファブリック製の替えバンドも販売されていますし、サードパーティの製品も多くあるでしょう。
操作感をチェック
操作感もチェックしていきます。
物理ボタンは右上に「ホームボタン」、右下に「戻るボタン」があります。
ホームボタンは長押しで電源オフの画面が表示されるほか、Googleアシスタントなどのアプリを入れると、2回素早く押すことでアプリを立ち上げることも可能です。
なおスマホのアプリ上で設定すれば、2回押しでは別のアプリを呼び出す設定にもできます。
そして、以前のGalaxy Watchシリーズと同じく、画面のフチ(ベゼル)部分をなぞることで、画面の上下動をすることも可能。
Apple Watchのデジタルクラウンのような「回せるボタン」の代替的な機能といえるでしょう。
タッチスクリーンの反応も良く、非常に操作はしやすいモデルといえます。
ウォッチフェイス
またGalaxy Watchはウォッチフェイスの種類が豊富。
オシャレなものが多い上に、非常にカスタマイズ性が高いです。
画面内に6つのアプリや機能を表示できるウォッチフェイスもあり、その部分をタップすると当該機能にジャンプすることも可能!
なので、よく使うアプリや機能を呼び出しやすいのです。
天気やタイマー、カレンダーなど、よく使う機能はウォッチフェイス上に表示しておくと良いでしょう。
また時刻のフォントや背景の色など細かな部分がカスタマイズできるのも良いですね。
ちなみにタイマーを作動してたり、ワークアウトをしていたり、録音をしていたりすると、画面の下の方に稼働中のアプリが表示され、そこをタップすると当該機能にジャンプすることもできます。
また好きな写真を取り込んで、タップするたびに写真を変える「アルバム表示」という機能もあります。
ウォッチフェイスのバリエーションはとにかく豊富ですね。
ウォッチフェイスアプリを利用すれば、その他のバリエーションのものも膨大に用意されているので、カスタムの自在性が高い点は大きな魅力です。
タイル
ウォッチフェイスと同様にカスタムしておくと使い勝手が良くなるのが、右から左にスワイプすると表示される「タイル」。
「歩数や消費カロリーのグラフ」「天気」「カレンダー」などなど、よく使うアプリやよく見る項目を左右のスワイプで素早く表示することができます。
順番の並び替えなども可能なので、こちらも使い勝手が非常にいいです。
ちなみに上から下のスワイプで表示されるクイックパネルや、アプリの画面も並び替えが可能なので、一度見ておくと良いでしょう。
日常の機能をチェック
日常で使う機能をチェックしていきます。
スマホの通知は、通知が届いたアプリのアイコンと、通知の内容をわかり易く表示。
LINEは文章の内容もスタンプの内容も見ることができて、返信もできます。
Gmailのメールの閲覧、返信もできますし、このあたりはさすが高性能もでるという感じです。
なお通知を受け取るアプリはスマホのアプリ上で一つ一つオンオフの設定ができます。
天気のアプリは表示が非常に見やすいです。
1時間毎の天気、翌日から先の天気なども簡単に確認することができます。
またスマホのカレンダーの予定なども非常に見やすいです。
そのほかSpotifyなどのスマホの音楽アプリの再生・停止などの操作や、タイマー、アラーム、録音などなど、日常で便利な機能は盛りだくさん。
時計本体に音楽を保存できたり、録音ができたりするのも高性能なモデルならではです。
そして画面操作のサクサク感にも驚かされました。
今回のGalaxy Watch7は、Galaxy Watchシリーズの中で最も強力な初の 3nm プロセスプロセッサを搭載。
CPU の速度は 3 倍に上昇、アプリケーションプロセッサの電力効率は 30%改善しているそうです。
ここまで高精細な画面がサクサク動くスマートウォッチというと、やはりApple Watch以外はなく、このGalaxy Watch7が最高峰のモデルだということが触っていて分かりました。
ビジネスシーンでスマートウォッチを使いたい人にも最適なモデルと言えるでしょう。
Suicaもバッチリ使える!
Suicaなどのキャッシュレス決済については、Googleウォレットのアプリから登録が可能。
筆者の場合はスマホのGoogleウォレットに入っていたソニー銀行のデビットカードをすぐ追加でき、そちらでVisaのタッチ決済が利用可能になりました。
クレジットカードによっては「iD」「QUICPay」なども使えます。
またSuicaも、スマートフォンにすでに入っているものがあれば簡単に移行ができますし、新規発行もできます。
筆者はスマートフォンに入っていたSuicaを移行して使用。
自販機でSuicaで買い物をするときは、特にGoogleウォレットの画面を立ち上げなくても決済ができました!
なお、こうした決済手段を使う場合は、時計の画面をPINやパターンでロックする必要が出てきます。
Googleアシスタントでも操作可能
さらにGoogleアシスタントでも操作が可能。
Android随一の高性能モデルだけあり、アシスタントの立ち上がりも、音声を聞いた後の反応もメチャクチャ早くて快適です。
この音声操作も便利に使える場面は多そうですね。
また親指と人差指を素早く2回つまむ「ダブルピンチ」で時計を操作することなども設定次第で可能。
操作方法は本当に多種多様といえます。
アプリを自在に追加できるのも魅力
そして日常の機能ということでいうと、このスマートウォッチはGoogle Playストアからスマホのように各種のアプリをダウンロード可能。
Google系のアプリほか、SpotifyやAmazon Musicのような音楽アプリ、ランニング系のアプリなど、使い方に応じて各種のアプリを便利に使えます!
健康の機能をチェック
健康関連の機能も確認してみましょう。
今回のモデルでは、バイオアクティブセンサーが強化されて、健康管理の計測機能の正確性がより高くなっているそうです。
そして健康系の機能の一番の特徴にして、Apple Watchも未搭載の機能としては、体組成計の機能があること。
時計右側の2つのボタンに中指と薬指をタッチすることで、体脂肪量と体脂肪率、基礎代謝量など様々なデータが確認可能です。
この体組成計の機能があるスマートウォッチはGalaxy Watchのほかには数えるほどしかありません。
計測結果は、筆者の使っているタニタの体組成計と大きく違わないものでした。
手元の計測でこうした数値が分かるのはやはり凄いですよね。
また新しい機能としては「エナジースコア」という数値も確認が可能。
こちらは睡眠、アクティビティ(日々の活動量)、心拍数といったデータをもとに算出される数値で、数値は大きいほどコンディションがいい状態。
85を越えると「非常に良い」で、59を下回ると「注意が必要」の状態になります。
各要素ごとのスコアも表示されるので、健康を維持するうえで「運動が足りていないのか」「睡眠が足りていないのか」などを把握するうえで面白い機能だと思います。
睡眠計測のデータも非常に詳細
本モデルは睡眠計測のデータも非常に詳細。
睡眠中の血中酸素濃度も分かりますし、睡眠ステージごとの分類もしてくれます。
計測精度はかなり高いと感じました。
さらに本モデルは睡眠中の皮膚温度の測定やいびきの検出も可能。
いびきの検出をするには、いびきの検出を「常に」に設定して、スマホの下側(マイク側)を自分に向けて置いて寝る必要があるようです。
そのほか、ストレス計測などの機能もあるので、健康管理にスマートウォッチを使いたい人にも楽しいモデルだと思います。
終末糖化産物(AGEs)を手首からトラッキング
「Galaxy Watch7」には、終末糖化産物(AGEs)を手首から利便性高くトラッキングすることができる「AGEs 指数」 が初搭載されます。
AGE(Advanced Glycation End Products:終末糖化産物。読みはエージーイー。AGEsとも呼ばれる)というのは老化を促進させる原因物質として知られるもの。
AGEs は身体の生物学的な老化プロセスを反映するもので、代謝の状態を示す指標。
食事とライフスタイルから強い影響を受けるそうなので、この数字をチェックし続けていれば、アンチエイジングにもつながるかもしれません。
また、健康の機能に含まれるかは微妙ですが、転倒を検出して安全を守る機能などもGalaxy Watchには搭載されています。
運動の機能をチェック
ワークアウトなどの運動関連の機能も確認してみましょう。
本モデルでは100 種類以上のワークアウトを正確に記録でき、ランニング、ウォーキング、サイクリングなどは、スマートウォッチがワークアウトを自動で認識して記録してくれます。
この自動記録がかなり正確で、自転車で移動していると自動で計測が始まり、自転車を降りて座ったりすると、自動で計測が止まります。
この自動計測の精度は以前のモデルでも非常に高くてビックリしたのですが、今回の新作についてもApple Watchより上(つまり業界最高レベル)だと感じました。
日々の細々したワークアウトを計測するには最強のモデルだと思います。
ランニング中は上記のような画面でリアルタイムで各種指標を確認可能(スワイプすると表示項目が切り替わり、心拍ゾーンが見やすく表示されたりします)。
またランニング中には音声のガイダンスもあります。
計測できるデータも多く、運動メインで使いたい人にも非常にお勧めできるスマートウォッチだと感じました。
下記がランニングの計測結果の画面の一部です。
上記のようにランニング中の心拍ゾーンを分類してくれるほか、非対称性、接触時間、滞空時間、上下動など、高度な指標のチェックも可能。
運動能力の目安となる最大酸素摂取量も確認ができます。
そのほか心拍数の変化などはグラフ表示してくれますし、運動計測もやはりレベルが高いです
なお本モデルはGalaxy のスマートウォッチとしては初となる「デュアル周波数 GPS システム」を採用。
密集した都市環境でも、より正確に位置を追跡することができる……との触れ込みでしたが、実際に走ったルートはかなり正確に記録されている印象でした。
また目標を達成するための「ワークアウトルーチン」で、多様なエクササイズを組み合わせたルーチンを作ることができます。
まとめ
こんな形でしばらく使ってみました。
ザザッと各種機能を使ってみると、やはり「Androidで使えるスマートウォッチとしては最上級のモデルだな」という印象を持ちました。
デザイン性、画面の美しさ、日常の機能、健康関連の機能、運動関連の機能、どれをとってもハイレベルといえます。
ワークアウトの自動検知など、Apple Watchを上回っているポイントも複数あります。
普通に使った場合のバッテリーの持ち具合もApple Watchと同等に近くなっていますし、高性能なスマートウォッチがほしいAndroidユーザーにはイチオシの製品です!