Apple Watchをはじめとした多くのスマートウォッチで採用されている「スタンド」のリマインダー。
一定時間、デスクなどで座って動かずにいると、「スタンドの時間です! 立ち上がって1分間ほど動きましょう」と表示やバイブレーションで伝えてくれる通知のことです。
仕事に集中しているときなどは、「いちいちうるさいなぁ」と無視している人も多いでしょう。
しかし、日常生活で長時間にわたって座り続けていることは、健康にさまざまな悪影響を与えることも研究で明らかになっています。
そこで今回の記事では、『「座りすぎ」が寿命を縮める』(岡浩一朗/大修館書店)という書籍を参考に、「座りすぎ」のもたらす健康リスクについて紹介します。
著者は座位行動の健康リスクの研究者
『「座りすぎ」が寿命を縮める』の著者の岡浩一朗氏は、早稲田大学スポーツ科学学術院教授。
座位行動研究の世界的権威であるネヴィル・オーウェン教授に師事し、座りすぎの健康リスクと対策に関する共同研究を進めてきた研究者です。
日本人を対象に座位行動の健康リスクについて検討するため、早稲田大学卒業生を対象にした研究プロジェクト「WASEDA’S Health Study」なども立ち上げています。同書のAmazonページに掲載された内容紹介は以下のようなものです。
デスクワーク、TV、PC、スマホ、運転……日本人は座りすぎている! なぜ良くない? どうすれば防げる? 本書を読めば、職場、自宅、移動中(電車、クルマ)で座り続けることが“いかに健康リスクを高めるか”がわかります。 世界各国の最新研究データから「座りすぎ」の怖さを詳しく、わかりやすく解説。 エビデンス(科学的根拠)に基づいた確かな知識が満載です。 紙面は“2色”ですっきり読みやく、多くの図表でビジュアルに理解できます。 「座りすぎ」を防ぎ、健康的な生活を送るためのヒントがつまった1冊です。
座りすぎは死亡リスクを高め、仕事のやる気も奪い、疲労感も高める!
では、同書を実際に読んだ中で、印象に残った部分を箇条書きでザッとご紹介します。
下に抜き書きした部分を読むだけでも、「今日から仕事中にはちょくちょく立つようにしよう……!」と思うようになるはずです。
●日本人の成人が1日に座っている時間は約7時間。世界20カ国の成人のデータと比較してもその数字は最長
●オーストラリアのシドニー大学が中心に行った研究では、座っている時間が長い人ほど、総死亡率(あらゆる原因による死亡率)が高くなる。
●また同研究では、座っている時間が長いほど心血管疾患(狭心症や心筋梗塞)のリスクも高まるとの結果も出ている。
●座っている時間が多くなると、生産性とワーク・エンゲイジメント(活き活きと熱意をもって仕事に臨んでいる状態)が低くなるという研究結果もある。
●オフィスで座っている状況を設定した調査研究で、「ずっと座り続けている条件」と「30分ごとに30分間ブレイクする条件」を比較したところ、「ずっと座っている条件では疲労感が高まる」という結果が出ている。
座る時間が増えた現代人。その対策にスマートウォッチはピッタリ
また同書では、ライフスタイルの変化によって、現代人は家庭でも座る時間が増えている……との記述もありました。
数十年前の暮らしでは、テレビのチャンネルを変えるにも、いちいち立ち上がってテレビの前まで動く必要がありました。
また洗濯機も2層式で、脱水のためだけに再度の操作が必要でしたが、今は乾燥機付きの全自動も普及。洗濯のために立ち上がる時間も減っています。そして昔は扇風機のリモコンもなく、ルンバのようなロボット掃除機もありませんでした。
それが今は、大半の家電製品の操作がリモコンで可能に。
またスマートフォンのさらなる普及&高性能化・多機能化も近年の大きな変化。テレビを見ることが減った一方で、「スマホで大半のことはできる」という状況になったことで、家でもオフィスでも椅子に座ってスマホをダラダラ見ている時間は確実に増えたでしょう。
なお近年はAmazon Echo、Google Home、Apple HomePodなど、音声だけで幅広い操作が可能な「スマートスピーカー」も徐々に普及。家庭の中で歩く場面はより少なくなっていくと予測されています。
そんな状況下で役に立つのがスマートウォッチ。
著者の岡氏も、実際にApple Watchの愛用者だそうで、立ち上がることを即すリマインダーの有用性について同書で言及していました。
「運動しよう!」の前に「座りすぎないようにしよう!」の意識を
また同書の中で面白かったのが、「運動しよう」と意識を持つことの以前に、「日常生活の中で座りすぎないようにしよう」と意識をすることが大事……と書かれていた点です。
というのも、病気の予防という点では運動も大切ですが、「座り過ぎをやめて、頻繁に立ったり、歩いたりする」というだけでも十分な効果が期待できるからです。
そして立ったり歩いたりすることは、それ自体が「低強度の身体活動」。「スポーツに挑戦したいけど、なかなか始められない……」という人は、まずは立っている時間を増やすことから始めてもいいわけです。同書のより詳しい内容は、実際に書籍を読んでご確認を!
そのほかの「Apple Watchにできること」はコチラ!
Apple Watchにできること38選。LINEの通知受取、Suica決済、歩数や睡眠の記録……。生活が便利になり、健康意識も高まる!
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、編集部員は常にスマートウォッチを片腕or両腕に着用。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」にも出演。
あわせて読みたい
皮膚温度も摂取カロリーも計測!スマートウォッチの最新健康機能まとめ
※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。