アクティブトラッカー界の大物とドンキは戦えるか?
スペックとハードを比べてみた。
ドンキオリジナルはまさに驚安価格
大型量販店「ドン・キホーテ」のオリジナルブランド『ACTIVE GEAR』のアクティブトラッカー「LIFE LOGGER」が密かに話題を集めている。最大のウリはもちろんロープライス。心拍センサー付きで3980円、なしで2980円と「驚安の殿堂」と名乗るだけはある。一方、『Fitbit』はアクティブトラッカーのトップランナーであり、この手の商品を購入したいなら、必ず候補に入れるべきブランドだ。すべてに大満足とはいかないまでも、使い始めればなんらかのメリットをもたらしてくれるほどの信頼性はある。
商品の常として、アクティブトラッカーにおいてもコモディティ化は避けられない。「ドン・キホーテ」のオリジナルはまさに、そんな一品だ。果たして安かろう悪かろうなのか、それとも定価2万1470円近くする『Fitbit』を脅かす存在なのか、実際に使ってみて検証してみよう。
まずは外観やハード面を中心とした比較から
高級感あふれる「Charge3」
ハードの作りはコストに比例するため、「LIFELOGGER」に勝ち目はない。「CHARGE3」のケースは高級感あふれるアルミニウムを採用し、非常に美しい。そしてディスプレイにはタフなコーニング ゴリラガラス3を採用している。「LIFELOGGER」のプラスチック風防とケースは、「CHARGE3」と並べてみるとかなりチープなのは否めない。一方で充電方法は「LIFELOGGER」の便利さが際立つ。本体はUSB端子一体型で、端子はバンドの中に収納されている。充電の必要があるときは、バンドを本体から外し、PC等に挿すだけでいい。「CHARGE3」はクリップ型の専用充電器を使う必要がある。
「LIFELOGGER」の装着感は意外にも快適
『ACTIVE GEAR』「LIFE LOGGER」は歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠時間など、一通りのアクティビティをアプリに記録でき、上位モデルを選べば、心拍がこれに加わる。日々の活動量だけを記録するだけならこれで十分と考える人も多いはずだ。実際に腕に着けてみると重量は約18gと実に軽く、着けていることを忘れてしまう。「CHARGE3」は編集部調べで29gと「LIFELOGGER」より10g以上重いが、そのために購入を躊躇するほどの差ではない。問題は縦横比で、縦長でバンドも細い「LIFELOGGER」の方が、肌に触れる面積が少なく明らかに装着感は軽快だ。ただし、バンドの留め具は、流石に「CHARGE3」の方がコストがかかっている。通常の腕時計でよく使われる尾錠式を採用し、プッシュ式の「LIFELOGGER」に比べて着脱に手間はかかるものの、その分しっかりと固定される。「LIFELOGGER」は、衣服の袖などに引っかけ危うく落ちそうになりヒヤッとさせられることが何度かあった。
操作感は誘導ボタンを持つ「CHARGE3」の圧勝
ディスプレイが広い分、情報量は「CHARGE3」の方が多い。とはいえ、両機とも単色の有機OLEDで、解像度もそれほど高くないため、必要十分だが決して美しい画面とは言えない。また、タッチパネルの反応は、タッチからワンテンポ遅れる印象で、高性能なスマホを使っている人は違和感を感じるかもしれない。タッチの感度がイマイチな分、サイドにインダクティブボタンを持つ「CHARGE3」が操作性において圧倒的に優れている。「LIFELOGGER」はトップ画面に戻るために、何回もタップする必要があるが、「CHARGE3」ならワンプッシュだ。
機能ではfitbitもうかうかしていられない?
機能面では意外にも「LIFELOGGER」が健闘している。スマホに届いた着信やメール、LINE、SNSの通知を腕元で受け取れ反応も良い。ただし、通知を受けるアプリを選べるのは「CHARGE3」だけだ。「LIFELOGGER」の場合は、スマホで許可している通知をそのまま受け取るだけで、特定の通知だけ腕元で受け取ることができない。またお互い現在地の天気の表示もできるし、活動量計測においても、心拍、歩数、睡眠、移動距離、消費カロリーの記録は共通で可能。「LIFELOGGER」に足りないものは「高度」ぐらいだ。「LIFELOGGER」ならではの機能として、専用アプリを起動する必要があるものの、スマホカメラのリモートシャッターがある。また、「LIFELOGGER」側の操作でリンクしているスマホから音を鳴らし、「携帯を探す」機能も地味に役に立つ。一方「CHARGE3」にはNFCが搭載され、fitbit payによってキャッシュレス決済が使えるのだが、日本では残念ながら未対応。ここ日本での機能を比較すれば、「LIFELOGGER」が1/5以下の価格ながら、なかなか頑張っているという印象だ。
外観の比較まとめ
本体の作りは圧倒的に「CHARGE3」の方がよい。プライス的に当然といえば当然だが、見た目やブランドにこだわる人は、「CHARGE3」は完全に満足できる出来だ。機能面では「LIFELOGGER」も健闘している。「CHARGE3」で計測できることのほとんどを記録できる。精度も少なくとも心拍に関しては同等だ(他活動量計の精度については別記事参照)。正直なところ、はじめてのアクティブトラッカーが「LIFELOGGER」で、それだけを使っていたら、それなりに満足できる。パーツの素材感など、安かろう悪かろうな部分はあるが、使えなくはない。しかし、一度触れてしまえば、必ず欲しくなってしまうほどの完成度を「CHARGE3」が持っていることも確かだ。だから、「LIFELOGGER」一筋でいくという人は、決してくらべてはいけない。
次はエクササイズでも使ってみて両者を比較する。
やっぱ格安スマートウォッチじゃ物足りない?
エクササイズで見たfitbitのホスピタリティー
画面表示だけでやる気が出るCHARGE3
さあランニングをはじめようと2つのデバイスにエクササイズメニューを表示させ、スタートさせる。ここでランナーはプライスの差(もしくはワークアウトへの思想の差)を如実に感じてしまうだろう。Charge3は、走行距離、1Kmあたりのペース、走行時間がリアルタイムに表示されるのに対し、LIFELOGGERは歩数とランニングのピクトグラムが表示されるのみだ。ランナーにとって必要な情報とは思えない。画面表示に限ってみれば、テスト早々にcharge3に軍配を上げざるを得ない。
走行距離計測は意外にもかなり正確
予想に反しLIFELOGGERが健闘したのが走行距離の計測だ。というのも、LIFELOGGERはスマホのGPSと連動せず、歩数と歩幅で計算するため、スマホのGPSデータとリンクするCHARGE3より不利と思われたからだ。駒沢オリンピック公園のランニングコース1周2.14kmでテストした結果は、CHARGE3は2.12Km、LIFELOGGERは2.21Kmと計測、両者ともまずまず満足できる結果に落ち着いた。カロリー計測は意外に差が付き、CHARGE3が数回の計測で180〜190kカロリーの間を指し示したのに対し、LIFELOGGERはいずれも100k前後だった。ちなみに同時にapplewatchでも計測したが、160~170kカロリーとその中間だった。
アプリでのエクササイズ記録は雲泥の差
コストは本体のみにかけるものではないことは、現代のメーカーなら熟知している。ハードが良くてもアプリの使い勝手で勝負がついてしまうことも稀ではない。fitbitのアプリはコストをかけただけのリッチな見栄えと使い勝手を併せ持つ。特にランナーのモチベーションを上げるのがスマホのGPSと連動したログだ。距離、ペース、平均心拍数とともに地図上に走ったルートがリスト表示されている様を見ると、もう一度やってみよう、または別の場所を走ってみたいといった、継続への意欲が湧いてくるはずだ。また、エクササイズも詳細に記録されており、過去を振り返り、今後の計画を立てるのに役に立つ。一方、LIFELOGGERのアプリと言えば、歩数、走行距離、カロリー表示がリスト表示されるのみで、CHARGE3と比べれば物足りない。まさにお値段なりといったところだ。
まとめ
エクササイズに関して言えば、LIFELOGGERは4000円の機能しかない。本気でワークアウトを行うならば、絶対に不満になるだろう。Chage3が行えることは、もっと安価な製品でも可能で、1万8000円は高いと思う人も多いだろう。ただ、charge3はfitbitファミリーなら共通に使える洗練されたアプリやコミュニティに参加できる。その点に価値を見出すなら決して高くはない。
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※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。