ダイソンリミテッドは、初のウェアラブルデバイスであるDyson Zone™(ダイソン ゾーン)を2022年3月30 日(水)に発表しました。
Dyson Zoneは、ダイソン初のウェアラブル空気清浄ヘッドホン。ハウスダスト、粒子状物質、有害なガスなどの空気中の汚染物質を除去することに加え、高度なノイズキャンセリング機能と高品質な音響システムで、騒音を遮断します。
Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、2022年秋から一部地域で、Dyson DemoおよびDyson.com、その他店舗およびオンラインで販売を開始する予定です。現時点で日本での展開有無 、時期は未定です。
Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンの主な特徴
・外出先でも浄化された空気と、高品質なオーディオを享受できる画期的なノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドホンです。
・静電フィルターは、ハウスダスト、花粉、細菌など、PM 0.1レベルの粒子を99%捕捉します。
・活性炭フィルターは、NO2(二酸化窒素)、SO2(二酸化硫黄)、オゾンなど、都市部のガスを捕捉します。
・非接触型シールドは、屋外での横風にも対応するよう設計し、浄化された空気を鼻と口に送り届けます。
・高度な ANC(アクティブノイズキャンセリング)と高性能な音響システムで、ミュージシャンやクリエイターが意図したとおりの音を忠実に再現した、没入感のあるサウンドを提供します。
・3つのANCモード:
①アイソレーションモードは、目の前のタスクに集中する必要がある際など、 ANC(アクティブノイズキャン
セリング)テクノロジーにより、豊かで没入感のあるオーディオ体験を提供します。
②会話モードは、非接触型シールドを下げるとアクティブになります。バッテリーの電力を節約するために浄化
を自動的にオフにし、会話の音をより鮮明にします。
③トランスペアレンシーモードは、緊急のサイレンや情報のアナウンスなどの重要な音を増幅し、周囲の状況を
認識できるように設計されています。
・4つの空気浄化モード:
低、中、高、自動。運動時など、さまざまな呼吸パターンが必要なため、自動モードで
は、搭載された加速度計によって、必要に応じて浄化速度の高、中、低を自動的に切り替えます。
・4つのフォーマット:
①空気清浄、オーディオ再生、ANCの3つを同時に使用する場合は、非接触型シールドが装着が必要です。
②オーディオ再生のみで使用可能です。非接触型シールドは、着脱可能です。
③マスク着用が求めらる場合同梱(予定)の口の周りを密閉するコミュニティフェイスカバーをご使用いただけ
ます。
④FFP2準拠のフェイスカバーが必要な地域では、同梱(予定)のFFP2フェイスカバーを使用できます。
6年の開発期間と500以上のプロトタイプ
Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、ダイソンが約30年にわたり培った気流制御、空気の浄化、モーター技術の専門知識と、屋内だけではなく、屋外の空気の質に関する深い理解に基づいています。
それぞれのイヤーカップのコンプレッサーは、2層フィルターを介して空気を吸い込み、左右から非接触型シールドを通して浄化された空気を着用者の鼻と口に送り届けます。非接触型シールドは、浄化された気流が鼻と口の近くに保たれるよう設計され、可能な限り、顔の横から吹き込む風の影響を受けないようにしています。 Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、高度なANC(アクティブノイズキャンセリング)テクノロジーにより、騒音を遮断し、没入感のある体験を生む、音楽、本来の姿を楽しめます。
開発当初は、シュノーケルのような空気を浄化するマウスピースとバックパックを組み合わせ、内部にモーター搭載していましたが、Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは6年の開発期間を経て、劇的に進化しました。
500以上あるプロトタイプの初期段階では、首の後ろに配置された1つのモーターを2つのコンプレッサーに変更し、各イヤーカップへ配置しました。それによりシュノーケルのようなマウスピースが非接触型シールドになり、顔全体に接触することなく、効果的にきれいな空気を送り届ける新しいメカニズムに進化しました。
完全接触型では、着用時に不快感を与えるため、非接触型シールドの開発は、ダイソンのエンジニアにとって必須の課題でした。空気の気流の設計とシールドの開発は、よりきれいな空気を供給するために最も重要な要素です。シールドの形状は、左右のフィルターから出る浄化された空気の流れが、着用者の顔の形に沿って中央のメッシュ部分に重なり、鼻と口に効果的に送り届けられるよう設計されています。
ダイソンのエンジニアは、既存のテスト方法を超えて、医療グレードの人工肺と、汚染物質を吸引したことを検知する機能を備えた呼吸するマネキン(通称フランク、写真上)を使用することで、人間の呼吸パターンを再現しながら、テストを行いました。
試験室で、鼻と喉の周りの空気の汚染レベルを測定し、フランクの人工肺に到達する粒子のろ過の効果を測定しました。イヤーカップ内のコンプレッサーは、ヘッドホンのスペースに収まるよう精密に設計され、2層のフィルターを通して空気を吸い込みます。帯電した静電フィルターは、超微粒子、ブレーキダスト、産業燃焼物、建築物などから出る粒子を捕捉し、活性炭フィルターは、NO2(二酸化窒素)やSO2(二酸化硫黄)などの都市部から出るガスを捕捉します。コンプレッサーは、着用者の鼻と口に導く非接触シールドを介して、浄化された空気を着用者の鼻と口に送ります。
科学的アプローチ
初めてオーディオ技術開発に取り組むダイソンのエンジニアは、科学的なアプローチを取りました。
ダイソンのオーディオエンジニアと音響学者のチームは、広範囲なリスニングトライアルに裏付けされたメトリクスに基づき、優れたオーディオの設計を行いました。その結果、純粋で、豊かなオーディオと高度なノイズキャンセルを実現しました。ウェアラブルデバイスとして各イヤーカップ内に高性能なネオジム電気音響システムを開発。再生周波数帯域の幅が広く、集音された音を正確に再生できるよう最適化され、ミュージシャンやクリエイターが意図したとおりの音を楽しむことができます。
ダイソンのエンジニアは、より先進的なノイズキャンセルシステムを開発しました。独自のマイクロホンアレイ技術で、外部からのノイズとモーター駆動音を低減し、自宅、職場、外出先で高度なアクティブノイズキャンセリングを行います。また大きく、耳の形に沿って角度のついたイヤークッションを、しっかりと密着させることで、高周波数ノイズの遮断を実現しています。
快適さのための設計 – 乗馬のサドルからの着想
人の頭の形は千差万別です。世界中の人の頭と顔の形に関する詳細な調査により、Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンが、それぞれの頭や顔の形に合わせて、どのように装着され、ヘッドバンドの固定度や、シールドの形状や材質、装着時の調整など、製品がどのように機能するかを測ることができました。
Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、乗馬のサドルの形状とデザインからインスピレーションを得ています。乗馬のサドルは馬の背骨に沿って曲がり、背骨の左右の領域と密着することで負荷を分散させます。この考え方を、ヘッドバンド中央のクッション部分に応用し、頭の上部ではなく側面に重量が分散するように設計されています。
イヤークッションの開発は、快適性、頭部の安定性、ノイズレベルの低減という3つの点においても重要でした。イヤークッションの素材に発泡材を使用することは当然の選択ですが、ダイソンのエンジニアはさまざまな発泡材の構造を深く掘り下げ、密度、圧縮率、スプリングバック率に基づいて最適な素材を選択しました。これらはすべて、装着した際の頭部や耳のフィット感、安定性のバランスをとるために重要でしたが、音響の観点でも非常に重要でした。耳周りの成形は、接触点を大きくとることで密閉性が向上し、外部からの騒音を抑制します。クッションは音の歪みを抑え、最適なフィット感のために、従来のイヤークッションよりも意図的に平らで、頭から耳の形に合わせて角度が付けられています。
グローバルな取り組み
Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、英国、シンガポール、マレーシア、中国のチームによって設計され、ソフトウェアの開発は、シンガポール、マレーシアのテクノロジー キャンパスのチームが開発に携わりました。大気汚染と騒音公害を追跡する機能の開発は、重要なプロジェクトでした。すべてのダイソン製品と同様に、Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、英国に加え、ダイソンマレーシア研究開発センターにて専門のテストエンジニアが、落下、素材や生地の摩耗テスト、ボタンの堅牢性などに加え、温暖な気候と湿度の高い場所でのテストなど、極限まで実施されています。
ダイソンの空気質(AQ)に関する取り組み
約30年間、ダイソンのエンジニアは気流から粒子を除去してきました。それはサイクロン技術と世界初の紙パック不要の掃除機から始まり、それ以来、コードレスクリーナー、ロボット掃除機、全方向駆動コードレスクリーナー、ハンドドライヤー、空気清浄機、加湿空気清浄機に発展しました。過去10年間、ダイソン空調家電カテゴリーの誕生以来、屋内と屋外の空気質に関するダイソンの研究は高く評価されてきました。
ダイソンは、製品開発に加えて、研究機関や学術機関と協力して、世界的な大気質の理解を推進しています。 2019年、ダイソンのエンジニアは、Breathe Londonプロジェクト用にダイソンの空気清浄機に搭載されるセンサー技術を内蔵したプロトタイプのバックパックを開発しました。 250人の小学生が、粒子センサーとガスセンサー、GPS、バッテリーパックを備えたバックパックを身に着けて、学校への行き帰りの空気質の汚染を監視しました。このデータは、大気質に関するさらなる研究に活用しており、調査以降、参加した子供たちの31%が、空気の汚染への曝露を可能な限り抑えるために学校へのルートや通学方法を変更しました。
詳しくは、Newsroom(https://www.dyson.co.jp/community/news/air-quality-backpack-athletes.aspx)をご覧ください。
*¹ https://www.who.int/health-topics/air-pollution#tab=tab_1
*³ https://www.theguardian.com/environment/2020/apr/11/positively-alpine-disbelief-air-pollution-falls-lockdown-coronavirus / https://www.weforum.org/agenda/2020/07/pollution-co2-economy-china/ / https://www.centreforcities.org/publication/covid-pandemic-lockdown-air-quality-cities/
*⁴ https://www.eea.europa.eu/articles/noise-pollution-is-a-major