メルセデス・ベンツ社がApple社のCar Key機能を新型Eクラスセダンに搭載することを決めたと発表しました(*1)。
Car Key機能をApple Walletに追加することで、ユーザーはApple WatchかiPhoneを使って車のドアを開閉し、エンジンを始動することができます(*2)。
つまり車のカギが不要になるのです。
クルマ選びの新たな要素になるか
Car Keyは非常に斬新な機能ではありますが、まだ世の中に広く普及しているとは言えません。
アップル社のヘルプページに書いてあるように、「この機能に対応した車両」が必要になるからです。
メルセデス・ベンツはこの機能に対応する6つめの自動車メーカーになります。先行しているメーカーと対応モデルは以下の通りです。
• BMW: 2021年以降モデルのほどんどの車種
• 比亜迪(BYD): 2022年モデル以降
• ジェネシス(現代自動車の高級車ブランド): 2023年GV60、G90
• 現代自動車: 2023年Palisade、IONIQ 6
• 起亜自動車: 2023年Telluride、Niro、Seltos
他にイギリスのスポーツカー・メーカー『ロータス』にもCar Key対応の動きがあるとの噂です。
見ての通り、Car Keyに対応したモデルは今のところ欧州とアジアの自動車メーカーのものに限られ、アメリカと日本のメジャーはまだ参入していません。
しかし、もし新車の購入を考えている消費者のなかでCar Keyに対応しているかどうかを検討材料のひとつに加える人が増えていくとしたら、どの自動車メーカーも無視してはいられないのではないでしょうか。
個人的にはとても興味があります。車社会に住んでいることもあって、現在では外出するときには財布、スマホ、そして車のカギが必携品なのですが、すでにApple WatchとApple Payの登場によって財布とスマホのほとんどの用途を腕時計で済ませることが可能になっています。この上さらに車のカギを持ち歩かなくてもよくなれば、ポケットの厚みが薄くなり、そして忘れ物や落とし物がぐっと減るのではないかと思うからです。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani
*1. メルセデス・ベンツ社公式ウェブサイトのニュースリリース
*2. アップル社公式ウェブサイトのヘルプページ:「iPhone や Apple Watch の Apple ウォレットに車のキーを追加する」
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