フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにある動物テーマパーク、ディズニー・アニマル・キングダム(英語:Disney’s Animal kingdom)が飼育しているサイの1頭にフィットネストラッカーを装着し、日々の歩数や活動時間などを調べる研究を始めました。
AP通信のマイク・シュナイダー記者が配信し、米国内で多くのメディアが報じています。
直径0.3メートルのGPS付きフィットネストラッカー
現在アニマル・キングダム内にいる9頭のシロサイのうち、今回の研究対象に選ばれたのは30歳メスのシロサイ、ヘレンです。ヘレンの足首には直径0.3メートルにもなるバンド状のフィットネストラッカーが巻きつけられ、1日中サファリを歩き回ります。
ディズニーの目的は毎日の歩数や歩くスピード、そしてサファリ内の活動範囲を調べることです。そのため、このフィットネストラッカーには人間用のものと同様、加速度計とGPS機能が備わっています。
ヘレンに急激な負担がかからないよう、飼育係はトラッカーの装着を短時間から始め、徐々にその時間を長くしていきました。それでも夜間は取り外されます。
もしヘレンがトラッカーを1日中装着することに問題がないと確認されたら、他のシロサイも同じトラッカーを装着してサファリ内を歩き回ることになります。
集められたデータはこのプロジェクトに参画している24以上もの研究機関に共有され、より良いサイの飼育方法に活用されます。
フィットネストラッカーは野生動物保護に役立つか
世界自然保護基金(英語:World Wide Fund for Nature、略称:WWF)によると、現在の世界には約27,000頭とされるサイの多くが国立公園や保護地区に生息していますが、5つの種のうち3つ(クロサイ、ジャワサイ、スマトラサイ)は密猟による乱獲のために絶滅の危機にあるそうです。
アニマル・キングダムの日本語ホームページには「約300種、2,000頭以上の動物が暮らすこのテーマパークは、野生動物保護に対するウォルト・ディズニーの姿勢を反映したもので、動物の保護や教育、研究にも力を入れています」とあります。
フィットネストラッカーの技術が人々だけではなく動物の安全と健康にも役立つようになるのでしょうか。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani