心身のバランスを整えるためのスマートウォッチ「Amazfit Balance」
次々に個性的かつハイコストパフォーマンス新モデルを発表し、スマートウォッチメーカーとして知名度も信頼感も大きくなっているAmazfit。
そのAmazfitが最新OSを搭載した新しいフラッグシップモデルを発売しました。
それが「Amazfit Balance」です。
心とからだのバランスをとって、快適な生活を送るためのスマートウォッチ。
他のメーカーのスマートウォッチとは一線を画した「Amazfit Balance」をスマートウォッチライフ編集部で入手しましたので、今回はそのレビューをお届けします。
フラッグシップモデル「Amazfit Balance」の実力
今までのAmazfitのフラッグシップモデルは「Amazfit GTR4」でしたが、「Amazfit Balance」との比較をしてみます。
まずハード面として、画面が大きくなりました。
ディスプレイサイズは「Balance」が1.50インチ、「GTR4」が1.43インチです。
解像度は「Balance」が480x480px、「GTR4」が466x466pxとこちらも新モデルの方が高くなっています。
ただし、ケースのサイズは同じで、ベゼル径47mm、厚み10.3mmというのは変わりません。
ベゼルのフチいっぱいまで画面表示できるようになって、さらに見やすくなっています。
明るさは「Balance」が最大輝度1,500nit、「GTR4」が1,000nitとこちらは大きく数値がアップしています。
ソフトウェアとしては、新モデルから「Zepp OS 3.0」が搭載されました。
後述する「レディネス」という新しい指標が追加され、また体脂肪や筋肉量を測定できる体組成計の機能も搭載されています。
エクササイズの機能やGPSの機能などは数あるスマートウォッチメーカーの中でも最高レベルの品質と機能を備えており、足りないものとしてはSuicaなどの決済機能だけかもしれません。
「Amazfit Balance」の開封から外観チェックまで
それでは実際に「Amazfit Balance」を使用してみます。
まずは外箱ですが、ここに関しては今までと大きく変わらずで、上品なデザインです。
箱を開けるとまず目に飛び込んでくるのが、「Amazfit Balance」のコンセプトシート。
「Amazfit Balance」の特徴である
Take 3 deep breaths
Drink water
Workout – walk, stretch, run
Do something active
Remember why you started
Be grateful
という文字が。
3つの深呼吸をして、水を飲み、ウォーキングなどのワークアウトをする。
何かアクティブなことをしよう!
それをなぜ始めたのかを思い出す。
そして感謝する。
・・・・というような意味でしょうか。
このスマートウォッチに通底する「マインドフルネス」についてのことが書かれているようで「Amazfit Balance ワールド」に引き込んでくるようなシートです。
内容物としてはスマートウォッチ本体と専用充電ケーブル、説明書などで、こちらも特別変わったものではありません。
まずは正面からAmazfit Balance を見てみると、やっぱり画面がかなり大きく感じます。
ベゼルカラーは「ミッドナイト」と「サンセットグレー」の2色展開で、ミッドナイトにはブラックのシリコンバンドがセットになっていて、サンセットグレーにはファブリックバンドがセットになっています。
どちらのカラーもつや消しのメタルでやっぱり落ち着いた高級感があります。
右サイドにデジタルクラウンと物理ボタンが1つ。
ベゼルとバンドの接合部分はぴったりとフィットしています。
左サイドにはボタンはなく、デザイン上の突起があります。
細部にこだわったデザイン性を感じます。
スピーカー、マイクもついていて、Bluetoothを使っての電話通話やAxelaを使用して双方向の操作ができます。
裏蓋には今までのモデルとは違ったセンサー類が確認できます。
体組成計のための電極やLEDセンサーがあります。
Zepp OS 3.0になって、おそらく内部構造にも変化があるのか充電の電極の位置も少し変わっています。
専用の充電器をセットするとこんな感じになります。
ちなみにバッテリーの持ちはかなり優れていて、3〜4日かなり激しく使ってもまだまだバッテリー残量はありました。
常時表示などをさせても、これくらいバッテリーの持ちがあれば安心だなと思えます。
シリコンバンドは柔らかくしなやかで、腕にしっかりフィットします。
硬めのバンドが好きな人もいるでしょうが、私はこれくらいの柔らかさの方がしっかりとしたフィット感があって好みです。
バックルはチタンっぽい金属で、軽くて頑丈そう。
時計全体としての印象は、しっとりとした上品さを感じます。
シリコンバンドをビジネス時に使うのが抵抗がある方もいるかもしれませんが、ウォッチフェイス次第では十分にビジネス使いができる外観だなと感じました。
スマートフォンアプリのZeppを使用して、ペアリングを進めていきます。
ウォッチフェイス
あまり多くは紹介しませんが、ウォッチフェイスはとても多彩です。
デフォルトのシンプルな三針のアナログのウォッチフェイスが結局のところ一番上品かもしれません。
解像度が高いので、小さな「READINESS」の文字もはっきりと見えます。
また、常時表示をオンにした場合の「オフ時」のウォッチフェイスが「オン時」とほどんど変わらず、それでいて消費電力を極力抑えたデザインになっています。
これならバッテリー残量を気にせず、常時表示にしたほうがよさそう。
他にもいくつもウォッチフェイスがありますが、コンパス機能がついた文字盤がこちら。
細かい字がキレイに見えるのがいいですね。
こちらの「オフ時」はこんな感じになります。
プリインストールのもので8種類、スマートフォンアプリから追加しようとすれば200種類ほどのウォッチフェイスが楽しめます。
やっぱりアナログ文字盤がおすすめでしょうか。
「Amazfit Balance」を実際に使用した感想
ここからは「Amazfit Balance」のいくつかのアプリケーションを使った感想をレポートします。
デフォルトではアプリ一覧はアップルウォッチのようにアイコン表示されています。
感覚でどんなアプリか分かるのでこのままでもいいですが、より使いやすさを求めるなら「設定」から「リスト表示」にしてもいいかもしれません。
レディネス
まずはこの「Amazfit Balance」の最も特徴的な機能の「レディネス」。
こちらは今までのシリーズでは「ボディバッテリー」といったものが使われていました。
ボディバッテリーは1日の中で数値がどんどん変化していきますが、「レディネス」は睡眠を最も大きな軸にした指標で「1日の始まりのときにどれだけの準備がされているか」といったような数値で、その日1日変化することはありません。
ただ、「なぜそのレディネスの数値なのか」を判定する要因がしっかりと表示されていて、逆に言うとどうすればレディネスの数値を上げられるのかがわかりそうです。
具体的には「睡眠をしっかり取ること」「呼吸の質を高めて身体の回復を図り、ストレスを取り除くこと」といったところなのだろうと思われます。
スマートウォッチ本体からだけでなく、スマートフォンアプリでも確認することができ、過去のものももちろん確認できるので、ある程度長いスパンで健康を保つための試みができそうです。
呼吸
「レディネス」が心とからだのバランスを「知ること」ができるアプリケーションだとすると、心とからだのバランスを「保つ」ためのアプリケーションの一つが「呼吸」でしょう。
呼吸のアプリはアップルウォッチをはじめ、ほとんどどのスマートウォッチにも搭載されていますが、「Amazfit Balance」で特筆すべきなのは「目的に合わせた3種類の呼吸法」を備えているところでしょう。
●集中のための呼吸
精神を整えて、大切な事柄に挑んでいくときなどに、私たちは呼吸を整えようとします。
「Amazfit Balance」ではそのような「集中のための呼吸の整え方」を手助けしてくれます。
「心を解放し、自分自身に集中して呼吸を感じます。」というメッセージがでて、覚醒しながら集中して規定時間呼吸を続けます。
これから大切なチャレンジに挑むときなどは、この「集中の呼吸」を試してみるといいでしょう。
●リラックスのための呼吸
集中するために呼吸を整えることもあれば、集中を解いてリラックスするために深呼吸することもあるでしょう。
そのような時は「リラックスの呼吸」を試してみるといいでしょう。
「呼吸と鼻を通る空気や、体の起伏を感じます」というメッセージと共に少し長めの深呼吸をしていきます。
「体の起伏を感じる」というのが少しスピリチュアルな感じを受けますが、集中から解き放たれてリラックスするために効果がありそうです。
●睡眠のための呼吸
リラックスの呼吸と似ているとは思いますが、睡眠時の呼吸がしっかりできていると、質の高い睡眠ができそうです。
「睡眠時の呼吸」は「息を吸う」→「息を止める」→「息を吐く」を意識的に行うのが大切なようです。
息を止めるのも1〜2秒ではなく、7〜8秒と少し長く意識的に止めることが効果的なようです。
メディテーション
「呼吸」と似た部分が大いにあると思いますが、「Amazfit Balance」には「メディテーション」というアプリケーションも搭載されています。
ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズも実践する「メディテーション(瞑想)」。
慣れていないと、10分間頭を空っぽにするというのはかなり難しいのですが、「Amazfit Balance」の助けがあれば、やりやすいかもしれません。
もう少し短い時間から試してみてもいいかもしれませんね。
アプリケーションをスタートさせると
Take a moment and pause for a moment.
〜少しの間立ち止まりましょう。〜
という文字が出た後に、毎回違うメッセージが表示されます。
Everything in the world is momentarily forgotten, and the earth we inhabit is but a point in the universe.
〜世の中のすべてが一瞬忘れ去られ〜
〜私たちが住んでいる地球は宇宙の一点にすぎない。〜
今回出てきたメッセージはなかなかスピリチュアルなものですが、宇宙を意識し、全てを忘れる、というような時間を持つことでストレスフルな生活が一度リセットされる感覚があるかもしれません。
少し長いスパンで「メディテーション(瞑想)」にトライしてみるのもいいかなと思いました。
体組成計
心の健康を「呼吸」や「メディテーション」で手に入れたら、次は体の健康チェックが必要かもしれません。
高価な体重計などに付いている「体組成計」の機能がこの「Amazfit Balance」には備わっています。
左腕の裏蓋部分にある電極と、サイドボタンにあるもう一方の電極に右手の中指・薬指を触れることで、体に微弱な電流が流れて身体の要素(筋肉量や脂肪量、水分量など)をスキャンする機能です。
フィットビットなど一部のスマートウォッチにしか搭載されていない体組成計が装備されているのがこの「Amazfit Balance」の大きな特徴でしょう。
文字盤に表示されるメッセージに従って10秒ほど体をスキャンさせると数値が現れます。
もっとも、その数値が信頼のおけるものかというと・・・・少し微妙ですね。
私は体脂肪は間違っても5.4%のような少ない値ではなく、おそらくどんなに少なくても16〜7%はあるはずです。
こちらは、自分の身体の変化を見るのに使っていく、、くらいがいいのだろうと思われます。
体表温
体組成計では筋肉量や脂肪量などの変化を確認しますが、毎日の体温の変化も「体表温」をチェックすることによって異常を察しt¥することができそうです。
体表温は「体温」とは少し別物の値ですが、それでも毎日の変化を確認するにはいい指標になるでしょう。
ワンタップ測定
その他、いろんなスマートウォッチに「SPO2」を測定できたり「1分あたりの呼吸数」を測定したり「1分あたりの心拍数」を測定したりすることができます。
もちろん「Amazfit Balance」にもそれらの測定を行う機能があり、しかもそれをワンタップで行うことができます。
これらも自分の身体のバランスが保たれているかを知る、簡単で効果的な方法です。
睡眠
睡眠は心とからだのバランスを保つのに最も大切な要素かもしれません。
「Amazfit Balance」の睡眠計測はZepp OS 3.0になって、より正確に把握できるようになっているようです。
安静時心拍数(RHR・睡眠中の1分あたりの心拍数)
睡眠時の心拍変動(HRV・拍動のばらつき、睡眠時の落ち着き)
を把握できることによって本当に質の高い睡眠が取れているかを知ることができます。
バッテリー切れの心配の少ない「Amazfit Balance」ですから、睡眠時も腕から外すことなく(むしろ睡眠時にこそつけるべきかもしれません)、睡眠の計測をするのが大切でしょう。
エクササイズ
ここまで、生活のリズムやマインドフルネスなど「こころ」を健康にするような機能の紹介をしましたが、もちろん身体的な健康、そして体力向上のためのサポートはAmazfitの最も得意とするところです。
さらに高精度になったGPSを使用してランニングをすれば、正しく自分の体力や運動能力を分析することができるでしょう。
「Zepp Coach」に任せてしまえば日々のパフォーマンスに基づいて、トレーニングスケジュールを週ごとに調整してくれます。
また、オーバートレーニングを避けるための休息や、適切なトレーニングのステップアップまで提案してくれます。
また、「Amazfit Balance」にはたくさんのスポーツモードがあり、その中には「ゴルフスイング」が追加されました。
他のスポーツモードのように、ただ単に消費カロリーを測定してくれるだけでなく、スイングのテンポを計測したり、スイングの回数を計測してくれます。
ゴルフ専用スマートウォッチにしか付いていないような機能が搭載されているのも、さすがフラッグシップモデルだと思わせてくれます。
もっとも、まとめ表示にある「平均テンポ」が「3」と記載されていて小数点以下が四捨五入されているのはちょっといただけないですね。
スイングテンポは「3.0」が理想的な数値のようで、3.5だったり2.6だったりするのはあまり良くないとされているようですが、この小数点以下を落とされてしまうとあまり意味がないんですよね。。
スイング数と消費カロリーが出るだけでも良しとすべきなのでしょうが。
アプリの追加
その他の機能としては、アプリの追加もできるのがAmazfitの優れているところでしょう。
しかもその追加アプリがどんどん増えていっている印象です。
気になるアプリを無料でインストールできるので、とてもお得な印象です。
いかがでしたでしょうか。
個人的な印象としては、ギャラクシーやアップルウォッチ、ピクセルウォッチあたりのオールマイティーなスマートウォッチと十分対等に勝負できる製品に仕上がったように感じます。
価格は税込で41,900円と、Amazfitにしては高額な部類だと思いますが、こちらは円高の影響で仕方のない値段設定なのでしょう。
むしろこの機能がついて4万円というのは十分なハイコストパフォーマンスと言っていいと思います。
「なぜスマートウォッチをつけるのか」といえば、多くの人は「健康を手に入れたいから」と言うのではないでしょうか。
だとしたら、このスマートウォッチはその理想に一番近いものなのかもしれません。
●ライター 杉本陽介
スポーツ好きアラフィフ男子。常にスマートウォッチを両腕に着け、1日12,000歩を目標にしている。
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