ファッショナブルな製品ラインアップで知られるアメリカの時計メーカー『Fossil Group(フォッシル・グループ)』が自社スマートウォッチの最新モデルGen 6シリーズを大幅に値下げした価格で販売セールを行っています。
7月2日付でフォッシル・グループ公式ウェブサイトを見ると、Gen 6シリーズの全製品が$79(約12,179円)で販売されています。2021年に販売開始された当初の販売価格は$300程度でしたので、実に70%以上の値下げということになります。
スマートウォッチ撤退に伴う在庫一掃セール
もちろん、この大幅値下げには理由があります。フォッシル・グループがスマートウォッチ市場から撤退することを、テクノロジー専門ウェブサイト『The Verge』が今年の1月の段階ですでに報じているのです。
記事の中でフォッシル・グループの副社長兼執行責任者のジェフ・ボイヤー氏は次のように語っています。
「ここ数年、スマートウォッチ業界が大きく変化したことを受けて、当社はスマートウォッチ事業から撤退するという戦略的決定を下しました。当社の中核事業と、当社に引き続き大きな成長機会をもたらしてくれる事業に、経営資源を再分配するためです」
それから約半年が過ぎた現在、同社がいよいよスマートウォッチの在庫を処理しようとしていると見るべきでしょう。
Gen 6シリーズはフォッシル・グループ公式ウェブサイトには「Almost Gone」(間もなく売り切れ)と表示がありますが、まだアマゾンなどでは上記のセール価格より高い値段で取引されているようです。
フォッシル・グループはGen 6シリーズの製品サポートを「当分の間」は継続するとしていますが、それがどれだけの期間になるかは分かりません。また言うまでもないことですが、新たな機能のアップデートは期待できません。
ここからは消費者個人ごとの判断に委ねられることになります。上に挙げたリスクを承知のうえで、Googleのスマートウォッチ向けOS(Wear OS)を積んだ新品のスマートウォッチを廉価で手に入れるチャンスだと考えることもできるでしょう。現行の機能に満足している人も少なくはないはずですし、なかなかおしゃれな外見の製品が多いようです。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani