ギャラップ社の世論調査によると、現在はアメリカ人の約19%、およそ5人に1人がFitbitやAppleWatchなどに代表されるスマートウォッチを使っているそうです(*1)。
スマートウォッチの使い方は人によって様々ですが、そのメリットの1つに健康に関するデータ(心拍数や消費カロリー量など)を継続して記録することができることがあります。そしてそのデータは、新型コロナウイルスに感染の有無を判定する一助にもなりえます。
さらに一歩進んで、スマートウォッチから得られる膨大なデータを医学的な調査に活用する動きが出てきました。その調査によって、病気からの回復過程についても明らかになったことがあります。
*1. https://news.gallup.com/poll/269096/one-five-adults-health-apps-wearable-trackers.aspx
新型コロナウイルス肺炎による心拍数の増加は長く続く
米国の医学雑誌『JAMA Network Open』で発表されたスマートウォッチを活用した研究論文(*2)によると、新型コロナウイルス肺炎の症状の1つには心拍数の増加があり、その症状は数週間から数か月にも及ぶことがあるということです。この期間は他の呼吸器疾患と比べて著しく長く、新型コロナウイルスの特徴と呼べるもので、今後の医療に大いに役立つであろうとも論文著者らは述べています。
*2. https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2781687
スマートウォッチは医療分野でも活用できる
上の研究は2020年3月25日から2021年1月24日までの約8か月、4万人近い被験者にスマートウォッチを着用してもらい、そのデータを解析したものです。スマートウォッチが普及する前は、このような大規模な医学調査は困難であったでしょうし、データの信頼性も低くなったのではないでしょうか。スマートウォッチには新たな可能性が秘められているようです。
●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani
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