5月9日にリリースされた「Wear OS by Google」搭載の最新スマートウォッチ「TicWatch Pro 5 Enduro(ティックウォッチ プロ ファイブ エンデューロ)」。
TicWatchは、米グーグル社も出資するMobvoiが世界40以上の国と地域で展開するブランド。
日本では「コスパ最強のWear OSスマートウォッチのブランド」との呼び声も高く、幅広い人気を誇っています。
本記事では、その「TicWatch Pro 5 Enduro」を徹底レビューします。
なお本製品はブランド側から貸与を受けていますが、広告記事ではありませんので、感想は率直にお伝えします!
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TicWatch Pro 5 Enduro
¥49,999
前モデル「TicWatch Pro 5」に引きつづき、Snapdragon W5+ Gen 1ウェアラブルプラットフォームとWear OS by Googleを搭載した高性能モデル。
超低消費電力ディスプレイと高速充電テクノロジーを採用し、前モデルを超えるスマートモードで90時間のバッテリー駆動時間を実現しています。
ちなみにアウトドア向けスマートウォッチのパイオニア的ブランドのGarminにも「Enduro」というロングバッテリーのモデルがあるので、こちらの名前もGarminのモデルをバリバリ意識したものと思われます。
Android 8.0以降を搭載したスマートフォンに対応しており、Mobvoi 製「TicHealth」アプリを使ってペアリングできます。
主要な機能を一覧表でチェック
当サイトが使用しているスマートウォッチの主要機能表を使い、本モデルに搭載されている機能をチェックしてみました。
緑色の部分が搭載している機能で、色のない部分が未搭載の機能です。
見ての通り、スマートウォッチに一般的な機能は網羅的に搭載しています。
未搭載なのはSuicaの決済機能くらいです。
搭載機能をザザッと見ていくと、スマホの通知を受け取れたり、天気を見れたりといった日常の機能はもちろん搭載。
マイク&スピーカーも搭載しており、スマートウォッチから通話も可能です。
ただGoogleアシスタントは筆者が調べた範囲では利用できなそうでした(前モデルのTicWatch Pro 5 も使用不可でした)。
スマートウォッチで通話する機能
またSuicaは非対応ですが、Visaのタッチ決済は一部のカード会社が対応。対応するカードはこちらから確認できますが、まだ数は少なめです。
健康系の機能では睡眠計測、心拍計測、血中酸素濃度の計測といった基本機能のほか、睡眠計測のデータで体表温度の変化も計測されていることが分かりました。
運動の機能では運動能力の指標となるVO2MAX(最大酸素摂取量)を計測できるほか、気圧高度計も搭載。
搭載センサーは加速度センサー、ジャイロセンサー、 HD PPG心拍センサー、 SpO2センサー、皮膚温度センサー、低遅延オフボディセンサー、気圧計、コンパスと非常に多くなっています。
GPS(アメリカ)、GLONASS(ロシア)、Galileo(EU)、BeiDou(中国 )、QZSS(日本)の5つの衛星測位システムに対応しており、コンパスも搭載しているため、登山などのアウトドアのアクティビティでもガシガシ使えます。
そしてWear OS by Google搭載のため、スマホのような感覚で多種多様なアプリも追加可能で、登山地図を見れるアプリやランニング系のアプリも使用可能。
日常仕様で便利なのはもちろん、バッテリーの長さを武器に、運動やアウトドアのアクティビティでも幅広く使えるのが魅力と言えるでしょう。
バッテリーの持ち具合は?
みなさんが気になるであろう、バッテリーの持ち具合についても、公式発表のデータと、実際に使用したときの減り具合をお伝えします。
本モデルでは、前モデルに引き続き、発色が鮮やかなAMOLED(有機EL)ディスプレイの上に超低消費電力ディスプレイ(FSTN液晶)を採用。
その結果、前作よりもバッテリーの持続時間が向上し、「Wear OS by Google」を搭載したス マートウォッチとして業界最長レベルのバッテリー性能に。
スマートモードでは最大90時間、エッセンシャルモードでは 最大45日間持続するロングバッテリーが特徴です。
なお「エッセンシャルモード」というのは、本当に時刻だけを薄暗い液晶で表示するモードのため、日常でう買う機会はあまりないでしょう。
筆者が液晶を常時表示にしてガシガシ普段遣いした感じだと、バッテリーは1日で35%程度減る感じだったので、日常仕様では2.5日~3日程度……というのが実際のバッテリーの持ち具合かと思います。
「Wear OS by Google」搭載のGoogle Pixel Watchや、ほぼ同種のOSのGalaxy Watchなどは、バッテリーの持ちは1日弱~1日強といった形なので、これは確かにロングバッテリーといえそうです。
アウトドアでの使用で、GPS等の位置測位をONにしても1日バッチリ使えそうなので、外でも安心して使えますね!
いざ開封!
パッケージや同梱されているものも確認してみましょう。
パッケージはこのようなシンプルなもの。
シンプルなパッケージですが、5万円程度のモデルなだけあり高級感がしっかりあります。
同梱品は専用の充電ケーブルやクイックガイド(説明書)など。
専用の充電ケーブルは磁気式で、電源側はUSB-Type Aでした。
クイックガイドには基本的な操作法などが日本語で解説されたページもあるので、使いながら目を通してみることを推奨します。
見た目をチェック
見た目や素材もチェックしていきます。
ケースサイズは50.15mm × 48mm × 11.95mm。
Apple Watch Ultraが49mmのサイズなので、Ultraと同等の相当な大画面モデルといえます。
ケース素材にはステンレスやアルミニウムが使われています。
金属素材なので高級感・重厚感がしっかりある分、重量も44.7 gと重めです。
バンド込みの重量は75g程度でした。
ディスプレイ面はサファイアクリスタルガラスで、モース硬度尺度は9。
ダイヤモンド(※モース硬度尺度で10)に次ぐ硬さを持っているので、ぶつけたりこすったりするだけでは割れることがありません。
そして本モデルは、様々なアウトドアスポーツに耐えるように、アメリカ国防総省MIL規格「MIL-STD-810H」に準拠した高い耐熱性・耐衝撃性・耐水性・防塵性・防湿性を兼ね揃えています。
さらに5気圧防水(5ATM)なので、無く、アウトドア環境下で使用するスマートウォッチのディスプレー素材としては申し分ない耐久性があります。
またケース側面に回転式のクラウンとホームボタン(右上部分)も備えているのも特徴で、こちらは操作感の部分で詳しく解説します。
バンド材質はフッ素ゴム(フルオロエラストマー)で、汗や水濡れでも着用感が悪くならない凹凸加工が施されています。
着用感も密着感もよく、このあたりもやすもものスマートウォッチとはかなり違う印象を受けました。
操作感をチェック
操作感もチェックしていきます。
大画面モデルのため上下左右のスワイプやタッチでの操作も非常に軽快。
そして、前モデルTicWatch Pro 5から採用された回転式クラウンを回すことで、指1本でも、画面の切り替え、音量の調節、画面のズームイン・ズームアウトなどの様々なコントロールが可能です。
通知一覧を見たり、長いメールを読んだり、アプリ一覧から目当てのアプリを探したりするときは、このクラウンが便利です。
クラウンの形状をドーム型に変更することで、触感をよくし、よりスムーズになるように改良されており、前モデルよりも誤動作がしにくくなっているそうです。
日常の機能をチェック
日常で使う機能をチェックしていきます。
天気などのデータは大画面モデルなので非常に見やすいです。
タイマーなどのアプリの時間設定も、デジタルクラウンを回すことでスムーズに行えます。
また「Wear OS by Google」搭載のモデルのため、Googleカレンダーの予定やGmailも非常に見やすいのが特徴です。
タイマーなどの一般的なアプリも、大画面で見れるので非常に操作しやすいです。
分数を調整するときはデジタルクラウンを回して操作するのが便利です。
なおタイマーを作動中に別の画面に切り替えても、バックグラウンドで動作は可能。これは高性能なスマートウォッチならではです(安いモデルは別の画面に移るとタイマーが止まってしまいます…)
ウォッチフェイスはバリエーションが多いだけでなく、表示するアプリのカスタムの自由度が高いものが多いのも特徴。
好きなアプリをウォッチフェイス上に3つ、5つと表示できるものもあり、よく使うアプリを簡単に呼び出すことができます。
またウォッチフェイスのアプリを追加すれば、無料のもの・有料のものを含めて何千種類というウォッチフェイスを追加可能。
こうやってカスタムが自在に楽しめる点はWear OSのスマートウォッチならではで、ウォッチフェイスの充実度はApple Watchより上といえます。
またウォッチフェイスから左右にスワイプした画面(タイル)でも、心拍数やタイマー、メール、カレンダーなどを閲覧可能で、表示する順番もカスタム可能。
SpotifyやYouTube Musicなどの音楽アプリも、このタイル上に表示可能となっています。
こうした日常機能の呼び出しやすさはApple Watch並で、スマートウォッチの世界でも屈指のレベルといえます。
LINEやGmailは返信もできる!
なおGmailは全文読めるうえにキーボード入力や音声入力での返信もできます。
またLINEも内容を読めるだけでなく返信もできるのがポイント高いです!
手元でスタンプでサッと返信できるのは非常に便利だと感じました。
Visaのタッチ決済も使えました
VISAのタッチ決済は対応カードが少ないのがさみしいですが、コンビニなどの会計では使えるので便利。
筆者はソニー銀行のデビットカードを入れてみましたが、問題なく使えました。
Googleアシスタントが使えないのが難点ですが、日常での使いやすさはピカイチといえます。
健康の機能をチェック
健康関連の機能も確認してみましょう。
まず歩数や心拍数、血中酸素、睡眠などの健康系のデータは、スマートウォッチの画面上でも見ることができます。
大画面なので、各種データが非常に見やすいです。
スマホでこうしたデータを閲覧できるのが、スマートウォッチをペアリングする際にも使うMobvoi 製「TicHealth」アプリ。
こちらでストレス、健康目標などのデータも見ることができます。
たとえば睡眠計測の画面では、合計の睡眠時間ほか、レム睡眠、ノンレム睡眠などの睡眠ステージの割合、100点満点でのスコア表示、睡眠時の平均心拍数、呼吸数、皮膚温度の変化などを計測可能。
計測データの豊富さは非常にハイレベルと言えます。
血中酸素濃度の計測も安定感が高く、他のスマートウォッチと比べると正確性の高い数値が出ている印象を持ちました。
なお歩数や消費カロリーなどはGoogle系列のアプリでも見ることが可能で、データが重複してくるため、健康指標を見るアプリはどちらかに統一したほうが良いでしょう。
運動の機能をチェック
ワークアウトなどの運動関連の機能も確認してみましょう。
本モデルは110種類以上のワークアウトモードに対応。
GPS(アメリカ)、GLONASS(ロシア)、Galileo(EU)、BeiDou(中国 )、QZSS(日本)の5つの衛星測位システムに対応しているため、ランニングやウォーキングといった日常の運動だけでなく、キャンプや登山、釣り、ダイビング、オープンウォータースイミング など様々なアウトドアシーンで活躍するスマートウォッチてといえます。
ランニングの計測中の計測中の画面はこんな形。
持続時間のほかペース、走った距離などがリアルタイム表示され、画面をスワイプすると歩数、ケイデンス、消費カロリー、ラップタイム、獲得標高なども分かります。
表示が洗練されていて見やすいわけではないですが、見られる指標はメチャクチャ多いのは魅力です。
計測した詳細なデータはスマホでも見られます。
Vo2MAX(最大酸素摂取量)や回復に要する時間などの専門的なデータも閲覧が可能。
ケイデンスや歩幅などもグラフ表示してくれます。
なお、町中で走った場合は、記録された位置情報のルートが実際のルートとは少しズレ出ている場所もありました。
このあたりは、建物の少ないアウトドアの環境下では精度がまた変わってくるかもしれません。
ランニング系アプリや、登山地図アプリも追加可能!
このTicWatch Pro 5 Enduroは、Strava、adidas Running、Nike Run Clubなどの人気のフィットネス・ランニングアプリと連携可能。
元々のアプリの表示データ以外に、心拍数、ペース、速度、消費カロリー、コンパスの方位、標高などの情報も表示させることが可能です。
こうしたランニングアプリに慣れ親しんでいる人には、この点も魅力と言えるでしょう。
また山中でのアクティビティでは、 Wear OS by Google ヤマレコのアプリをインストール可能。
登山の最中にスマートフォンを持たなくてもTicWatch Pro 5 Enduroを付けて いれば、時間、心拍数、標高、距離などのデータを確認することができます。さらに現在地がわかる地図を表示することが 可能です。
日常&アウトドアの機能は業界随一!
こんな形でしばらく使ってみました。
使ってみて感じたのは、日常機能の充実度の凄さ。
ウォッチフェイスやタイルから、よく使う機能に素早くアクセス可能で、なおかつGoogle Playストアから好きなアプリを追加可能なので、日常での使い勝手は非常に良いと感じました。
また気圧高度計やコンパスを使用可能で、なおかつヤマレコの登山地図も表示可能なので、アウトドアでも大活躍しそうです(ロングバッテリーな点も魅力です)。
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