航空機に預けた荷物が到着後いつまでたっても荷物受け取りコンベアから出てこない。
私はそんな経験を何回かしたことがあります。ニューヨークでもありましたし、成田空港でもありました。
大抵は航空会社が翌日くらいに自宅やホテルまで届けてくれます。乗り換え空港で積み残しになっていたとか、あるいは別の空港に間違えて送られてしまったということのようです。
それでも、預けた荷物が手元に戻ってこないケースがまったく無い訳でもありません。私自身は預けたスキー板が出てこなかったことがあります。紛失なのか、盗難なのか、あるいは手違いなのか、理由はともあれ、大切なものを失ってしまうのはつらいことです。
そのような事態を招かないよう、アップル社のAirTagを預け荷物の中に入れる人が増えているそうです。
アップル社のAirTag製品紹介ページ:https://www.apple.com/jp/airtag/
AirTagが空港オフィスの片隅に埋もれていた紛失荷物を発見
AirTagのおかげで一度は諦めた荷物を発見できたというケースが最近ニュースになりました。その幸運な人物はオーストラリアのユーチューバーであるシェーン・ミラーさんです。
シンガポール航空でメルボルン空港に到着したミラーさんは50万円以上もする自転車部品を入れた荷物を受け取ることができませんでした。
ミラーさんの荷物は乗り換え空港で積み残しになっていたことが分かりました。メルボルン空港に荷物が到着次第、空港グランドサービスのスイスポート社からミラーさんに連絡が入るはずでした。
ところが、ミラーさんのAirTagが到着を報告しているにもかかわらず、スイスポート社からの連絡はなく、ミラーさんの方から何回電話をかけても繋がりませんでした。
業を煮やしたミラーさんは空港に赴き、iPhoneの「正確な場所を見つける」機能を使ってAirTagを追跡。無事に荷物を発見することができました。正式な遺失物取扱所ではなく、スイスポート社オフィスの片隅に放置されていたということです。
ミラーさんはその一部始終を動画にしています。
AirTagが高級SUVレンジローバーを盗難から救ったケース
さらにもうひとつ、AirTagが盗難された高級車を発見したというニュースを紹介します。
カナダ・トロント州に住むある男性はかつて所有していたSUVが盗難されるという憂き目に遭いました。
犯人は社内に置いてあったスマホと財布を窓から放り出して逃走したということです。追跡を防ぐためでしょう。結局、その車は見つかりませんでした。
その男性は盗難されたものと同じレンジローバーを再度購入しましたが、なんとその2つ目の車も盗まれてしまいました。ところが、今回はAirTagを車内に3つも忍ばせていた(グローブボックス、スペアタイヤ、後部席)ことが功を奏しました。
車の所在を突き止めた男性は警察に連絡、車を取り戻すことができました。どうやら組織的な犯罪グループが関わっていたようで、同じ場所に9台もの盗難車が同時に発見されたそうです。
事件を伝えるニュース:https://www.cp24.com/news/toronto-man-uses-apple-airtags-to-track-down-stolen-range-rover-1.5965122
アップル社が製品紹介ページで宣伝しているように、AirTagは「見つける天才」なのかもしれません。その反面、ストーキング行為に悪用されるようなケースが過去に問題になりましたが、アップル社はそれへの対策も着々と行っているということです。1個3,800円からという価格が高いか安いかは人それぞれかもしれませんね。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani