ランナー向けの機能を強化した「HUAWEI WATCH GT Runner」
スマートフォンの世界シェアでAppleを凌ぐ世界屈指の通信機器メーカーであるファーウェイ(HUAWEI)。
スマートウォッチの分野でも人気で、世界シェアは15%以上。多くの中国企業ブランドがそうであるように、とても高いコストパフォーマンスで高性能な製品を販売しています。
その中でもHUAWEI WATCH GTシリーズはミドルレンジ~ハイエンドのシリーズで、スポーツモデルとクラシックモデルがあり、オールラウンドな機能を備えています。
今回紹介する「HUAWEI WATCH GT Runner」はランナー向けの機能を強化したモデルで、価格は¥34,980とHUAWEIのスマートウォッチの中ではハイエンドのモデルに位置づけられます。
搭載している主要機能の一覧表は下記の通り。
運動系の機能はもちろんのこと、スマホの通知受け取りをはじめとした日常使用で便利な機能も多数搭載していて、スマートウォッチとして非常にハイスペックなモデルといえるでしょう。
■搭載スペック
※下記の搭載スペックは編集部調べのデータになります
【発売時のニュース記事はこちら】HUAWEI初のランナー特化型ウォッチ『HUAWEI WATCH GT Runner』を12月10日(金)より発売。走力を科学的に測れる機能あり!
開封からインストール
外観はこのような感じで、ロゴの部分がキラリと光って高級感があります。
中に入っているのはスマートウォッチ本体と専用の充電ケーブル、Mサイズ用の替えバンド、説明書と保証書です。
充電は専用のケーブルでマグネット式になっています。
軽い使用ならば2週間充電いらずのロングバッテリーなので、旅行先などにも持ってく必要がなく、自宅に1つ充電ケーブルがあれば十分でしょう。
ペアリング&インストール
まずはウォッチで言語を指定して、ペアリングの作業をします。
文字盤に、スマートフォン側でスマートウォッチを管理するアプリ「HUAWEI Health」をダウンロードするためのQRコードが表示されるので、読み取ってインストールします。
HUAWEI IDを登録する必要もあります。電話番号かメールアドレスで登録しておくと良いでしょう。
下部メニューの「デバイス」から「追加」をタップしてペアリングをします。
おそらくこの作業のみでペアリングできるはずですが、筆者はちょっとうまくいかなかったので、iPhoneのBluetooth設定から HUAWEI WATCH GT Runner-F6Cを接続させてからペアリングしたらうまくいきました。
外観とランニング以外の機能
本モデルにはランニングに関する機能はもちろんのこと、一般的なスマートウォッチとしての機能もしっかりと備わっています。
ウォッチフェイスはデジタルのものから、ビジネスシーンにも合うようなアナログのものまで豊富に揃っています。
タッチスクリーンの操作も滑らかでストレスなく操作できます。
ウォッチ本体の重量は38.5gと超軽量でセラミック仕上げのベゼルも美しく、画面はフルカラーの1.43インチAMOLEDディスプレイです。
リューズボタンをダイヤルさせると画面スクロールできるので、グローブをはめていても操作可能。
マイクとスピーカーが搭載されており、スマートウォッチ本体で電話通話ができる他、音楽の再生もできます。
HUAWEI WATCH GT Runner本体に音楽データを取り込むこともできるのですが、これはAndroidのみの機能になるようです。
ベルトは柔らかい素材で通気性も良く装着感が爽快です。
ワンタッチで取り外しできるので、ビジネス使用時には革ベルトに付け替えてもいいかもしれません。
ランニングしたくなる仕掛けがたくさんある「HUAWEI WATCH GT Runner」
次はこのスマートウォッチのウリである「AIランニングコーチ」にランニングの計画を立ててもらうことにします。
性別、身長、体重に加えて、自分がどれくらいのペースでランニングをしているか、どれくらいのペースで走走っているのか、などを入力します。
おそらく、この自己申告をもとに適切なランニングプランを立ててくれるのでしょう。
私は最近は走ることをサボっていたので、「3K beginner plan」を提示されました。
まあ、ちょうどいいでしょう。
さっそく、このプランで走ってみることにします。
これは確かにビギナーにぴったり。「AIランニングコーチ」
私のプランでは月曜日・木曜日・土曜日がランの日、その他の日は休養日です。
毎日何Kmも走るようなことは絶対にできないですし、このプランでもちょっと続けるのは難しいかな、と思いながらですが、まあとにかく始めてみようと思います。
初日は木曜日でプランは「Run/Walk 30分」となっています
「30分走るのかー」と思いながらスマホでスタートをタップ。
すると「1/22 ウォーキング5分」と表示されました。
なるほど、5分はウォーミングアップでまずは歩くようです。
5分経つと「2/22 ランニング1分」と表示されます。
なるほど、次は1分走って、その後はまた1分歩いて、、の繰り返しなので「Run/Walk」なのか。
・・・そうやって1分ずつ交互に走って歩いてを繰り返し、最後はまた5分のウォーキングで本日のトレーニングは終了。
走るスピードは個人任せなので、これならランニングのビギナーでも比較的容易にこなせるメニューといえるでしょう。
ちなみに1週間のプログラムとしては、最初の2回は同じ「Run/Walk 30分」。最後の1回は「Easy run 20分」でした。
この「Easy run 20分」は20分間続けて走るのですが、心拍数を85〜101bpmに保ちながらのランニングです。「101bpm以下に保ちながら走る」というのはかなりゆっくりしたペースで、走るというよりは早歩きくらいのペースでないとすぐに101bpmをオーバーしてしまいます。
20分間続けて走るというと少し気後れしてしまいますが、「20分間の早歩き」で十分ですから、これもビギナーにぴったりのメニューでしょう。
こういったメニューが4週間で1セットのプログラムになるようです。2週目からはランニングに心拍数のペース設定をAIが無理なく設定してくれます。
「ランナーに特化したスマートウォッチ」ということでかなり身構えて使用し始めましたが、初心者ランナーやこれからランニングを始めたい方にもぴったりの一本だといえるでしょう。
上級ランナーにも対応したプログラムが多数
上記のようなヨチヨチランナーだけでなく、アスリートとしてのランナーにも対応するプログラムがちゃんと用意されています。
「HIITラン」という上級メニュー(HIITとはHigh-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)の略で、高強度インターバルトレーニングのことです)は全速力ラン3分(ここがまずビギナーには無理ですが)–ジョギング2分-を繰り返すメニューなどもありますし、それぞれのレベルにあったトレーニングのコースを選ぶことができます。
下部の「運動」→「おすすめのコース」から選び、「基本レベル」「脂肪燃焼」「有酸素運動」「持久力」など自分が強化したいメニューの中から選ぶことができます。
これなら全てのレベルのランナーが自分に合うコースを選択できるでしょう。
乳酸閾値(LT)を知ってトレーニングに生かす
ランニングトレーニングをしっかりと行っている方は耳にしたことがある値に「乳酸閾値(LT)」という値があります。
乳酸閾値とはざっくりいうと「これ以上のペースで走ると体にどんどん乳酸がたまっていく境目の数値(=閾値)」となるでしょうか。
ゆったりとした有酸素運動では乳酸が溜まることはないのですが、ダッシュなどの運動の強度が高くなると体内(血液内)に乳酸が蓄積されて、筋肉を動かす指令を脳がやめてしまいます。この「乳酸が急激に上がり始めるポイントが乳酸閾値となり、ランニングペースと心拍数で表されます。
たとえば「あなたの閾値ペースは5:00/km、心拍数165」というように表示されます。
この閾値を向上させることができれば、もっともっと速いペースで走っても乳酸が溜まらず、楽に走ることができるのです。
乳酸閾値を上げるトレーニングは様々な方法がありますが、まずは自分の乳酸閾値を正確に知ることが必要ですし、定期的に乳酸閾値をチェックしてトレーニングの成果を確かめることが重要になってきます。
前置きが長くなりましたが、「HUAWEI WATCH GT Runner」で乳酸閾値(LT)を測定することができます。
この乳酸閾値(LT)を測定できるスマートウォッチはGARMINのランナー用上位モデルなどでしか測定できず、3万円台のスマートウォッチでこの機能が付いているのはちょっと驚きです。
測定はHUAWEI WATCH GT Runnerのメニューから乳酸閾値を選びます。
年齢・性別と正確な身長・体重を確かめてOKボタンを押します。
測定には25分ほどかかります。また、正確にGPSを受信できる開けた場所でトレーニングを行う必要があり「自分が肉体的にこれを完了できることを確認してください」と、かなり脅されてスタートします。
ちなみに、「HUAWEI WATCH GT Runner」5種測位衛星システムに対応し、アンテナがラグ部分に装着されたGPSセンサーを使用しているので、GPSのキャッチも早く、追跡も正確でした。
乳酸閾値測定は6段階のステージで心拍数を保ったランニングをします。最初は110-129bpmという比較的低い心拍数に保って8分間のジョギング。次に少し心拍数を上げて5分間のラン、、、と徐々に心拍数を上げていき、最後は170くらいの高い心拍数を保って3分間のランをして終了です。
この乳酸閾値を定期的に測定して、ランニング能力の向上を実感できるようになると、とても励みになりそうです。
モチベーションを保ちやすい仕掛けがたくさん
もちろん、管理アプリの「HUAWEI Health」ではランニングの能力指数やVO2Maxなども表示してくれます。
筆者個人の感覚で言うと、ランニングを続けるために一番必要なのは「モチベーションを保つこと」だと思います。レースに出場するということでもいいですし、自分の中の目標タイムをクリアするということでもいいですし、体重や体脂肪率の目標設定をする、ということでもいいと思います。
どうしても三日坊主になりがちなランニングですが、この「HUAWEI WATCH GT Runner」があれば目標設定もしやすく、ランニング中のペース配分も教えてくれるので、モチベーションを保ちやすい仕掛けがたくさんあるなと感じました。
まずは自分のレベルを確かめ、そのレベルに合ったトレーニングを提示してくれる「HUAWEI WATCH GT Runner」は、初心者から上級者まで全てのランナーが満足できるスマートウォッチだといえるでしょう。
ランニングの機能もその他の機能もハイレベル!
このように「HUAWEI WATCH GT Runner」は、ランニングの機能もランニング以外の部分でも、しっかりとした機能が揃っており大満足な一本です。
でも、やっぱりせっかくここまでランニングに特化した機能が揃っているスマートウォッチですので、すでに日常的にランニングをしている方は「さらに効果的なトレーニングをするために」、まだランニングを始めていない方も「これからランニングを始めるために」使用してもらいたいスマートウォッチです。
あわせて読みたい
Polar Vantage V2 試用レビュー。本気のランナーにおすすめのスマートウォッチ!
※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。