Google自らが手掛けたスマートウォッチとして2022年に発表されたGoogle Pixel Watch。
そして2023年に発表されたのが、その第2世代モデルとなるGoogle Pixel Watch 2です。
Google Pixel Watch 2はAndroid向けスマートウォッチの最高峰モデルといえますが、Android陣営のスマートウォッチにはGalaxy Watch6というモデルもあります。
両モデルを比較すると、どちらのほうが優れた性能を持っているのでしょうか。
そこで今回はGalaxy Watch6とGoogle Pixel Watch 2の比較レビューをお届けします。
なおGoogle Pixel Watch 2の使用レビュー、Google Pixel Watch 2の使用レビューは別の記事がありますので、下のリンクや本記事の末尾にリンクからチェックを。
【各モデルの使用レビュー】
Google Pixel Watch 2使用レビュー。Google本家が手掛けるAndroid向けスマートウォッチの高性能モデル
Galaxy watch 6使用レビュー。現時点ではAndroid向けスマートウォッチの最強モデル!
レビューするモデルはこちら!
Google Pixel Watch 2
¥51,800(Bluetooth/Wi-Fiモデル)
Galaxy Watch6
40mm グラファイト
50160円
なお今回のレビューではブランド側からお借りした製品を使用していますが、広告記事ではありませんので率直に感想をお伝えいたします!
また動画でも比較レビューを行っていますので、操作感などはそちらでもチェックを!
主要な搭載機能を比較
まずは両モデルが、スマートウォッチの一般的な機能をどれくらい搭載しているかをチェックしてみます(編集部調べのデータです)。
緑色の部分が搭載されている機能になります。
見ての通り、どちらのモデルも一般的なスマートウォッチに搭載されている機能はほぼ全て搭載しています。
・Suicaを含めて複数の決済機能に対応していること
・マイク&スピーカーを搭載していて、音声入力(Googleアシスタント)を利用できること
・Google Playのストアを通じてスマホのように多くのアプリを追加できること
などは高性能モデルの証といえます。
Galaxy Watchは以前はSuicaが非対応だったのですが、今回のモデル発売と同時にSuica対応がスタート。
スペック全般でのPixel Watchとの差はなくなりました。
そのほか両モデルとも気圧・高度計や皮膚温センサー、GPS等の位置測位システムなども搭載していて、センサー類を見ても非常に高性能なモデルだと分かります。
この表では最大酸素摂取量(Vo2MAX)の計測がGalaxy Watchはできて、Pixel Watchの純正アプリではできない……という点のみが違いですが、より細かく見ていくと両モデルには色々な違いがあるので、以下でレポートしていきます。
価格について
最安のモデルはPixel Watchが51,800円(Bluetooth/Wi-Fiモデル)。
一方のGalaxy Watch 6は50,160円(40mmモデル)~となっています。
最安の価格では両者に差はないと言えますね!
一方でGalaxy Watch 6には素材が高品質なステンレス(通常モデルはアルミ)で、サイズも大きいGalaxy Watch 6 Classicというシリーズもあり、こちらの価格は66,960円~。
以下で詳しく記載するように、Galaxy Watch 6はモデルのバリエーションが豊富なのも魅力です。
サイズやカラバリについて
サイズやカラーなどのバリエーションは、Galaxy Watch 6のほうが豊富です。
Pixel Watch 2のカラーバリエーションは以下の形。
分かりやすく書くと、ケースのカラーはブラック、シルバー、ゴールドの3色があり、シルバーのみバンドのカラーが2タイプ用意されています。
・マットブラック アルミケース/ Obsidian アクティブバンド
・ポリッシュド・シルバー アルミケース/ Bay アクティブバンド
・ポリッシュド・シルバー アルミケース/ Porcelain アクティブバンド
・シャンパン・ゴールド アルミケース/ Hazel アクティブバンド
なおサイズは41mm一択のみで、ほかの選択肢はありません。
41mmというサイズは、スマートウォッチとしては小ぶり。
見た目はスマートな一方で、操作性や視認性はより大画面のモデルのほうが上になります。
一方のGalaxy Watch 6シリーズには
・Galaxy Watch6の40mmモデルと44mmモデル
・Galaxy Watch6 Classicの43mmモデルと47mmモデル
が用意されています。
上の写真中央2点が「Galaxy Watch6 Classic」で、両サイドが「Galaxy Watch6」です。
カラーはGalaxy watch 6の40mmモデルが「ゴールド」と「グラファイト(黒系のカラー)」、44mmモデルが「シルバー」と「グラファイト」、Galaxy Watch6 Classicは「ブラック」「シルバー」を用意。
Galaxy Watch6 Classicのほうが、サイズ的にもカラー的にも男性向けモデルという印象ですね。
Galaxy Watch 6は小ぶりな40mmサイズも大きめの44mmサイズもあるため、男女ともオシャレに使えるモデルといえそうです。
では以下では、Galaxy Watch6とGoogle Pixel Watch細かな機能の違いをチェックしながら、それぞれが優位な部分を解説していきます。
Galaxy Watch 6が優位な機能
体組成計の機能がある
Galaxy Watch6のほうが勝っている機能として分かりやすいのは、体組成計の機能。
こちらはGalaxy Watchシリーズでは前モデルから引き続き搭載されていますが、Pixel Watchには未搭載です。
この体組成計の機能では、時計右側の2つのボタンに中指と薬指をタッチすることで、体脂肪量と体脂肪率、基礎代謝量など様々なデータが確認可能です。
計測結果は、筆者の使っているタニタの体組成計と大きく違わないものでした。
手元の計測でこうした数値が分かるのはやはり凄く、なおかつ以前のモデルより計測にかかる時間も短くなった印象がありました!
血中酸素濃度の測定機能
また血中酸素濃度の測定機能もGalaxy Watchのほうが優れているといえそうです。
Galaxy Watch 6は血中酸素濃度の測定が可能で、スマートウォッチの画面上でも、スマホのアプリ上でも、推移のデータを確認可能。
一方のPixel Watchは血中酸素濃度の推移は睡眠計測の測定結果などに表示されるものの、単独での表示は時計上でもスマホのアプリ上でも見当たりませんでした。
筆者の調査不足かもしれませんが、ネット上でも同じ感想を述べているユーザーの方が複数いたので、血中酸素濃度を単独で細かく見られる機能はないのかもしれません……。
この点でもGalaxy Watch 6が勝っているといえるでしょう。
ただ、Galaxy Watch 6も血中酸素濃度の測定精度は決して高いわけではないので、参考程度に見る数値だと考えておきましょう。
バッテリーの持続時間
Galaxy Watch 6のほうがバッテリーの持続時間は長いと感じました。
Galaxy Watch6は「1回のフル充電で最大40時間使用可能」と公式サイトでは発表されていますが、その時間は使用状況により大幅に変わります。
筆者が画面を常時表示にする設定で使った場合は、夜に100%まで充電→睡眠計測もした上で翌日も引き続き使用……という使い方で、18時頃にはバッテリー切れが近くなり、省電力モードにする形となりました。
つまり、バッテリーを食う設定にすると、1日持つか持たないか……という感じだったわけです。
ただし、常時表示をオフにした場合は1日問題なくバッテリーが持ちました。
公式発表の40時間まではいかなくとも、30時間以上は持ちそうな雰囲気ですね。
また常時表示にした場合も、夜の睡眠計測時に「就寝モード」に設定すると、寝ている間は画面がオフになるため、問題なく24時間使うことができました。
一方のPixel Watch 2は「常に表示状態のディスプレイで 24 時間使用可能」というのが公式の表記です。
ただ実際のところは、Pixel Watch 2は夜に充電して睡眠計測も行うと、24時間持たずにバッテリーが切れそうになることが何度かありました。
特に100%まで充電できず、80%くらいで充電を終えてしまったときは、バッテリー切れが多く起こる印象でした。
両モデルともバッテリーの持続には課題がありましたが、まだGalaxy Watchのほうが良い……というのが筆者の感想です。
睡眠モードなどの設定の細かさ
上記のバッテリーの持ち具合と関連して、睡眠モードなどの設定の細かさもGalaxy Watchが上だと感じました。
この睡眠モードは、寝ている間に画面が常時光ったり、手首を動かすたびに画面がオンになったりすることを防ぐモード。
快適に眠れるうえに、バッテリーの節約にも役立ちます。
Galaxy Watchは、「予定時刻にオン」という設定があり、入眠・起床時間に合わせて自動でオンになる時間、自動でオフになる時間を設定することが可能。
手動で睡眠モードのオンオフを切り替える必要もないので便利です。
一方のPixel Watchは、睡眠モードはあるものの、スケジュール設定はできませんでした。
寝る前に手動でオンにして、朝起きてからまたオフにするのは多少の手間がかかります。
また、このモードをオンにしたときも、Pixel Watchはバッテリーの減り具合がさほど変わらない点も気になりました。
運動系の機能
運動計測の機能もGalaxy Watchのほうが上だと感じる部分がありました。
まずはランニング、ウォーキング、サイクリングなどの自動計測について。
自動計測機能は両モデルにありますが、Galaxy Watchはこの記録がかなり正確。
自転車で移動していると自動で計測が始まり、自転車を降りて座ったりすると、自動で計測が止まります。
この自動計測の精度はApple Watch以上で、スマートウォッチ業界で最高峰のレベルだと感じます。
また上記のようにランニングの計測結果もGalaxy Watchは非常に詳細。
中の心拍ゾーンを分類してくれるほか、非対称性、接触時間、滞空時間、上下動など、高度な指標のチェックも可能。
運動能力の目安となる最大酸素摂取量も確認ができます。
Pixel Watchの計測結果はもう少し簡易的なものなので、この点も差を感じました。
Google Pixel Watchが優位な機能
デジタルクラウンを使った操作感
ではPixel Watchのほうが優れている機能は何かというと、一つはデジタルクラウンを使った操作感。
このディスプレイ右側に見えるボタンはクルクルと回転することが可能で、回転により画面の拡大縮小や上下の移動ができます。
Apple Watchにも搭載されている仕組みですが、この操作は非常に便利です。
一方のGalaxy Watchにはこのようなボタンは存在しません。
通常モデルでは画面の周辺部分をなぞるように動かすことで、Classicモデルではベゼルを回すことで似たような動作はできるのですが、物理ボタンのあるPixel Watchのほうが操作は便利だといえるでしょう。
GoogleアプリやGoogleデバイスとの相性のよさ
Pixel WatchもGalaxy WatchもGoogleのOS(Wear OS by Google)を積んでいるので、Googleアプリは便利に使えますが、やはりGoogle本家が手掛けたPixel Watchはプリセットされているものが多く、使い勝手は良いと感じました。
Googleカレンダー、Gmail、Googleマップなどのアプリは、左右のスワイプで表示する「タイル」に簡単に設定可能で、メールやカレンダーの予定も見やすいです。
Googleのスマートデバイスとの連携なども、非常に便利に行なえます。
なのでGoogle関係のサービスやデバイスを愛用している人には、Pixel Watchを使うと便利に感じる場面は多いでしょう。
どちらも優秀な機能
……と色々な点を比較してきましたが、「どちらも甲乙つけがたく凄いな!」という機能もやはり多いです。
・高精細で非常に美しいディスプレイ表示
・軽さと着用感の良さ(どちらもApple Watchより良いです!)
・ウォッチフェイス上に複数のアプリや指標を表示可能で、ワンタップでジャンプが可能
・Googleアシスタントの音声入力が便利
・LINEの閲覧のみならず、返信まで行える
・転倒検出の機能がある
などなどは、両モデルに共通する素晴らしさです。
ただ、上に挙げた「優れている項目」がGalaxy Watchのほうが多かったことからも分かるように、現時点ではGalaxy Watchのほうがスマートウォッチとしての完成度は高いと感じました。
このあたりは、Pixel Watchがまだシリーズ発売から2年目と歴史が浅いこととも関係しているでしょうし、来年のモデルではPixel Watchが買っているポイントが増えていることもあるでしょう。
いずれにせよ、両モデルとも高性能なスマートウォッチであることには変わらないので、どちらもモデルも筆者はオススメです!
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●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者6000人程度)でも各種レビューを行っています!
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