『Fitbit』「ionoc」は、『Fitbit』が数多くラインナップする腕時計型アクティビティトラッカーの中で、もっとも多くの機能を搭載し、いわゆるスマートウォッチに一番近いモデルだ。
1.42インチの大型タッチディスプレイを装備し、各種アプリをインストールできたり、ミュージックデータを直接本体に入れて持ち歩けたりと、これ一台持ちあるけばスマホいらずのモデルに仕上がっている。
高級感あふれるアルミニウムボディ
フロントはほぼスクエアのフェイスを持ち(表示部は348×250ドットで横長)、直線構成されたケースはモダンでスマート。ビジネスの現場では曲線を多用しポップな印象がある「Applewatch」よりも、この「Fitbit ionic」のほうがふさわしいと感じる人も多いだろう。
ベルトもクールなケースに合わせたグレイのシリコンストラップで、これがかなり肉厚でしっかりしているので、腕へのかっちりとしたフィット感とともに、高級感を醸し出すのに一役買っている。バックル部もアルミの尾錠で手の込んだ作りで、満足感は高い。


フィットネス機能は盤石の作り
フィットネストラッカーとしては確かに大型だ。しかし、アルミニウムのケースは実測◎◎gで、とにかく軽い。実際にランニングやウォーキングに使ってみたが、腕に嫌な重量感は感じることはなく、むしろストラップの作りがいいので、腕馴染みがよくガタツキを感じない分、着けていることを忘れてしまうほどだ。
裏蓋側には『Fitbit』独自の「PurePulse心拍計」や血中酸素濃度を計測する「SpO2センサー」を搭載し、24時間ユーザーをモニタリングする。歩数やカロリー消費、階段数カウント、睡眠トラッカーなど基本的な活動記録機能を搭載するのは当然のこと、エクササイズ機能も充実している。
ランニングからサイクリング、ヨガ、水泳など様々なエクササイズに対応しているが、ハイライトは「ionic」の大画面を生かしたオンスクリーンによる、コーチアプリの搭載だろう。これは、GIFアニメによって腕の中のトレーナーがやるべきエクササイズメニューを指示してくれるというもの。1つのメニュー
が終わるとバイブで知らせてくれ、トレーナーが次のエクササイズを実践してくれる。もっとも短いメニューは7分間だが、これでも空気椅子やスクワットなどが含まれ、運動不足気味の人にはかなり負荷がかかるトレーニングとなる。


GPS内蔵、音楽を持ち運べてスマホいらず
ランニングやウォーキング時はできるだけ、手持ちの荷物は減らしたいもの。GPSを内蔵した本機は、スマホを持ち歩かなくても走行ルートの記録が可能で、さらに音楽データを300曲ほど持ち歩くことができる。イヤホンとの接続はブルートゥースによるもので、コードレスの軽量イヤホンが使用可能だ。つまり、ルート記録とモチベーション維持のために持ち歩いていたスマホがいらず、「ionic」だけでOKということ。NFCも搭載されているが、ここ日本では使えるところがないのがつくづくも残念。これが使えれば小銭も持ち歩かなくてすむ。

通知やアプリはスマートウォッチに近い
通知はApplewatchとWearOSと同じことができると思って良い。むしろ画面のクリアさはAppleWatchに迫るもので、視認性はかなり良好。反応速度は大概のWearOSよりいいので、サクサクと通知を確認していくのなら、WearOSよりもいい。流石にアプリの数は、applewatchやWearOS勢には見劣りするが、音楽ストリーミング「Deezer」や「Uber」などメジャーどころは揃っているし、電卓やちょっとしたゲームもリリースされている。

4〜5日はOK! 最大の性能は電池の持ち
スマートウォッチを使っている人なら誰もがイライラさせられているのが、毎日の充電だ。夜、充電を忘れバッテリー表示が真っ赤になった画面をみることほど憂鬱なことはない。大画面を備えながらも充実したバッテリーライフをもつ「ionic」は4〜5日は充電レスで大丈夫だ。
『Fitbit』「ionic」は、スマートウォッチというよりアクティブトラッカーと言える。しかし、AppleWatchを通知としてしか使っていない人、たまにワークアウトで使う程度の人には十分代わりになる。しかも、ルックスはクールでこの軽さは魅力だ。『Fitbit』は健康機器でしょ、とたかをくくっていた人にもぜひその魅力を知ってほしい、そんな1本に仕上がっている。

あなたに合わせた指導や分析、お気に入りの音楽やアプリ。Fitbitのすべての機能を搭載。
Fitbit Ionic (フィットビット イオニック)
価格:23,890 円 (税別)
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。