Apple Watchをはじめとしたスマートウォッチの使用者がジワジワと増えている昨今。一日中装着はしていなくとも、「走るときだけはスマートウォッチを着けている」「外で歩くときにはスマートウォッチを着けて活動量計として使っている」という方も増えているのではないでしょうか。実際のところ、ジョギングコースで走っている人を見ると、最近は半分くらいの人がスマートウォッチを着用している印象です。
ただ、「調子の善し悪しを把握するため」「毎日の活動量を記録するため」という目的でランニングのトラッキングをしていても、それを上手に活用できている人はまだ少ないのではないでしょうか。また運動の習慣がない人には、「1日にどのくらい歩いたとか、ジョギングのペースを測ったりとか、そんなことをして何の意味があるの?」という疑問もあるでしょう。
Polar(ポラール)の最上位機種のスマートウォッチ「Polar Vantage V2」は、そうした人達にとっても興味深い存在のはず。このスマートウォッチには「スマートコーチング機能」が搭載。日々のフィットネスレベルの評価や、トレーニングプランの作成、正しい強度での筋トレのガイドやトレーニング直後のフィードバックなど、トレーニングのモチベーションを上げる様々な独自機能を多数取り揃えています。つまり、「トレーニングや睡眠のデータを記録する」というところから一歩踏み込み、記録したデータをもとにユーザーのための行動を提案してくれるスマートウォッチなんです。本記事では、そんな「Polar Vantage V2」のスマートコーチング機能をいくつか紹介します。
3回のジャンプで脚の回復度が分かる「脚力回復度テスト」
「Polar Vantage V2」に搭載されている「脚力回復度テスト」は、ハードなトレーニングをした後に脚の筋肉の回復具合や、瞬発力の向上の度合いを確認できるテストです。テストの方法は簡単で、3回のスタンディングジャンプを行うだけ。その垂直跳びの高さを自身の平均数値と比較して、「回復済」か「回復がまだ足りないか」を教えてくれるという仕組みです。なおこのメソッドは、脚力の回復度とパフォーマンスを確認する方法として広く利用されているものだそう。それをスマートウォッチ一つで行えてしまうのが素晴らしいです。
なお、このテストでは、垂直跳びの高さのベースラインを確定するために、28日間の間に少なくとも3回以上テストを実行する必要があります。3度目のテスト以降で下半身の筋肉の回復状況のフィードバックを受け取れるというわけです。このテストは、ログが貯まれば貯まるほどユーザーの正確なベースラインが分かるので、週に2〜3回くらいは脚力回復度テストを実行するのがよさそうです。筋トレやジョギングをしている人は、無理なトレーニングの故障防止に大いに役立てられるはずです。
「良い深呼吸」もガイド付きで教えてくれる!
Apple WatchやFitbitのスマートウォッチにも搭載されている「呼吸」のアプリケーション。数分間落ち着いて深呼吸すると、気分もすっきりリフレッシュできます。
Polarの「Serene」も、ガイダンス付きで深呼吸エクササイズを実施できる機能です。心身のリラックスができるだけでなく、それが「良い深呼吸だったか」「効果的でない深呼吸だったか」の判定もしてもらえます
なお「毎分あたりの呼吸数が6回」というのがストレス解消に効果的な呼吸のリズムだそう。そのためPolarの「Serene」では「5秒吸って5秒吐く」という10秒サイクルの呼吸を、画面でのガイダンス付き(アニメーションのほか振動もあり)で導いてくれます。
そして「Serene」の深呼吸が一通り終了すると、以下の3つのゾーンのサマリーを見ることができます。
・ダイアモンドゾーン=最適ゾーン
・サファイアゾーン=とても良いゾーン
・アメジストゾーン=良いゾーン
この「Serene」エクササイズの実践を続けると、「最適ゾーン」の時間を増やしたくなってきます。呼吸をも「エクササイズ」と考え、そこに向上心を持たせてくれるPolarの素晴らしさが非常によく表れているアプリケーションだと感じました。
夜間の睡眠からも身体の回復度を測定
Nightly Recharge(ナイトリーリチャージ)は、夜間の睡眠でどれくらい心身が回復しているかを測定するアプリケーションです。判定の要素は以下の2つで、そのステータスを過去28日間の通常レベルと比較してアドバイスをしてくれます
・睡眠ステータス(睡眠の長さや中断パターン、睡眠ステージの割合から回復度を判定)
・自律神経ステータス(睡眠時の心拍数や心拍数変動値、呼吸数から回復度を判定)
アドバイスは睡眠に関するもののほか、特に調子のよくない日などには「今日のヒント」としてエネルギーレベルの上げ方なども提案してくれます。このアプリケーションを使っていると、「睡眠もトレーニングの一環として重要なものだ」という意識が芽生えてきます。
オンデマンドのトレーニング提案
「FitSpark(フィットスパーク)デイリートレーニングガイド」は、オンデマンドトレーニングのテンプレートをデイリーベースで提供してくれるアプリケーション。毎日2~4種類のトレーニングオプション(ユーザーに最適なオプションを1種+1~3種の選択可能なオプション)を提案してくれます。なお提案されるトレーニングは、先に紹介した「Nightly Recharge」のステータスのほか、ユーザーのトレーニング履歴、回復状況、フィットネスレベルを考慮したものになっています。
上記の写真を撮影した日、私には「カーディオ」トレーニングを推奨され、「10分のウォームアップ」「48分の有酸素運動」「5分のクールダウン」が提案されました。心拍数を95〜135の間で保つように早歩きをしましたが、心拍数が上がりすぎても下がりすぎても腕時計からアラームが出て注意されます。フィットネスの向上やコンディションの維持に役に立つアプリケーションだと感じました。
Polar Vantage V2は腕元のパーソナルトレーナー
上記で紹介したのはほんの一例で、他にも複数のスマートコーチング機能が用意されています。ユーザーひとりひとりに合わせた活動を提案をしてくれる「Polar Vantage V2」のスマートコーチング機能は、まさに腕元のパーソナルトレーナーのような存在。何らかの目標を持って継続的に体力の向上を目指している人には、絶対にお買い得な製品ではないでしょうか。オススメのスマートウォッチです。