iPhoneやApple Watchで各種キャッシュレス決済をしようとしたり、その過程でクレジットカードを登録しようとすると、「Apple Pay」「ウォレット」「QUICPay」「PayPay」など、いろいろなアプリの名前や決済サービス名が出てきます。
「○○ペイってやつが沢山ありすぎて意味が分からない!」「そもそも『電子マネー』って何なのか」「iPhoneやApple Watchの『ウォレット』アプリと『Apple Pay』って何が違うのか」などなど、疑問が山積の人は多いでしょう。
本記事では、そうした電子マネー関連の用語と意味を徹底解説します!
「この○○ペイって何だっけ?」と思ったときは、記事冒頭と中頃に記載した一覧表を見ながら読んでみてください。
iPhoneやApple Watchで使う「電子マネー」とは
まずは、私たちがスマホやスマートウォッチで使う「電子マネー」とはそもそも何なのか、を噛み砕いて解説します。
電子マネーとは、ざっくり言うと「データ化されたお金」のことです。
もっと簡単にいえば「スマホやスマートウォッチをお店で『ピッ』とかざして支払いができるもの」と考えておけばいいでしょう。
なので、ここでは話をわかりやすくするために、「ネット銀行での送金など、パソコンでの操作が必要なもの」「カード実物が必要なもの(カードをかざして支払うタイプのVISAのタッチ決済やMasterCardコンタクトレスなど)」は、とりあえず電子マネーではないと考えておきましょう。
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……と考えると、世間でよく聞く「○○ペイ」と呼ばれるものには、上記の電子マネーの定義に含まれないものが結構あることが分かると思います。
たとえばCMでよく見る「AirPAY」。あれはお店側が使う各種決済サービスの総称なので、「電子マネー」とは言えません。
また「Apple Pay」も電子マネーとはいえません。
「Apple Pay」は、各種電子マネーやポイントサービスなどを入れられる「電子マネーのお財布」のような存在で、「Apple Pay」という支払い方法はないのです(だからコンビニでの支払い時に「Apple Payで」と言ってもお店の人には伝わりません)。
と、文章でゴチャゴチャ書いても分かりづらいと思うので、下のような一覧表を作りました。
これで、よく聞く「○○ペイ」や各種電子マネーが、どのような位置づけのものなのか分かるかと思います!
スマホやスマートウォッチ関連の電子マネーの分類表がコチラ!
上記の表でSuicaや楽天Edy、nanacoなどの上に書いてある「プリペイド型」とは、つまりは先払い方式のこと。
もっと分かりやすくいえば、「事前にお金をチャージしておかないと使えない電子マネー」ということです。
一方でid、QUICPay、VISAのタッチ決済(カードではなくiPhoneやスマートウォッチでタッチ決済を行うタイプ)などは後払い方式。いずれも登録したクレジットカードを支払い元としているので、一ヶ月ごとに請求が行われて、銀行口座から引き落としをされるわけです。
……と、いろいろと書きましたが、コンビニ等での支払い決済時は、上の表の真ん中2列の具体的な決済サービス名を伝えて(「Suicaで」「PayPayで」など)、会計を行うと覚えておけばいいでしょう!
「お財布」のApple Payは電子マネーではない
では、さらに細かく解説をしていきます。
先ほどApple Payは「電子マネーのお財布のようなもの」と書きましたが、同じようなカテゴリーに入るものには、各種スマートフォンやスマートウォッチで使える
・Google Pay
・Garmin Pay
・Fitbit Pay
などが挙げられます。これらは全て「電子マネーの入れ物」、もっと簡単に言えば「電子マネーのお財布」です。
iPhoneやApple Watchを購入したら、すでにApplePayが入っているのは「お財布」だから。
Androidスマホを購入すればGoogle Payがプリインストールされているのも同様です。
下記の動画でも「電子マネーがまとまるGoogle Pay」と説明されていますが、Google Payは電子マネーをまとめる存在であって、それ自体が電子マネーではないというわけです。
ただ、いずれの場合も、アプリを立ち上げればすぐに電子マネー決済ができるわけではありません。
Apple PayもGoogle Pay、あくまで「電子マネーのお財布」なので、そこにSuicaやQUICPayやiDといった具体的な電子マネーを入れていく(使える状態にする)ことが必要なわけです。
AppleのWalletアプリとはどんなものか
そしてiPhoneのWalletアプリのややこしいところは「Wallet=ApplePay」ではなくて、「Walletの中にApplePayが入っていて、そのApplePayの中に各種電子マネーが入っている」というところです。
図解すると下記のようになります。
こちらはGoogle Payもほぼ同様です。
ただし、Google PayにはApple Payには入らない楽天Edyやnanaco、WAONといった電子マネーを入れることができます。
一方で、クレジットカード関連の電子マネー(iDやQUICPay、VISAのタッチ決済)には「Apple Payには入るけれどもGoogle Payには入らない」というものが多いです。
どちらかというとApple Payのほうが電子マネーのお財布として使える幅が大きいと言えるでしょう。
こちらは別の記事もありますので、そちらを参照してください。
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Apple Watchで使える電子マネーを徹底解説! SUICA、QUICPay、iDをApplePayで使う方法
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QRコード決済には「電子マネーのお財布」がいらない
最後にQRコード決済についても解説します。
現在、スマートフォンやApple Watchで使われている電子マネーのサービスといえば、Suicaと並ぶ存在感を持っているのがPayPayでしょう。
PayPayは2021年8月19日の記者説明会のなかで、QRコード決済において3分の2のシェアを獲得していることを発表(取り扱い高で68%、回数で66%)。
東京などの大都市圏ではSuicaなどの交通系電子マネーの普及率が高いために、店舗で使われる電子マネーはSuicaが圧倒的な印象ですが、店舗側の導入コストがかからないこともあり、地方では「Pay Pay」の普及率がどんどん上がっている印象があります。
店舗でのサービス導入が増えてきたために「d払い」や「AU Pay」「メルペイ」「LINEペイ」を使う方も増えてきたようです。
これらのQRコードでの決済方法はクレジットカードを介さずに、マネーを直接デポジットするために、Apple PayやGoogle Payというお財布を使わずに、いわば別ポケットに直接マネーを持つことができます。
スマートウォッチで使えるのは現在Pay Payのみですが、これからは増えていくことが予想されます。
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●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、編集部員は常にスマートウォッチを片腕or両腕に着用。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」にも出演。
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