数あるスマートウォッチメーカーの中でも最も信頼感のあるブランドの一つで、多種多様なモデルをリリースしているGarmin。
そのGarminからfēnixシリーズと並ぶ最上位機種の一つとして発売されたのがEPIXです。
■Garmin EPIXのスペック(編集部調べ)
EPIXもfēnix 7も価格は12万円と、スマートウォッチとしてはかなり高額な部類に入り、上記の腫瘍スペック表のようにオールラウンドな機能を持っています。
どちらの機種もGarminでは「最上位機種」と言って過言ではない性能ですが、EPIXとFenixの一番大きな違いは「液晶部分」にあります。
EPIXはAMO LEDディスプレイ採用で、発色に優れており昼間でもとても見やすいディスプレイになっています。
一方fēnix 7はソーラー充電機能がついており、太陽光に当てながら使用すると実に22日間の使用が可能で、スマートウォッチの弱点の一つである充電のわずらわしさから解放されます。
それ以外の機能としては大きな違いはありませんが、EPIXがどちらかというとスポーツなどのアクティブ系に特化し、fēnix 7はビジネスを含めた日常使用に特化していると言えるでしょう。
今回スマートウォッチライフ編集部で「Garmin EPIX」を試用する機会を得ましたのでレビューしていきます。
なおfēnix 7と、最近発売されたタフネスGPSウォッチ「Instinct 2」のレビューは下記に掲載しておりますので、よろしければ一緒にご一読を。
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まずは見た目をチェック
外箱はこのような見た目で、シンプルなつくりの中に高級感も備わっていますが、このあたりは他のGarmin製品とそれほど大きな違いはありません。
箱を開けるとこのような感じで収まっています。
一見してベゼルなどの高級さが伝わってきます。
内容は専用の本体・充電ケーブル(他のGarmin製品と共用可)・説明書が入っています。
裏蓋はこのようになっていて、数種類のLEDセンサーが搭載されています。ちなみにベルトはワンタッチで取り外し可能。
ベルトのみを水洗いして清潔に保つことができます。
充電は他のGarmin製品と同様に専用ケーブルを差して行います。
カチッとホールドされるので、誤って外れる心配はありません。
外観は高機能なスマートウォッチらしく、物理ボタンが5つ。
もちろんタッチスクリーンでの操作もできますが、物理ボタンでの操作のほうが直感的かつ確実に操作できるので、操作感は抜群です。
ベゼル部分はチタン製で高級感にあふれており、文字盤のガラス面はサファイヤクリスタルガラスで、傷がつきにくくなっています。
これなら激しいスポーツで使用しても安心ですし、普段使いでも高級機械式腕時計にも見劣りしません。
ディスプレイはもちろんフルカラーで、大きさも文字をはっきり視認できる416p×416pxです。
このように外観としてははっきりと高級感を感じ取れる作りで、さすがGarminの最上位機種、と感じました。
機能編~EPIXが「最上位機種」たる5つの機能
①超高精度なGPS「GNSSマルチバンド」
スマートウォッチでGPSを使用する最大の目的はランニングやサイクリングでの移動距離の計測でしょうか。
カーナビのような、目的地点までのナビゲーション目的であれば毎秒正確な補足をせずに、大体の位置がわかっていれば目的は達せられるのだと思いますが、ランニング時にはかなりの正確性が必要になります。
例えば1500メートルを7分ジャストで走る、と決めて実際にそのペースで走ったとして、1500メートルのゴールが50メートルもずれていたら全く使い物になりません。
ランニングでしっかりとしたトレーニングをするためにスマートウォッチを使用するならば、正確なGPS機能は必須と言えます
(どんなに正確さを誇る機種でも10〜20メートルくらいはずれてしまうのですが)。
このGarmin EPIXはGPSの正確さでは今まで試用したスマートウォッチの中で群を抜いて正確でした。
精度の高い計測をしてくれる理由が「GNSSマルチバンド」です。
L1信号とL5信号の2周波数帯の受信を可能にする「GNSSマルチバンド」で、高層ビルが立ち並ぶ都市部や複雑な地形環境下でも素早く精度の高い測位を実現。(Garmin社資料より引用)
このGPSの正確さを自分で走ってみて実感しました。
下記は神田川沿いを走ってみた結果です。片道3.4km、往復6.8kmくらいのコースです。
このくらいの全体表示なら、どのスマートウォッチで計測しても同じように表示されるでしょう。
ちょっと拡大してみるとこんな感じです。
川幅が10mくらいの神田川ですが、川のどちら側を走ったのかまでしっかりと計測してもらっています。
さらに拡大するとこんな感じです。
通った橋までしっかりと計測しています。
歩いていたわけではなく、走って計測していたので「素早く精度の高い」計測がしっかりできていたようです。
さすが「GPS機器のパイオニア」であるGarminの面目躍如といったところでしょうか。
②美しいAMOLEDディスプレイとサファイアガラス
AMOLEDディスプレイとは、アクティブマトリクス式有機EL(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)を使用したディスプレイです。
特徴としては「省電力」かつ「高コントラスト」で表示できることでしょう。鮮やかで高精細な表示を実現し、日中も高い視認性を確保します。
Garminのスマートウォッチの「センサー類にはとても信頼感があるんだけど、表示がモノクロ」というモデルとは明らかに一線を画しています。
また、美しいディスプレイならではの楽しみ方もあります。
Garmin Connect IQを利用して、ウォッチフェイスをインストールすることができますが、その中に「dfaina」というサードパーティー製の「高級機械式腕時計ディスプレイ」をインストールできます。
■ROLEX DAYTONA
ロレックスの中でも最も高価で有名なデイトナ。2022年2月現在では700万円オーバーの高級時計です。
しかも、設定で「ホワイト文字盤」にすることもできます。
■ROLEX SUBMARINAR
ロレックスの大人気ダイバーウォッチ、サブマリーナ。
Garminの機能を使用し続けながらサブマリーナ文字盤を楽しむことができるなんて、嬉しくないですか?
■OMEGA DE VILLE
オメガにもなります。
オメガのスピードマスターやシーマスター、そのほかIWCやタグホイヤーなど人気の高級時計のウォッチフェイスがたくさん入っています。
毎日気分を変えて、文字盤を変更してみてはいかがでしょうか。
③アウトドアで使いやすい、タッチスクリーン&物理ボタン
Garmin EPIXは操作感も抜群です。
外出時だったり、仕事中だったり、スポーツ時だったりと、EPIXをの操作をしたいシチュエーションは様々ですが、どんな状況でも操作がしやすいように画面タッチでも、物理ボタンでも、どちらでも操作ができるようになっています。
物理ボタンも5つあるので、複雑な操作も物理ボタンだけで行うことができます。
さらに、ユーザーインターフェースも改良されていて、(細かい部分ですが)以前は「半角カタカナ」での表示だったものが「全角カタカナ」になりました。
「タイム」は「タイム」の方が読みやすいですし「ペース」も「ペース」のほうが読みやすいです。
しっかりと日本のマーケットの実情にも応えた製品作りになっています。
④ゴルフ専用モデルと同じ機能が備わっている
Garmin EPIXの大きな特徴の一つが「ゴルフ専用ウォッチ」としても十分な性能を持っていることです。
Garminではゴルフ専用モデルとして「Approachシリーズ」があります。
フラッグシップモデルのApproach S62(定価:68,200円)、女性もつけやすいApproach S42(定価:38,280円)のラインナップがありますが、EPIXはそれらのモデルの上位互換と言っていい性能を備えています。
一部になりますが、使用できる機能を紹介します。(お恥ずかしながら、ひどいスコアと共に公開します。。。)
■コースレイアウト
全世界、4万以上のゴルフコースを収録しているGarmin。日本のコースの98%以上が登録されているそうです。
EPIXでゴルフを開始するとすぐにGPSでどのゴルフ場にいるか補足してくれます。
スタートすればすぐにコースレイアウトを表示、グリーンまでの距離やハザードの位置などがすぐにわかります。
■デジタルスコア管理
グリーン以外のショットはゴルフボールを打った衝撃で自動計測してくれますが、グリーン上のパットはボタンを押して入力します。
物理ボタンはこういった時にも便利です。
自動計測のショットが違っていたり、記載し忘れて次のホールに移った場合なども、後から自由に修正することができます。
■ハザードビュー
今の位置からバンカーや池などのハザード位置までの距離を表示します。
「バンカーまで200ヤードだから少し刻んでいこう」とかのコースマネジメントができます(初心者の私には使いきれない機能でしたが)。
また、こういった機能を使う際に「GPSの正確さ」がとてもありがたいです。これが10メートルずれてしまったら全く意味をなさなくなてしまうでしょう。
■オートショット計測
前述のように、ショットはゴルフボールを打った衝撃で自動計測してくれます。
ですので、どのように打ったかを後から確認することができます。
例えばこの「ホール5」では
1打目ドライバーで打って右に曲げて木の根元に落ちる
2打目真っ直ぐ打って、気に当てて跳ね返る
3打目チョロっとミスして50ヤードくらいしか進まない
4打目120ヤードくらい進んでグリーンを狙える位置に
5打目残り110ヤードくらいくらいからショットして、グリーンに届かず
6打目グリーン近くからなんとかグリーンに乗せる
といった具合です。まったくお恥ずかしい。
またこの「ホール10」では詳細は省きますが、ご覧の通りです。
もうフェアウェイを避けるようにたくさん打ちました。
「誰もみていないから」とショットをごまかすこともできないですね。8オンでした……。
このように、初心者の私ですので使いきれない機能もたくさんありましたが、上級者が使えば使用中も使用後も楽しめるようになっています。
このゴルフ機能がついているのでfenixシリーズではなく、EPIXを選択する、という方も多いかと思います。
⑤電子マネー搭載で、この一本のみで外出できる
スマートウォッチで電子マネーが使えるのも便利です。
ランニング時など、スマートフォンすら持たずに走り始められます。
「交通系電子マネー(SUICA)」と「VISAのタッチ決済」を使うことができます。
「VISAのタッチ決済」は2022年2月現在では下記のどちらかのデビットカードの契約が必要です。
○三菱UFJ-VISAデビット
○PayPay銀行Visaデビットカード
どちらも年会費無料です。Garmin EPIXをお持ちでしたら、カードを取得することをお勧めします。
スマートウォッチ界随一の高性能なモデル
いかがでしょうか。
編集部の私も、これまでたくさんのスマートウォッチを試用してまいりましたが、これまでで一番の高性能モデルだと実感しました。
「Apple Watchの2倍の価値があるのか」「シャオミやAmazfitなど中国系のスマートウォッチ上位モデルの4倍の価値があるのか」、と言われるとそれは人それぞれかなと思いますが、価値を感じる人は確実にいるでしょう。
とにかくスマートウォッチは毎日、それこそ身体の一部のように身につけるものです。ちょっとした不満を抱えながら生活しているのは、それこそストレスがかかってしまいます。
そんな「身体の一部」として一緒に生活していくスマートウォッチを12〜3万円で買えてしまうなら、それを「お買い得」と捉えてもいいのかなとも思います。
特にGPSの正確さなどは目を見張るものでしたし、ゴルフにも使えるし、普段使いでも自慢できるし、電子マネー決済もできるとなれば、とてもいい自己投資ではないでしょうか。