Apple Watchなどのスマートウォッチやスマートフォンでは「歩数」が当たり前のように計測されています。
しかし、一体どういう仕組みで計測されているのかは分からない人が多いでしょう。
その計測で主に活用されているのが加速度センサーです。
Apple Watchではアクティビティの計測に利用されていて、ウォーキングまたはランニングにおける速度・歩幅の測定や調整においても活用されていることが公式サイトの解説で明記されています。
本記事では、この加速度センサの仕組みをザックリと解説します。
加速度センサーを一言でいうと
加速度センサーは名前の通り「加速度の測定を目的としたセンサー」です。
つまり、「時速3kmでゆっくり歩いていたのが時速4kmにスピードアップした」といった速度の変化を把握できるセンサーです。
特に「3軸加速度センサ」と呼ばれるものは、1方向のみの動きだけでなく、縦・横・高さといった3次元での立体的な動きを検出することができます。
そのため加速度センサは「加速度」だけでなく、重力、動き、振動、衝撃などを測定が可能です。その機能を応用することで、
・速度
・平行移動(動き・振動・衝撃・落下)
・傾き(重力方向検出)
なども把握可能です。
なお加速度センサーは「加速度センサ」と表記されることも多く、「モーションセンサー」と呼ばれることもあります。
スマートフォンやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスだけでなく、工業・産業製品などでも多く採用されています。
歩数の計測で活用されている!
スマートウォッチの歩数の計測や、睡眠時の寝返り判定などは、この加速度センサーを使うことで可能になりものです。
そしてスマートフォンやスマートウォッチ登場以前から、歩数を計測するデバイスとして広まっていた「歩数計」も、この加速度センサーを使ったものが多いです。
歩数計には上下の揺れのみで歩数をカウントする「1軸加速度センサー」搭載のものから、先述の「3軸加速度センサー」搭載のものまで多数の種類があります。
上下の揺れのみでカウントするものはポケットなどに付けることが必要でしたが(歩数計にはこのイメージを持っている人が多いと思います)、3軸加速度センサー搭載のものはポケットやバッグに入れていても歩数が比較的正確に計測可能なため、歩数計として高性能とされています。
「GPSも搭載されていないのに、何で歩数が分かるんだろう」と不思議な人も多かったと思いますが、この加速度センサーで歩数計は歩数を測っていたわけですね。
またスマートフォンの歩数計や、iPhoneを振ることで直前の操作を取り消せる「シェイクで取り消し」なども、この加速度センサの応用例の1つです。
なお、iPhone / iPad / Apple Watch のモーションセンサーの値を、表示・ログ保存できる「もせろぐ」というアプリもあったりします!
加速度センサーはあまり日常では口にする機会の少ない存在ですが、実は身近なデバイスの身近な機能でさまざまな形で活用されているわけです。
なお、加速度センサーと一緒に使われることが多いジャイロセンサーについても下記の関連記事で解説。
最近は加速度を検出する3軸と、角速度を検出する3軸のジャイロセンサーの合計6軸を持つ「6軸センサー」がスマートウォッチでも主流となってきています。
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者6000人程度)でも各種レビューを行っています!
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