アップル社が来年にはApple Watchで健康に関連した複数の新機能と有料サービスを追加する予定だと、米国大手総合ニュースウェブサイト『ブルームバーグ』が報じました(*1)。
開発に携わっている情報ソースによれば、というスクープ記事です。早速、CNBCなど他の大手メディアも続々と追いかけ記事を掲載しています。
*1. Apple Watch Plans Hypertension, Sleep Apnea Detection, Other Health Updates – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-11-01/apple-plans-hypertension-sleep-apnea-detection-for-next-watch
それによりますと、アップル社が来年にApple Watch上で実現すると予想される主な機能は以下の2つです。
●血圧の上昇を検知するセンサー
●睡眠時無呼吸症候群を検出するシステム
その他にも、Apple Watchからのデータをもとにして、運動や食事などのプランを個別に提供する有料サービス(ヘルス・コーチ)や、ワイヤレスイヤホン「AirPods」を補聴器として使う機能を開発中とのことです。
拡大するウェアラブル機器の健康関連事業
これらは必ずしも業界最先端の技術というわけではありませんし、それらをアップル社が開発していることは未知のニュースであったわけでもありません。
「血圧センサー」はユーザーの血圧が上昇していることを検知しますが、その正確な数値を測定するわけではありません。つまり、血圧計の代わりになるものではなく、将来的にはそれを可能にするべく開発中、とのことです。
そもそもアップル社はずっと以前からApple Watch上で血圧を測定する機能を開発していると噂されてきました。血圧計を製造するオムロン社との連携も2018年の段階ですでに報じられていました(*2)。
*2. ‘Hey, Alexa! How’s my blood pressure?’
https://www.cnbc.com/2018/12/11/amazon-teams-up-with-omron-to-let-alexa-monitor-blood-pressure.html
睡眠時無呼吸症候群を検知するシステムにしても、なぜ今までApple Watchで実現できていなかったがむしろ不思議な機能です。
睡眠パターンと心拍数はこれまでにも測定できていたわけですので。たとえば、サムソン社のGalaxy Watch 6はすでにその機能を装備しています。
2021年9月に掲載した以下の記事中にも血圧の変動と無呼吸を検知する機能が含まれていました。
関連記事:「来年以降のApple Watchは健康関連機能がさらに充実」と米国『The Wall Street Journal』が報道。体温測定機能で発熱の検知も?
血糖値モニターや体温測定など、Apple Watchに期待され、また噂されている機能は他にもいくつかあります。
今回のスクープはアップル社が健康関連事業に引き続き取り組んでいることを再確認しました。他社との競合もそのトレンドを後押しするでしょう。健康に関心があるユーザーにとっては喜ばしい状況ではないでしょうか。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani
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