ここ数年、アメリカでは物価高騰が大きな話題になっています。
最近はやや落ち着いてきた気配も感じられますが、それでもアメリカでラーメンを食べたら4000円以上になったなどといった話題はよく日本のメディアでも報じられていますので、見聞きした人は多いでしょう。
しかし、そうしたインフレの猛威はアメリカのティーンたちの消費活動にはさほど影響を与えていないようです。
彼らが1年間で使う金額は前年からさほど変わらず、そしてスマートフォンではiPhone、スマートウォッチではApple Watchが、それぞれの分野で圧倒的な人気トップ商品の位置を維持している。そんなレポート(*1)が発表されました。
*1. Taking Stock With Teens.
https://www.pipersandler.com/teens
ほぼ変化がないアメリカのティーンたちの消費活動
投資銀行大手の『Piper Sandler』社が半年ごとに発表しているこのレポートの最新版では全米49の州から9,193人のティーンエイジャーたちから得たデータを集計したものです。回答者の平均年齢は15.7歳だということです。
その主な内容は以下の通り。
●ティーンたちが「自己申告」した年間あたりの平均消費額は$2,316(約34万6000円)。これは前年比1%ダウンとのこと。
●アルバイトをしているティーンは全体の37%。
●87%がiPhoneを所有し、88%が次のスマホもiPhoneを予定している。
●34%がApple Watchを所有している。
●支払いアプリではApple Payの使用率が42%でトップのシェア。
アメリカのティーンたちの間ではアップル・ブランドの人気が他を圧倒していることが分かります。
昭和の日本人とアメリカのZ世代にはジェネレーションギャップはあるか
私はたまたまアメリカで高校の部活動指導者という仕事をしていますので、このレポートの対象になったティーンたちと日常的に接する機会は一般の人に比べるとはるかに多いでしょう。
その私の目から見ても、このレポートはほぼ実情に近いような気がします。年齢が40歳以上離れた私と彼らの持ち物はあまり変わりがないのです。
ただ、SNSの世界では少し世代差があります。
私が使うフェイスブックやX(旧ツイッター)で彼らと交差することはあまりありません。レポートによると、ティーンたちのSNS プラットフォームで1番人気はTikTokです。スナップが2番、インスタグラムが3番と続くのだそうです。
道理でネットでは生徒たちとあまり繋がらないわけです。多分それはお互いにとって良いことなのでしょう。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani