「Apple Watch5」の発表日に当ててきた記者発表は自信の現れ?
『Fitbit(フィットビット)』は9月11日、新作発表会を開催し、同社のスタイリッシュなミドルグレードスマートウォッチ「Fitbit Versa」の新作「Fitbit Versa 2」を発表しました。折しも日本時間11日未明にスマートウォッチ界の巨人「アップルウォッチ5」が発表され、今回の発表会はそれにぶつけた格好です。
その発表会では、「アップルウォッチ」に今回もデフォルトで搭載されなかった「睡眠分析」について多くの時間が割かれ、”「アップルウォッチ」にできないこと”を大フィーチャー。逆に音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」にも対応するなど、”「Fitbit」にできなかったこと”もできるようになった「Versa2」。完成度が劇的に上がった新作をレポートします。
世界一寝ない日本人にこそ必要な『Fitbit』
登壇したFitbit副社長兼アジア太平洋地域事業部長のスティーブ・モーリー氏の報告によると、日本人の平均睡眠時間は平均6時間47分、平均就寝時間は午前12時で、Fitbitが統計を集めている18カ国の中で最も少なく、もっとも遅いとのこと。この結果は身につまされる人も多いのではないでしょうか。とにかく寝ていない日本人、まずは自分の睡眠の質を知ることが大事です。「睡眠分析」こそFitbitのお家芸。ここでおさらいしておくと、「Fitbit」は、独自のアルゴリズムから導き出した100満点のスコアで睡眠の質を判定してくれたり、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠を自動的に記録してくれます。そしてFitbitユーザーは10分以上睡眠時間が伸びると聞かされれば、「アップルウォッチ5」よりぐっと魅力的に見えてきてしまいますよね(ちなみに73%のユーザーは体重が減ったそうです)。
この秋、アメリカから順次スタートするサブスクリプションサービス「Fitbit Premium」では、これまで以上に詳しく睡眠データを分析でき、パーソナライズされたアドバイスをくれると言うのですから、ものぐさな人にはいいかもしれません。日本のサービスインは来年春の予定です。さらに睡眠関連で言うと、アップデートで対応する新機能「スマートウェイク」が非常に楽しみ。これは、「Fitbit」がもっとも目覚めのいい時間を分析し、セットした起床時間の30分以内にバイブとアラームで起こしてくれるというもの。毎日起こすのが大変な子どもたちに全員装備したい!
続いて登壇した睡眠改善インストラクターの小林麻利子氏も、これまで”時間”でしか見えなかった睡眠が「Fitbit Verasa2」なら”質”まで”見える化”でき、その効果は大きいと太鼓判。また、睡眠測定の精度の高さにも驚いたようで、日本に甚大な被害をもたらした台風15号が直撃した夜の睡眠データは、睡眠中の目覚めが多く、クオリティが下がったそう。
今回の発表会でハッキリしたのは、健康重視の人は「アップルウォッチ」より先に絶対こっちを買うべきということ。スマートウォッチとひとくくりにされがちですが、「Fitbit」は人生をより豊かにするという価値からブレない商品作りを行っており、「アップルウォッチ」の健康に関する機能が中途半端に感じてしまうほどでした。
アレクサ対応、有機EL、常時表示、プロセッサー強化etc.
ハードの魅力も倍増した「Versa2」
この「Versa2」、ハードもしっかり進化しています。まずはスクリーンが有機EL化し、発色が鮮やかに。そして、「アップルウォッチ5」で話題になったスクリーンの常時表示もできます。しかもそれでバッテリーが4〜5日持つのですから、「アップルウォッチ」に対するアドバンテージは一目瞭然。同じく4〜5日のバッテリーがライフを持つ「VersaLite」を使い倒している身から断言しますが、毎日の充電から開放からされるって結構デカイですよ! ほんとラク!! プロセッサーも進化し、ヌルヌル動きますし、「Spotify」がプリインストールされていたり、音楽データを300曲まで本体に入れられたりと、「Versa」の弱点だったエンタメ機能も強化されています。
そして、「Versa2」の機能的なハイライトは音声アシスタント「アレクサ」への対応でしょう。スケジュール登録をしたり天気を尋ねたりと、多くの人が「スマートウォッチ」としてイメージするハイテク感あふれる機能です。スタッフの方に実際にデモしてもらいましたが、認識の精度もレスポンスも使える機能だと感じました。
でも、未だ日本で電子お財布機能「Fitbitペイ」が使えないのと、GPSを内蔵していない点は本当に残念(ケータイを持っていればケータイGPSとリンクしてログはとってくれます)。ケータイもサイフも持たずに「Versa」を着けてランニングに出かけたい!
「Versa2」で「アマゾン アレクサ」を使用している様子がこちら。
「Spotify」をプリインストールし、コントロールが可能。有機ELの画面もキレイです。
ギークのスマートウォッチじゃない!
女性がアリと言ってくれるスタイリッシュなルックス
シャツの袖からのぞく時計がどう見えるかに、高級時計ブランドは並々ならぬ熱意を注ぎますが、スマートウォッチのデザインはその点まだまだな印象でした。しかし今回、「Versa2」を見ていて感心したのがサイドのフォルムです。厚み自体は旧型とそれほど変わりませんが、「Versa2」は裏蓋に向かって、なだらかな曲線を描いているんです。このデザイン、スポーティさは減少するものの、優しげでよりエレガントな印象を与えるので、女性も着けやすいですし、なによりもオンスタイルにもマッチするのが大きなポイント。ルックスは「Fitbit」も相当意識しているようで、交換ベルトの豊富さと言ったらありません。おなじみのシリコンからレザー、ウーブンまで、個性豊かなベルトをラインナップしています。もちろん、交換もワンタッチレバー式で簡単ですよ。
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この「Versa2」、ガジェットに興味がない女性も普通におしゃれと思ってくれると思います。時計はアクセサリーという一面もあるのですが、「Versa2」はそんな時計の一面をしっかり持っています。スマートウォッチがギークのものからみんなのものへ一歩踏みだした記念碑的なモデルかもしれません。
「アップルウォッチ」とは違う価値を提供する「Versa2」
スマートウォッチとして捉えるなら「アップルウォッチ」「WearOS」勢は競合と言えるのでしょうが、それぞれが違う価値を持つので、できるなら両方買って両腕にって言いたいところ。とは言え、スタイルやオサイフ的にそうもいかないもの。「Fitbit」はアクティビティトラッカーからスタートしたブランドなので、睡眠、移動距離、歩数、心拍数など、毎日の行動を記録や分析を重視するなら、もう「Fitbit」一択です。もちろん、電話着信、メール、LINEなどの通知も腕元で受けられますし、Uberやニュースなどのアプリも入れられます。「アップルウォッチ」をそれほど使い込んでない人は、「Fitbit」でも「アップルウォッチ」と同じことができ、さらに健康面の使い勝手は「アップルウォッチ」を凌駕します。お値段も通常モデルは2万6990円(税込)、スペシャルエディションは3万1800円(税込)と「アップルウォッチ」よりかなりお買い得。発売の9月24日が待ちきれません。
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