若き起業家が設立したFitbitがグーグルの目に止まったわけ
米国の経済誌『Forbes』が発表したレポート(*1)によると、2021年第1四半期におけるスマートウォッチの世界的シェアはApple Watch (34%)、ファーウェイ(8%)、サムソン(8%)、そしてFitbitが4.2%となっています。
この分野はApple Watchが圧倒的にリードしています。
2番手グループとも言える3社のうち、他の2社がアジアの巨大企業であるのに対し、Fitbitは米国カリフォルニア州に拠点を持つ若い企業です。
米国内に限れば、Fitbitの知名度はApple Watchとさほど変わらないでしょう。
Fitbitの創業者の1人であり、現在も経営最高責任者 (CEO) 兼社長のジェームズ・パーク氏はまだ40歳になったばかり。
ハーバード大学を中退し、30歳の頃にFitbitの前身である会社を創業し、そのわずか8年後にはForbes誌が選ぶ「40歳未満の起業家たち」ランキングで29位に選ばれました。米国経済を牽引する若き起業家の1人です。
そして今年の1月にはFitbitはグーグル社の1部になることが発表されました。
FitbitとLifeScanの提携。血糖値モニタリングがInspire 2で実現
さて、そのFitbit が血糖値モニターを主製品とする医療関連会社(LifeScan)と提携すると言うニュース(*2)が最近米国で発表されました。
このことにより、ユーザーは血糖値レベルの推移をFitbitのアプリ上で確認することが可能になります。
まずはFitbit Inspire 2にその機能が付加される予定とのことです。
米国疾病予防管理センター(CDC)の発表(*3)によると、糖尿病患者の33〜50%がそれでも不健康な生活習慣を改めることができず、血糖値のチェックを怠ったり、医者との予約をキャンセルしたりしがちなのだそうです。
手首に装着するスマートウォッチで容易に血糖値のモニタリングができるようになれば、ユーザーの利便性はぐんと高まり、健康に大きく寄与することが期待されます。
人々の健康志向がますます高まる中、今後もこうしたスマートウォッチと医療関係の連携は進むのではないでしょうか。
元々の会社名が”Healthy Metrics Research”(健康指標調査)だったFitbitはその分野を引っ張っていく存在かもしれません。
*1. https://www.forbes.com/sites/johnkoetsier/2021/05/27/global-smartwatch-market-apple-34-huawei-8-samsung-8-fitbit-42/
*2. https://www.wareable.com/fitbit/fitbit-doubles-down-on-glucose-with-lifescan-partnership-8536
*3. https://www.cdc.gov/diabetes/managing/mental-health.html
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani
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