在宅ワークの習慣が広まり、平日もずっと家で仕事をしている……という人も増えた昨今。
気軽に取り組める運動としてジョギング、ランニングをはじめた人もいるでしょう。
今はスマホを手に持ったり・バンドで腕に巻き付けたりして走っても各種のデータを取得できますが、少し本格的にランニングに取り組み始めると、より便利で性能の良いランナー向けのGPSウォッチが欲しくなるでしょう。
そんなランニング初心者~中級者に今オススメのモデルが、Garminが6月14日に発売する『Forerunner 255(フォアランナー 255)』シリーズです。
本シリーズは、ランナー向けGPSウォッチのド定番ブランドであるGarminの新作。
以前は『ForeAthlete(フォアアスリート)』というシリーズ名で製品が展開されていましたが、今回からシリーズ名を刷新。
よりランナーを意識したシリーズとなりました。
そのなかでも『Forerunner 255』シリーズは中級者向けの位置づけ。
Garminの『ForeAthlete』『Forerunner』のシリーズは数字が大きくなるほど上位機種となりますが、『Forerunner 255』はエントリーモデルの『ForeAthlete 55』より機能が上で、同時発売された最上位機種の『Forerunner 955』と比べると機能が絞られたぶん価格もオトクとなっています。
一方でエントリーモデルの『ForeAthlete 55』と比較すると、
・睡眠中の心拍変動を解析し、起床時にその日の全体的な健康状態を提供する「HRVステータス」
・起床時に睡眠、おすすめワークアウト、週間運動量など、その日のトレーニングに関する情報が確認できる「モーニングレポート」
といった機能が追加されており、私生活を含めてランニングをする人のコンディションをトータルケアしてくれるモデルとなっています。
なので、ランニングに本格的に取り組んでいる人や、これから少し真剣に取り組んでみたい人には、非常にオススメのモデルなわけです!
当サイトではそのシリーズから2モデルを試用する機会を得ましたので、本記事ではその使用レビューをお届けします。
レビューするモデルはこちら!
NEW Forerunner 255
Tidal Blue
税込 ¥45,273
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Forerunner 255S
Powder Grey
税込 ¥43,455
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試用したのはこちらの2モデル。
モデル名に「S」が付いているほうはケースサイズが小さく直径41mmで、女性の腕にも似合います。
一方で「S」が付いていない方はサイズが直径45.6mm。
画面が大きく見やすいのが特徴で、女性ランナーでも視認性を重視する人はこちらを選んでも良いかもしれません。
スマートウォッチとしての性能をまずチェック!
本モデルはランニングをする人向けの製品ですが、日常使用するスマートウォッチとしても豊富な機能を持っています。
編集部調べのスマートウォッチの主要機能チェック表は下記になります。
この通り、中級者向けのランニングモデルながら、スマートウォッチとしての機能は幅広く揃っています。
日常の機能でポイントが高いのは、やはりSuicaが使える点。
そして「Forerunner 255 Music」という名前のモデルは本体に音楽も約500曲保存可能で、単体でも音楽再生が可能。
通常の「Forerunner 255」はスマホの音楽の再生・停止といった操作は可能です。
「ランニング中に音楽を聞く習慣があり、走るときはスマホを持っていきたくない」という人は「Forerunner 255 Music」がオススメといえます。
外観をチェック!
こちらがレビューする2製品。
素材はレンズがCorning Gorilla Glass 3、ベゼルが繊維強化ポリマー、ストラップがシリコンです。
上記2枚の写真は、170cm代後半の男性が腕に着用した様子。
グレーのSサイズのモデルがやや小ぶりなことが伝わるかと思います。
なお視認性は多少の暗い場所でも明るい屋外でも全く問題ありませんでした。
なお本モデルはタッチディスプレイではなく、操作は物理ボタンで行います(上位機種の955はタッチディスプレイ搭載)。
ボタンは左に2つ、右に3つ付いていて、「決定:右上のボタン」「戻る:右下のボタン」「画面のUPとDOWN:左側の中央のボタンと下のボタン」といった形で基本操作が割り振られています(ほか、長押しで呼び出せる機能もあり)。
タッチディスプレイに慣れている人は最初は苦労するかもしれませんが、ペアリング時のチュートリアルを見れば基本操作はつかめるはずですし、慣れてしまえばサクサク動かせるようになるはずです。
では、本モデルの真骨頂であるランニング向けの機能をまずは詳しくレビューしていきます。
トレーニングに効果的な仕掛けが多数!
ランニングをする人がスマートウォッチで行いたいことといえば、まず
・リアルタイムで距離や時間、ペース、心拍数を見る
・ラップタイムを計測してラップ毎の距離やペースを見る
・ランニング中に音楽の再生・停止などの操作をする
といったあたりでしょうが、本モデルはそうしたベーシックな機能はしっかり網羅しています。
しかも大画面で表示が非常に見やすく、物理ボタンゆえに走りながらの操作も正確に行えます。
時計のディスプレイ上でのランニング中の表示の例(走ってないので数値はゼロになっています)
アプリ上ではこんな形で各種のデータが表示されます(もっと詳細な項目が多数あります!)
心拍数やペースの上限・下限のアラートを設定したりもできるので、ランニングに本格的に取り組んでいる人ほど、多様な使い方をできるわけです。
通知が届くタイミングの良さなども、「ランナーのことが良くわかっているな」という実感を持ちました。
Forerunner255はランナーの中でも初級者~中級者向けに開発されたモデルですが、それでもこうした機能がしっかり入っているのが驚きです。
そのうえで、ほかにもランニングを始めとしたトレーニングに効果的な仕掛けが沢山設けられていました。
そこでForerunner255とForerunner255 Sを着けて数回のランニングやライド(サイクリング)をしたものがどのように評価されて、パフォーマンス向上に繋げられるのかを試してみました。
Garminが教えてくれる指標【トレーニング効果】
自分が行ったトレーニングにどのような効果があったのかを、使用者ごとに判別して教えてくれるのが「トレーニング効果」です。
今回のトレーニングでは『5.1kmの距離を1kmあたり5:37のペースで走り、心拍数平均は145、最大心拍数は164』という、おそらくごくごく一般的なランナーのペースで走ってみました。
トレーニング効果には「有酸素4.3、無酸素0.6 VO2MAX」と表示されました。
有酸素運動(持久系)の効果としては4.3、無酸素運動(瞬発系)の効果としては0.6ということなのですが、数値の意味としては「0―なし、1―マイナー、2―維持、3―改善、4―大幅に改善、5―過剰」ということ。
有酸素運動としては大幅に改善、無酸素運動としてはほとんど効果がないか限定的、という評価です。
もっともっとトレーニングの回数を増やしていけば数値は個人に最適化され、より実態に近いものになっていくのでしょう。
ちなみにサイクリングで平均時速9.8km/h、距離8.02kmというとてもゆっくりしたペースでのライドでは「有酸素0.5、無酸素0.0」ということなので、「トレーニングの意味なし」と判定されました。(まあ「でしょうね!」という感じです。)
また、軽くフットサルをした時(ちょっとしたダッシュとジョグを繰り返す感じ)だと「有酸素2.2、無酸素0.9 ベース」と表示されまして、持久系については「維持」、瞬発系については「ほんの少しの効果」という判定のようで、これも体感的には一致しています。
こういった運動を週に2〜3回のペースで続けていけば、forerunnerに自分のことを理解してもらえて、効果的に自分の目標を立てられるようになるのでしょう。
このような仕掛けが、Garminが多くのランナーに愛される所以なのだと感じました。
Garminが教えてくれる指標【トレーニングステータス】
トレーニングステータスはForerunnerのウィジェットの一番上に出てくる指標です。これは自分自身の体調をGarminのデバイスが過去のトレーニング強度やその結果から判断し、自分が現在どのステータスに位置しているのかを教えてくれます。
着用をはじめた当初は「ステータスなし」で、1週間くらい腕につけ、数回のトレーニングを行うとトレーニングステータスを獲得します。
筆者は数回のラン、1回のライド(自転車)、数回のウォーキングを経て「プロダクティブ」と表示されました。
このトレーニングステータスには7種類のステータスがあります。
ピーキング・・・ピーク状態
プロダクティブ・・・フィットネスレベル向上中
メインテイニング・・・フィットネスレベルが横ばい
リカバリ・・・身体の回復が必須
アンプロダクティブ・・・トレーニング負荷レベルは良好だが身体の回復が必要
ディトレーニング・・・トレーニング負荷が不足している
オーバーリーチング・・・トレーニング負荷が高すぎて逆効果
そしてランニングをした後はVO2MAXは44と表示されました。
また、リカバリーまで58時間と出ているので、2日間ほど運動はセーブした方が良いと判断されているようです。
そしてボディバッテリーも一気に少なくなり「17」になりました。これはまさに休息が必要ということなのでしょう。
なお「ボディバッテリー」もGarmin独自の指標です。
詳しくは下記の記事をご参照ください。
【あわせて読みたい】Garminのボディバッテリー機能を徹底解説! 体の予備エネルギー量を1~100で数値化
自分自身では気づけないような疲労度などを数値化してくれるので、無理なくトレーニングができそうです。筆者は大会に出るようなランナーでは決してなく、「たまに体力維持のためにランニングをする」という、おそらく最も一般的なランナーだと自覚していますが、ちょうどよく「無理をしない/サボらない」ランニングができそうです。
新鮮なトレーニングへの促し方【モーニングレポート】
毎朝起きるてForerunnerに目を落とすと「おはよう!」のメッセージと共にモーニングレポートを届けてくれます。
今日のおすすめのトレーニングから始まり(ここから始まるところがランナーのためのスマートウォッチたる所以だと思います)、睡眠の質、ストレススコア(心拍変動)、天気を表示してくれます。
じゃあ、今日はこんなトレーニングをしてみようかな、、と思うランナーがどれくらい存在するのかはわかりませんが、少なくとも筆者はランニングに対して少し背中を押されたような気持ちになりました。
走りたくなる仕掛けがいくつも用意されていて、走った結果に対しては正確に評価してもらい、これからのどんなトレーニングをすれば効果的なのかを教えてくれる……。まさにランナーのための(あるいはランニングを始めたい人のための)優れたスマートウォッチだな、と感じました。
スマートウォッチとしての機能も多彩!
……といったあたりが、本モデルのランニングGPSウォッチとしての評価なわけですが、本モデルは日常で使用するスマートウォッチとしても非常に便利な機能や特徴を多数持っています。
Suicaが使えることや、音楽の再生/停止が行えること(Musicモデルでは本体保存も可能なこと)は先に触れたとおりですごく便利だったのですが、便利だと感じたことを以下、ザザッとご紹介します。
ウォッチフェイスは多彩で項目もカスタム可能!
ウォッチフェイスは多彩なパターンが用意されており、種類によっては「この部分にどのデータを表示するのか」というカスタムも可能。
トレーニング系のデータや歩数などを表示してもいいですし、天気や通知など日常で役立つ機能を中心に表示してもいいでしょう。
通知は内容もしっかり分かる!
日常で役立つスマホからの通知機能については、各種アプリの通知がしっかりバイブと文章で届きます。
そして、どのアプリから、どんな内容の通知が届いたのかもディスプレイ上でしっかり分かる点がポイント高いです(小さな画面の安いモデルだと、通知が届いても何の通知だかよく分からなかったりします)。
ほかにも日常で役立つ機能がもりだくさん!
ほかに便利な機能も写真と一緒にザザッと列挙しておきます。
まず先にも少し触れた天気。
大きな画面で見やすく、現在の天気や数日先までの予報もチェックできます。
また睡眠計測もレム睡眠、ノンレム睡眠の区別を含めてしっかり計測してくれます。
腕元で見るだけでも様々なデータが分かりますし、アプリで見るとより詳細なデータが分かります。
なおアプリ上では心拍数や歩数、呼吸数、ストレスレベルなどなど、膨大な健康関連の指標をチェックできます。
ランニングを行いつつ健康全般を管理・維持したい人には便利な指標が非常に多いでしょう。
ほか、地味な機能だと「スマホを鳴らして探す」という機能もあります。
Apple Watchをはじめとした他のスマートウォッチでも見る機能ですが、こうした日常の機能もしっかり搭載しているのがGarminの信頼を置けるところです。
もちろん目覚ましの機能もついています。
ランニング~日常使用まで、とにかく便利な1本
このように、ランニングでの使用時から日常での使用まで、便利な機能がとにかく沢山詰まっている「Forerunner 255」シリーズ。
初級~中級のランナーの人にオススメなのはもちろんのこと、「スマートウォッチに興味があって、買ったらランニングも習慣にしたい」という人にも非常にオススメな1本なのです。
興味のある人は公式サイトや店頭でさらに情報をチェックしてみてください!
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