ビザ・ワールドワイド・ジャパンは、シグナル調査部に委託し、全国の20~60代男女800人を対象に「キャッシュレス決済と現金利用に関する調査」を実施しました。
調査結果では、最もよく利用する決済手段として挙げられたのはクレジットカード(42.9%)。63.4%がキャッシュレス決済と現金を併用していると回答しました。
一方で「日常生活の中で現金が無いと不安を感じるか」という質問については、職業別にみると、専業主婦・主夫が最も高く、85.4%が「感じる」「どちらかといえば感じる」と回答し、平均を12.9%上回っている結果となりました。
最もよく利用する決済手段としてデビットカードを挙げている人は、貯蓄の習慣がない(「0%(月々の貯金はしていない)」と回答した人が17.6%と、現金ユーザーを11%も下回ることが判明しています。
以下、調査結果の詳細を報告していきます。
6割以上がキャッシュレスと現金を併用
利用頻度の高い決済手段として最も多く挙がったのはクレジットカード、次いで、現金となり、過半数の人がキャッシュレス決済と並行して現金を使っている結果となりました。多くの人はキャッシュレス決済を使いながらも、依然現金を使い、日本政府の掲げるキャッシュレスの推進に向けて、脱・現金への余地がまだまだ多いことがわかりました。
このように、生活の中での現金利用が根強く存在していることについてファイナンシャルプランナーの風呂内さんは、以下のようにコメントしています。
近年、日本でもキャッシュレス決済のバリエーションが増え、かなり便利に使えるようになりました。そのことで、どの決済手段を選ぶかという「選択コスト」や、新しい決済手段の使い方を学ぶ「学習コスト」が高くなっている部分もあります。現金であれば、使い慣れた方法で面倒がない。と思っている人の多さが結果に反映されているのかもしれません。 |
Q1. 利用頻度が高い順として当てはまるものをお選びください
(1位に挙げている決済手段)[SA] 単位:%*対象:全回答者(n=800)
Q2. あなたは、キャッシュレス決済と並行して、現金を使うことがありますか? [SA] 単位:%
*対象:全回答者(n=800)
現金支払いが多いと回答されたシーンは「スーパーマーケット」
キャッシュレス決済と現金を併用していると回答した507名へ、生活の中で現金を使うシーンはどんな時かを問う質問では、最も多かったのは「スーパーマーケット」(53.5%)となりました。そして、その理由として挙げられたものの中で最も多かったのは「スピーディーだから」(36.4%)でした。
さらに最もよく使う決済手段別に見てみると、現金を最もよく使うユーザーの場合、75.5%が「スーパーマーケット」、54.3%が「コンビニエンスストア」で現金を利用すると回答し、日常利用のシーンで現金への依存率が非常に高いことが伺えます。
こうした結果について、ファイナンシャルプランナーの風呂内さんは、以下のようにコメントしています。
スーパーやコンビニ、最近は自動販売機でもキャッシュレス決済ができる場面が増えました。使い慣れると、現金よりスピーディーに支払えると感じることでしょう。 一方で、なじみのある現金の方が、スピーディーに支払いが終了すると感じる側面もあります。ただ、お釣りのやり取りが発生すること、そもそもお財布に現金を準備するためにATMで引き出し準備をしていることなど、実は手間が発生している可能性があります。利用履歴を振り返るなどの点でも、現金の場合、レシートの保管や記帳が必要となり、知らないうちに手間がかかっている部分があるかもしれません。 |
Q3. あなたが、生活の中で現金を使うことが多い場所はどこですか? [MA] 単位:%
*質問対象:キャッシュレス決済と並行して現金を使うことが「ある」と回答した人(n=507)
*図の回答者属性:(左)全回答者(n=507)、(右)最もよく使う決済手段「現金」の回答者(n=151)
Q4. あなたが、現金でお支払いする理由を教えてください。 [MA] 単位:%
*質問対象:キャッシュレス決済と並行して現金を使うことが「ある」と回答した人(n=507)
現金が手元にないと不安と回答したユーザーを職業別にみると、専業主婦・主夫が最も多いことが判明(85.4%)
「日常生活の中で手元に現金が無い時に不安を感じるか?」という質問では、全体の72.5%が「感じる」または「どちらかと言えば感じる」と回答。同じ質問を職業別に見ると、専業主婦・主夫は85.4%が「感じる」「どちらかといえば感じる」と回答し、平均よりも12.9%高い結果となりました。
また、ATMの利用頻度に関する質問で「全く利用しない」と回答した人を除く対象者(n=673)に、1回あたりのATMでの引き出し額を問う質問をしたところ、5万円以上と回答したのは全体平均では28.2%、職業別に見ると専業主婦・主夫が43.6%と多く、現金依存率が高いことがわかりました。
現金に関する意識を職業別に見た結果について、ファイナンシャルプランナーの風呂内さんは、以下のようにコメントしています。
専業主婦・主夫の方からよく聞くお声として「学校にまつわる支払いなどに備えて現金を用意しておかないと困ることがあって不安だ」というものがあります。このように専業主婦・主夫の方は、現金が必要な場面に直面することが多いため、習慣的に現金を利用し、キャッシュレス決済ができるシーンでも現金を使ってしまう可能性もありそうです。ただ、現金以外で払えるシーンはキャッシュレスに切り替えることで、現金を温存した上でATMに通う回数を減らせます。ATMの利用手数料は上昇傾向なので、使う頻度を減らしていけると、家計としても有利です。 |
(左)
Q5. あなたは、日常生活の中で手元に現金がない時、不安を感じますか? [SA] 単位:%
*質問対象:全回答者(n=800)*図の回答者属性:専業主婦・主夫(n=124)
(右)
Q6. あなたは、平均して一回あたりATMで現金をいくら引き出しますか? [SA] 単位:%
*質問対象:ATMの利用頻度に関する質問で「全く利用しない」と回答した人を除いた回答者(n=673)
*図の回答者属性:専業主婦・主夫(n=101)
デビットカードを一番多く使うと答えたユーザーと、現金ユーザーでは、貯蓄習慣の有無で11%もの差が判明
貯蓄に関して「平均して月々の収入の何%を貯金に回していますか?」という質問に対し、「0%(月々の貯金はしていない)」と回答した貯蓄習慣が無いユーザーの割合を、よく使う決済手段別に見ると、「デビットカード」を決済手段として最も使うユーザーは17.6%だったのに対し、「現金」を決済手段として最も使うユーザーは28.6%と、11.0%もの差が開いていることが分かり、デビットカードの活用が貯蓄習慣にも影響していると考えられます。
この貯蓄に関する質問を回答者のメインで使う決済手段別に見た結果について、ファイナンシャルプランナーの風呂内さんは、以下のようにコメントしています。
着実な貯蓄を行おうとしたときに、一定の貯蓄割合を決めて、機械的・自動的に継続していくことが重要です。「できるだけお金を使わずに残った分を貯蓄しよう」という試みは続けるのが難しいことが多いです。利用するとすぐに引き落とされ情報が反映されるデビットカードなら、我が家の貯蓄額をいつでもこまめに確認ができ、利用履歴も自動的に残ります。 「家計を見える化」しやすいデビットカードの特長が、貯蓄習慣確立の助けになっているのかもしれません。 |
Q7. あなたは、平均して月々の収入の何%を貯金に回していますか? [SA] 単位:%
*質問対象:全回答者(n=800)*図の回答者属性:(左) 最もよく使う決済手段「デビットカード」の回答者(n=34)、(右) 最もよく使う決済手段「現金」の回答者(n=217)
今回の調査結果を見てみると、最も多く利用する決済手段として、現金がクレジットカードの次に多く挙げられていること、および、過半数のユーザーが現金をキャッシュレス決済と併用していることから、日本政府の目指すキャッシュレス推進に向けて、脱・現金の機会が多く存在することが伺えます。使った分だけその時点で銀行口座から引き落とされるVisaデビットは、銀行口座にデジタルにアクセスすることが可能で、「家計の見える化」に役立ち、貯蓄習慣を作っていくことにも寄与すると期待しています。
Visaデビットは、37の銀行*1が発行しています。現在新規に発行されるVisaデビットにはタッチ決済機能付きのものも多く、店舗で店員にカードを渡すことなく、リーダーにかざすだけで、サインや暗証番号の入力も不要*2で、非接触でスピーディーに決済することができます。Visaでは、新生活が始まるこの時期に、「お金の管理に優れた決済手段」であるVisaデビットを日々の決済に取り入れてもらうことで、より多くの消費者の皆さまに利便性の高いキャッシュレス決済を体験できるものと考えています。
*1: 2022年2月末現在
*2: 一定金額を超えるお支払いは、カードを挿し暗証番号を入力するか、サインが必要となります
<調査概要>
調査会社:株式会社シグナル 調査部
調査名:「キャッシュレス決済と現金利用に関する調査」
実査期間:2021年12月17日~12月20日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象:20~60代男女800人
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