本記事はまったくデジモノに興味のなく、機械式時計と息子をこよなく愛するアナログ人間によるはじめてのスマートウォッチ体験記。まずは彼の元に「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」と「HUAWEI Band 4e」が編集部から送られてきた顛末とファーストインプレッションをお届けします。
スマートウォッチを敵視している私の家にスマートウォッチがやって来た
生来、古いモノ、アナログなものが私の大好物。仕事の関係上、PCやスマホなど必要最低限のデジモノは揃えていますが、イヤホンはいまだに有線派ですし、フィーチャーフォンだってメーカーが生産中止にするまで使い続けていました。データ保存もUSB接続のHDD。今流行のクラウドを駆使してデータを管理するなんてこと、気持ち悪くて仕方ありません。
もちろん腕時計も、ガチガチの機械式派。朝はコーヒーを煎れながらリューズを巻き上げるのがルーティーン。コツコツ資金をためてはボーナスが出るたびに“えいや!”と時計のラインアップを増やすのが何よりの楽しみ。今日は何を着けようかな? と着こなしに合わせて時計を選ぶ時間は、何物にも代えられません。
ゆえに、と申しますか。いわゆるスマートウォッチは敵視、と言わないまでも敬遠し続けているジャンルでした。理由は簡単。すでに申し上げたとおり単純にアナログ時計が好きなこと。そしてもうひとつ、毎日同じ時計を着けるなんて、私にとってもってのほかなのです。しかし、運動データ、脈拍、果ては睡眠の質まで測ってくれるというスマートウォッチは、毎日身に着け続けるしかない。時計に関して浮気性な私としては、本命を決めろ!と詰め寄られているようで正直苦手でした…。
モノも時計も完全アナログ派。そんな私の愛機の一部をご紹介。初めての『ロレックス』は「サブマリーナー ノンデイト」(写真左)。一番安いサブマリーナーとして、これでロレックスデビューした人も多いのでは。最近新作が発表されたため旧型になってしまった「エクスプローラーⅠ」(写真中)。写真右が硬派なミリタリーウォッチ『フォルティス』で、子供と遊ぶときに大活躍。あとはブライトリングとグランドセイコーも所有しています。
ということを、私を洗脳しようとしてくるスマートウォッチ信者の本誌編集長に話していた矢先(ちなみに、私はまったくの部外者です)、身に覚えのない小包が送り付けられてきました。怪しみながら開封してみると、小箱が2つ。『ファーウェイ』の「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」と「HUAWEI Band 4e」……⁉
ネットで調べてみると、前者は2020年には発売されたばかりの定価約4万円の高級スマートウォッチ、後者はこの春ローンチとなったわずか3000円で購入できるスマートバンドとのことでした。
我が家に突然送られてきた「ファーウェイ」のスマートウォッチ2本。これは一体何?
何事かと編集長に連絡を取った結果、スマートウォッチの魅力は使えば分かる、これでダメならスマートウォッチ派への勧誘をあきらめるとのこと。わかりました、いい加減彼の布教活動にうんざりしていたころです。使ってみていかに私がアナログしか受け付けないカラダなのか、分かってもらおうじゃないですか!
というわけで、今回は、超アナログ派、スマートウォッチの存在を知っているが使ったことがない、そして事前情報なしの私が、2日間にわたり文字通り“さわり”に触ってみた拙いルポです。そのため、スマートウォッチをすでにバリバリ活用している、または2モデルのことはもうよく知ってる、という方は何卒回れ右で。
まずは開封の儀。機械式時計信者がその外装に触れてみて素直に思ったこと
手に届くまでに紆余曲折ありましたが、製品に罪はありません。順に開封していきましょう。
まずは、「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」。密封性の高い蓋を”ずずず”と上げると、ご尊顔がお目見え。クッションに雑に巻いた時計が放り込まれている同価格帯のアナログ時計とくらべると、明らかに高級感ある作りです。
正直、なかなかやるなと言うのが第一印象。こういう所有感に直結する化粧箱の作りは、本当に大切で、その点では「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」の実力を私も認めざるを得ません。同梱されていたのは、説明書を除くと、本体の他にマグネット式の充電スタンド、ケーブル、及びこの後にも触れるシリコン製ストラップです。
さて本体を出してみたところ、デフォルトで装着されているのは柔らかなシボが入ったリアルレザーのストラップです。ブラックやネイビーなどベタに走らず、ベージュというのがとても大人っぽい。着脱もイージーチェンジャブルになっている点は合理的です。
そして調べて驚いたのが、タッチスクリーン式の風防はサファイアクリスタルガラス、ケースはチタニウムで、肌に触れるケースバックはセラミック……。アナログウォッチと照らし合わせれば、10万~20万円は確実なスペックです。高級機械式時計に触れてきた私から見ても、これはちょっと侮れない。定価4万円近くする本機、正直最初はデジモノなのに結構高いなあと思っていたのですが、認識を改める必要がありそうです。
柔らかなシボが入ったリアルレザーのストラップ。
裏を返せば謎の発光体が。これは心拍センサーで24時間ユーザーをモニタリングするのだとか。
さてケース径46.7mmともなると、『パネライ』の「ルミノール」とタメを張る大きさです。しかし、薄めのベゼル、ケースと一体化したラグのおかげか数字ほどのビッグさは感じませんでした。あくまで、日本人が腕に乗せていて“ちょっと大きいな”と思うレベル。スーツによっては袖へのおさまりが少々気になりますが、極厚のムーブメントを積んでいるわけでもないので引っ掛かりが気になる、ということはなさそうです。
手にとって傾けて液晶を光らせ、手に乗せてみたところ。ケース径は46.7mmですが、ケースがスマートなので変な存在感はありません。
「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」には、レザーストラップに加えシリコンストラップが付属していました。さらさらとしたパウダー感があって、多少の汗ばみは気になりません。穴も多めなので、サイズが合わない! ということはよっぽどのことがなければないでしょう。欲をいえば、結構目立つ場所にロゴがあるのが気になるところ。しかし、尾錠、剣先のカット含めスポーティに仕上げているのでこれはこれで良いのかもしれません。製品そのものの匿名性(ブランド名がわからない感じ)が好みではあったので、強いて言えば不満点はそこだけです。
私の使用用途としては“休日子供と公園へ”なので、これ以降シリコンストラップに換装して使いたいと思います。
右が付属のシリコンストラップ。触り心地も良好です。
そして、「HUAWEI Band 4e」です。価格は何と約3000円。Amazonで調べる限り同価格帯で怪しいノーブランド品がひしめくなか、デジタル音痴の私でも知っていて、実績も背景もある『ファーウェイ』の製品がこの価格というのは、きっと評価すべきポイントなのだと思います。唯一入ってきた事前情報によると、こちらと先の「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」を併用することでスポーツシーンにおいて+αの情報を得ることができるらしいのです。……え? サッカーの本田選手よろしく両手に巻けってこと? 疑惑は深まりますが、開封を急ぎます。
本体以外に入っていたのは本体と、リストバンド、換装用のクリップ式バンドおよび充電用のアタッチメント。小さな本体を、この2つのバンドで付け替えて使う仕様のようです。ここで前述の疑問も解消。なるほど、「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」は腕に巻いて、このスマートバンド「HUAWEI Band 4」はシューズに着けるのか、納得です。
流石にボックスに「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」ほどの高級感はありませんが、約3000円という価格を考えるとそれは当然。その代わり、トランスフォーマー感といいますか、別の形態に変形する様はアナログ派にもビビッとくるものがあります。
充電はバンドから外して、USB端子の充電スティックに差し込む方式。スマートウォッチって電気製品なんだなと、つくづくと感じました。
これがフットモード用のアタッチメント。これの存在に気がついてようやくデュアルモードが腕と脚に着けるものなんだと理解しました。
これにて開封の儀は終了。特に「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」ですが、デジモノにはまったく期待していなかった開封時のドキドキ感が胸に沸き起こったのは正直意外でしたね。高級機械式時計至上主義者の私から見ても、これはいい作りをしていると思います。スマートウォッチに高級感とか落ち着きを求める人は、「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」は悪くない選択肢だと思います。
さて開封して写真を撮ってようやく使い始められると思いきや、そうは行かないのがスマートウォッチなんですね。どうやらスマホとのペアリングが必須のよう。セットアップやはじめての着用を続けてレポートしていきます。
お出かけ当日朝のセットアップ。果たして、ノー知識で乗り切れるのか?
「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」と「HUAWEI Band 4e」が我が家にやってきたのは金曜日。その日にスマートウォッチを2本も開封して正直お腹いっぱいでしたが、決戦の日となる明日の土曜に向け、前日の準備を抜かりなく済ませておきます。
デジモノは、千里の道も充電から。「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」と「HUAWEI Band 4e」はUSB接続での充電が可能なので、ア〇プラで見逃していた「呪術〇戦」を一気見している間にPCに接続しておきました。個人的には、充電アタッチメントもケーブルもお互い干渉しないサイズ感なので、隣同士のポートでも充電できてしまうのがポイント高めでした。
ご覧のように隣同士のポートでも難なく充電可能でした。
しかし、ア〇プラ完走後、なんと寝落ち。翌朝早く息子たちが起きてくる前にセッティングを開始することになりました。結果から言うと、スマホとのペアリングは、時計とスマホアプリの指示通りに操作するだけで、アナログ派の私にも非常に簡単でした。デジタルアレルギーの方も安心していいと思います。
何はともあれ、アプリのダウンロード。これがなければ、何も始まりません。
年齢や体重、取得するデータ、使用する機種など順に登録。改めて肥満体だなぁ……、と自覚させられます。しかし誰にも見せるもんじゃなし、フルフルで入力していきます。
ただ、ここからが長かった。ペアリング後にアップデートが開始されたのですが、スマホでダウンロード後、スマートウォッチ上で更新が反映されるまでの時間が実に1時間半。自宅のWi-Fiが弱いのかな……? と思って手持ちのモバイルルーターでも試してみましたが、何も変わらず。
家族の朝食を作り、着替え、昼御飯用の米を炊き、起きてきた子供たちにご飯を食べさせ……、と出かけるまでの全工程を終えてなお終わらない更新にやきもきしました。セットアップは余裕があるときに終わらせておくべきかもしれません。
ソフトウェアアップデートが長かった。。。アナログ時計派の私には想定外の時間です。
デュアル接続の注意点。自転車ユーザー感涙(?)のメリットとは
「パパ、何やってるの? 早く公園に行こうよ」という息子の不満をたしなめながら、無事アップデート完了。愛用の『プーマ』の「スエード」に「HUAWEI Band 4e」を装着しつつ、いよいよお出かけです。もちろん、腕には「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」が光り輝きます。果たして、これで何が起こるのか。
ちなみに余談ですが、「HUAWEI Band 4e」は換装する際に注意が必要。写真のように2つの突起が合致するようにセットしないと、“リストバンド”モードから“フット”モードにうまく切り替わってくれません。
そして、いよいよウリである“デュアル接続”を試します。このデュアル接続は「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」と「HUAWEI Band 4e」の両方が手元のスマートフォンに接続されている状態。これにより、手元で情報を確認しつつ足元で情報を取得できるワケです。
しかし、ここで落とし穴が。 実はこのデュアル接続、iPhone、つまりiOSには対応していないことが判明。「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」と「HUAWEI Band 4e」を同時に登録はできるものの、同時に接続ができないんです(アプリ上で両モデルが取得したデータは合算可能でした)。
妻のスマホがAndroidだったので、一時的に拝借してこの機能を体験できましたが、デュアル接続したい人はご注意ください。また、Androidスマホでも「HUAWEI Band 4e」を“フット”モードにしないとデュアル接続できないので、つながらない! と焦る前にまず確認を。
デュアルモードで繋がるとご覧の通り、2本とも接続済みの表示が。iPhoneではできませんのでご注意を。
いよいよサイクリング開始。『ファーウェイ』の力で、いつもの道がどう変わる?
前回の商品到着に続きセットアップでも紆余曲折がありましたが準備は万全。いよいよ、長男を後ろに乗せて“サイクリング”モードによる計測開始です。デュアル接続したまま、「サイクリングモード」をスタートします。開始時の“3、2、1”のカウントダウンに緊張が高まる……こともなく、何十回と通い慣れたいつもの道をゆるゆると走り出しました。
しばらく漕いでからデータを見てみると、ちゃんとケイデンスが測れてる、とちょっと感動。スマートウォッチを使い慣れている人からすると当たり前なのかもしれませんが、こんな小さな機械で結構正確に測れるもんなんですね。
さてこのケイデンスとは1分間にペダルを何回転しているか、という数値。サイクリングにおいてはこのケイデンスがペースを把握する上で重要な役割を果たすそうです。私の愛機はママチャリなので参考になるか分かりませんが、平坦な道をロードバイクで走る際の目安が90~100回/分程度とのこと。もちろんそんなスピードで飛ばせば事故を起こすこと請け合いなので、このまま走り続けます。
バンドによるデュアル接続による恩恵がこちら、ちゃんとケイデンスが表示されました。
赤信号でデータを確認すると、並道にもかかわらずケイデンスに少々の低下が。思わずペダルを漕ぐ足に力が入ります。なるほど、こうやってペースを維持するんだなとケイデンス表示の大切さを実感しました。
ママチャリを漕ぎこぎして約11分半、ようやくお目当ての公園に到着! 駐輪し、サイクリングモードを終了すると今回の“成果”がデータとなって表示されます。約2kmもあったのか、やっぱりスピードは遅いな、消費したのはたったの47キロカロリーか……、もう少し走ろうかな……と、この画面だけでも、いつもは気にも留めていなかったさまざまな思いが交錯しました。その他、速度、詳細……と計3つのタブが並びますが、この日は短めのライドだったのであまり意味をなしませんでした。(翌日、どうしてもこの数値を上げたくて長距離ライドをすることに。その様子は後日レポートします。)
近所の公園じゃぬるすぎる! いつもは電車のあの公園まで行ってみよう!!と思わせるのがスマートウォッチを着ける意味かもしれません。
息子が公園で遊び回る中、パパはスマートウォッチをあれやこれやいじり倒す
公園まで自転車を漕いだから、今日はもうおしまい! ……とならないのがパパの難しいところ。息子が公園のペダルカーにいそしむ中、声を掛けつつ見守ります。しかし、そんなパパにも今日は新しいオモチャが。手元のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」で、何が出来るのか、いじり倒すことにしました。
まずは、本日の活動について確認。スマートフォンからアプリを立ち上げれば、これまでのアクティビティの結果が数字で確認できます。血中濃度、睡眠など現状取得していない項目もありますが、カロリー含め自分の頑張りが一目瞭然。真の空く数は表示しなくて良い、ストレスは見たくない……、というときには「カード管理」から表示内容を設定することも可能です。
自分的にヒットだったのがウォッチフェイスが自由に切り替えられるところ。アナログウォッチ派としては、文字盤がコロコロ変えられるのが実に楽しかったです。既存のモノに加え、アプリから文字盤をダウンロードすれば何十何百という顔に変化が可能。個人的に好みなレトロデジタル調のデザインも多く、息子そっちのけでダウンロードしてはあれやこれやと試していました。
ちなみに、各フェイス上で表示される情報も、微妙に異なります。時刻は当たり前として、歩数、カロリー、心拍数に、バッテリー。移動距離やストレスまで表示してくれるものもあります。
やっぱり私はアナログチックなウォッチフェイスが好み。ちなみに、この「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」はムーンフェイズ表示がウリのひとつなんだそう。
帰り道もいそいそキコキコとサイクリングにいそしみ、仕上がりとしてはこちらのような感じに。時間ごとの活動量なども棒グラフで細かく算出してくれます。まだ1日だけのデータなのでこれを見てどう、ということはありませんが、これが1週間、1か月と積み重なることで見えてくることもありそうです。
疲れ切って、就寝。睡眠の質も、『ファーウェイ』で丸わかり
せっかくなので、睡眠時のデータも取得しておこう……、ということで、「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」を腕に装着して就寝準備。しかし、腕に巻いて時が経てば経つだけ気になるのが、左腕の違和感です。当たり前と言えば当たり前ですが、ケース径も含めそもそも重厚感がある作り。着け慣れている方からすると気にならないのでしょうが、正直、重みが気になって寝付けません。
そこではたと気が付いたのが、「HUAWEI Band 4e」の存在。調べてみると、このバンドだけでも睡眠時のデータが取得可能とのこと。試しにバンドを装着し腕に着けてみると、くらべものにならないほど軽い! デュアル接続に限らず、腕時計型とバンド型、両方持つメリットはこんなところにもあるのかもと実感しましたね。
ちなみに、翌朝キャプチャした私の睡眠データも掲載します。睡眠時間は元より、レム睡眠ノンレム睡眠のペース、その配分まで把握できます。
ということで、デュアル接続を試してみた初日はこれで終了。スマートウォッチ、なかなか楽しいじゃんというのが素直な感想。何より、初心者でも説明書を読まずここまで扱えたというのは間違いなく『ファーウェイ』の力でしょう。『Apple』製品がマニュアルいらずで操作できるとはよく聞きますが、『ファーウェイ』の限りなくシンプルでストレスのない操作性もなかなか。細かいところでは気になる箇所もあるものの、腕時計型「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」とバンド型「HUAWEI Band 4e」の両持ちによる新鮮な体験で帳消しに。スマートウォッチに染まりつつある自分にドキドキしつつ、この日は眠りについたのでした。
次回は『ファーウェイ』と一緒に、(私にしては)長距離ライディングしてきた結果をレポートします。
「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」の詳細をAmazonで見る
●関連記事
※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。