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Apple Watchでも把握可能な「睡眠負債」の恐さを解説

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2023.08.28

筆者はApple Watchの睡眠アプリ「AutoSleep」で睡眠を毎日計測しているのですが、そこで気にしている指標の一つが「睡眠バンク」です。

睡眠不足気味の日が続くと、この「睡眠バンク」の表示は「負債」になり、「12時間の借金」などと表示されます。

睡眠でも現実のお金でも、借金の状態だと言われると怖いですよね……。

【あわせて読みたい】Apple Watchの超名作・睡眠アプリ「AutoSleep Watch」。睡眠の質や時間がひと目で分かる! 

なお「睡眠負債」という言葉は、このアプリ独自のものではなく、広く使われている言葉です。

今回はその概念について解説します。

睡眠負債とは何か?

睡眠負債とは「慢性的な睡眠不足が続いている状態のこと」、さらに踏み込んで言うと「その睡眠不足が蓄積されて心身へ支障をきたしている状態のこと」を指します。

つまり、「1日だけ夜更かしして寝る時間が短くなった状態」というというより、「毎日の睡眠時間が必要な時間より短く、その足りない分=負債がジワジワ積み重なっている状態」という状態と言えます。

毎月の収支が少しずつマイナスで、借金が5万、10万、15万……と増えている状態と考えると、その恐ろしさが分かると思います。

しかも毎日の睡眠が少しずつ足りないだけだと、本人もその不足には気づきにくいのです。

睡眠負債が重なると何が起こるのか

「睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」より

では睡眠負債が増えていくと、心身にどのような変化が起こるのでしょうか。

まず、慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こします。

つまり仕事や日常生活に支障が出てしまうわけですね。

「6時間睡眠が2週間続くと、1晩徹夜したあと同じレベルに脳のパフォーマンスが低下する」「4時間睡眠が続くと、1週間後には何と、脳のパフォーマンスは2晩徹夜明けと同じくらい低下する」という研究結果もあります※1。

さらに体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。

たとえば健康な人でも一日10時間たっぷりと眠った日に比較して、寝不足(4時間睡眠)をたった二日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大することが分かっています。

ごくわずかの寝不足によって私たちの食行動までも影響を受けるのです。

そして慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。

上記は厚生労働省の健康情報サイトに記載されていた睡眠不足・睡眠障害と生活習慣病の関係を表した図ですが、これを見ると怖くなりますね……。

日本人は慢性的に睡眠不足!

「睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」より

そして、同じく厚労省のサイトに記載された統計を見ると、日本人の睡眠時間は諸外国と比べても低いことが分かります。

日本人には慢性的な睡眠不足に悩まされている人が多いというわけです。

なお仕事で忙しく働いている男性が睡眠不足……というイメージがあるかもしれませんが、女性のほうが睡眠は不足しているとのこと。

同サイトでは「とりわけ女性は家事や育児の負担が大きいため男性よりもさらに睡眠時間が短く、平日・週末を問わず慢性的な寝不足状態にある」との記述がありました。

睡眠負債はスマートウォッチで計測・把握できる!

1日だけ寝不足の場合は「翌日は長めに寝よう」と対策がしやすいですが、慢性的な睡眠不足の場合は、本人がそれを把握するのは難しいです。

少しずつ仕事が忙しくなって、ジワジワ睡眠時間が削られていき、1日の平均睡眠時間が30分短くなり、1時間短くなり……という状態になっても、それに気づかない人は多いでしょう(2時間、3時間と削られたら、さすがにヤバいと気づくでしょうが)。

そうした睡眠不足の慢性化を防ぐ上で、Apple Watchやスマートウォッチで睡眠を計測するのは非常に有効です。

昨日と比較した今日の睡眠時間、先週と比較した今週の睡眠時間などはササッと把握可能ですし、今回説明したような「睡眠負債」などもモデルによっては把握可能です。

睡眠習慣を改善したい人、「何だか最近寝不足で体調が悪い気がする」という人は、ぜひApple Watchや他のスマートウォッチで睡眠を計測してみることをオススメします!

※1:Vol.36:ナメてませんか「睡眠負債」国民の2割 30-40代の3人に1人は睡眠負債をためている | 医療法人 澄心会 豊橋ハートセンター

●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、編集部員は常にスマートウォッチを片腕or両腕に着用。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」にも出演。

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Apple Watchの超名作・睡眠アプリ「AutoSleep Watch」。睡眠の質や時間がひと目で分かる! 

大麻は睡眠の質を向上させるか?フィットネストラッカーのデータを解析した米国の調査結果 

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